コケを食べて除去してくれる生体に「貝類」がいますが、ここでは、ちょっとユニークなタイプの貝である「イエローラビット・スネール」をご紹介させていただきます。
・・・なにがユニークなのかと言いますと、まず本種は他の貝類にはなかなか見られないほど貝殻が細長く、体色の部分だけが黄色に染まる、独特な見た目と色彩を持つ貝なんですね。
黒褐色の貝殻と、黄色の体色は水草レイアウトでは特に映えて見えるので綺麗です!
熱帯地方に生息する貝なので、コケ取り貝で有名なイシマキ貝と同じように、熱帯魚水槽に混泳させて飼育が楽しめます。
こういった、特徴あるカラーの貝なんかも混ぜて観賞を楽しむのもアクアリウムの醍醐味ですよね!?
ここでは、イエローラビット・スネールの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきますね!
イエローラビット・スネールについて
イエローラビット・スネールは、インドネシアに浮かぶスラウェシ島のマリリ湖に生息する巻貝です。
名前に「イエロー」とあるように、つい2度見してしまうような黄色い体色があまりにも特徴的な貝なんですね。
また、黒色で細長い貝殻をしており、なかなかここまで長い貝を持つものも珍しいし、長い貝殻を引きずりながら水槽内を移動する姿は見ごたえがあります。
コケ取りで古くから親しまれている、イシマキ貝は丸っこく「ずんぐり体形」に対し、イエローラビット・スネールは、シュッと伸びた細長い「スレンダー体形」と、見た目が全く異なります。
色んな熱帯魚を混泳させて観賞を楽しむように、貝類も異なる形状のものを混泳させるのもいいかもしれませんね!
イエローラビット・スネールの飼育データ
- 体長:(貝殻の大きさ)最大で6cmほど
- 水温:22℃~26℃
- 水質:中性~弱アルカリ性
- 寿命:-
- 参考価格:1匹あたり500円~600円ほど
イエローラビット・スネールは、体長が最大で6cmほどの小型の巻貝です。
貝類が大好物とするフグ類などでなければ、基本的にどんな種とも混泳させて大丈夫です。
本種が好む水質は中性~弱アルカリ性で、自然界ではpH値や硬度が高い汽水域(海水と淡水が混ざった水)のような水質でなければ長期飼育が難しいと言われることもあります。
ですが、強い酸性に傾くことが無ければ純淡水で飼育しても問題ありません。
また弱酸性の水質でも問題なく飼育が出来るので、水草レイアウトにも気軽に導入して飼育が楽しめます。
ただ、水草は葉の柔らかい種や、新芽は食害されてしまう恐れがあるので、葉の硬いアヌビアス・ナナや、ミクロソリウムなどを用いるのが理想と言えます。
ウィローモスを茂らせた水槽なんかにも気軽に導入できるのでお勧めですよ!
餌不足に注意を!
イエローラビット・スネールは、コケの他に水槽内に発生する有機物を食べて生きていけます。
ただ、立ち上げ当初や、本種を多く導入している水槽では、どうしても餌不足になりやすいという問題があります。
貝類の長期飼育が難しいと言われる理由は、実は餌問題による餓死ってことが非常に多いんですね。。。
イエローラビット・スネールは、コケや有機物以外にも、熱帯魚が食べる餌など、何でも食べます。
なので、イエローラビット・スネール用に茹でたホウレンソウなどを定期的に与えることをオススメします。
野菜がなければ、熱帯魚に与えている餌を沈めるのも良いですし、冷凍アカムシとか乾燥イトミミズもムシャムシャ食べるので、こういったものを与えるのも良いですね!
食べるスピードは遅いので、他の熱帯魚に横取りされないように注意して観察しましょう!
低床に潜る性質がある!
イエローラビット・スネールは、低砂に潜って身を隠す習性を持つ巻貝です。
もともと高いpH値を好む巻貝なので、弱アルカリ性に傾けるパウダータイプのサンゴ砂を用いれば、この習性も見られて鑑賞の楽しみが一つ増えるでしょう。
また、イエローラビット・スネールを長期飼育するにはこの水質が良いのかもしれません。
・・・ただ、弱アルカリ性だと、この水質でしっかりと育成できる水草を選ぶ必要がありますし、飼育する熱帯魚も限られてくるかと思います。
グッピーやプラティ、ヤマトヌマエビなんかは、弱アルカリ性の水質を好む熱帯魚(エビ)ですので、イエローラビット・スネールの相性はいいといえます。
サンゴ砂を用いると、水質は弱アルカリ性へと完全に傾くので、これを使用する場合は、弱酸性を好む生体を導入するのは避けるようにしましょう!
ヒーターカバーは必須!
貝類全般に言えますが、ヒーターがむき出しになっていると、彼らは焼かれて死んでしまうことが”多々”あります。
「あえて熱いヒーターなんかに近寄らないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、ヒーターはオンオフを繰り返すので常に熱を出しているわけではないんですね。
設定温度が下回った時のみ作動することで、水温を保つようになっています。
なので、作動していない時にイエローラビット・スネールがヒーター菅にべったり張り付いていて、その時に作動してしまうと熱で焼かれて・・・、と言った感じです(汗
ですが、カバーがあれば完全に防げる事故なので、必ず取り付けるようにしましょう!
イエローラビット・スネールの繁殖について
イエローラビット・スネールは、水槽内繁殖が可能な貝です。
アクアリストを悩ませる問題の一つに「スネール大発生」があるので、増えて増えて増えまくるんじゃぁ・・・、と思う方もいるかもしれませんが、イエローラビット・スネールはそこまで急に増殖できる貝類ではありません。
めちゃくちゃ増えるスネール類と言うのは雌雄同体といって、水槽内にとりあえず2匹いるだけでどんどん増えまくることが出来る奴なんですね。
あの、水草とかにくっ付いて入り込んでくる厄介なちっちゃい貝とかがまさにそうです(汗
しかし、イエローラビット・スネールは、タニシのようにオスメスと雌雄異体であり、まず繁殖には水槽内にペアがいないと不可能です。
そして、卵を産むのではなく、体内で卵を孵化させてから稚貝を出産する卵胎生という性質を持っています。
グッピーやプラティーと全く同じですね!
一回に出産する稚貝の数も、それほど多くないので、イエローラビット・スネール自体大量に飼育しない限り大量発生することもありません。
さいごに
イエローラビット・スネールは、殻が黒、体色が黄色って見た目カラーだけで、もはや他の貝類には絶対に見られないという魅力ある貝だといえます。
「カッコいい見た目の貝が欲しい!」「ちょっと変わった見た目の貝を探している!」と言う方は、イエローラビット・スネールを是非チェックしてみて下さいね!