白点病は淡水魚と海水魚では細菌の種類や対処法が全く違う!それぞれの原因と治療法も!

マリンアクアリウム

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アクアリウム全般で、熱帯魚にとって最もかかりやすい病気に「白点病」があります。

これは、淡水魚であっても海水魚(マリンアクアリウム)でも同じで、熱帯魚の体表に白い点々が現れる症状が特徴です。

通常、どこにでもいる細菌が原因となっているんですが、自然界でこの病気が発症することは無く、水槽と言う閉ざされた空間でのみ見られる、まさに(マリン)アクアリウム特有の病気なんですね。

ここからが重要なのですが、実は、淡水と海水では病原菌となる最近の種類が異なります。

つまり、症状が似ているとうだけであって、淡水と海水では対処法や治療法が全く異なってくるんですね!

これを混合してしまって、例えば海水魚に淡水魚と同じ対処をしてしまえば、菌が蔓延して逆効果となることがあるので、完全なる別々であるとしっかり理解しておかなくてはいけません。

以下では、白点病の淡水と海水での違いや、対処法などについてご説明していきますね!

 

「淡水魚」の白点病について

淡水の水槽で白点病は、ウオノカイセンチュウという病原菌が原因で発症するんですね。

一応、海水魚と区別するために「イクチオフチリウス症」とも呼ばれますが、ほとんど聞きなれない言葉ですよね(汗

淡水の白点病=イクチオフチリウス症、、、一応、淡水専用の呼び名があるとだけ覚えておいていただければ。。。

 

このウオノカイセンチュウという細菌は、自然界にもごく普通に存在する、いわば「常駐菌」といわれ、まあ、、、どこにでもいる菌なんですね。

水槽内にもごくごく普通に存在していることが多いですが、ウオノカイセンチュウは空気中で生きられる菌ではないことから、生体や水草などを入れたタイミングで水槽内に持ち込まれると考えた方が普通のような気もします。

どこから持ち込まれるのか特定が限りなく無理なので、常に白点病のリスクはあります。

 

で、このウオノカイセンチュウは、魚の体表に寄生して養分をチューチュー吸い取って成虫になります。

成虫になれば、寄生していた宿主(魚)の体表を離れ、卵を包むような膜(シストと呼ばれる)モノを形成して水中、または低床で分裂を繰り返し増殖する。

そして新たに誕生した子ウオノカイセンチュウが、寄生する宿主を求めて水中を浮遊する、、、そして寄生へ。。。といったサイクルが繰り返し行われるんです。

子ウオノカイセンチュウは、寄生できないと死滅してしまいます。

なので、「発症しなければ全滅したってこと!?」と思う方もいるかもしれませんが、実はシスト化したものは、環境に適した条件が揃うまでジッと、、、いわゆる休眠状態になることで知られています。

一旦持ち込まれた時点で、完全に水槽をリセットしない限り、まあ殲滅は無理でしょうね(汗

故に常駐菌です。。。

 

ウオノカイセンチュウの性質

ウオノカイセンチュウには、決定的な弱点のようなモノがありまして、、、それは高水温では活動が出来ないという事です。

逆に、低水温になればなるほど活発化します。

休眠していたコロニーも、今かと眠りから覚めて水中へ解き放たれることでしょう。。。

熱帯魚は、基本的に低水温では生きられませんので、水温が低ければ体調を崩します。

そこに活発化したウオノカイセンチュウが大量にいれば、、、まあ、寄生されますよね(汗

 

ウオノカイセンチュウの特徴としては、水温25℃以上だと、あまり発症が見られなくなります。

30℃以上だと、ほぼ発症はしません。(発症したよ!ってかたは逆に教えてほしいくらいです!

なので、淡水水槽で白点病を予防するには、水温を25℃以上を保つようにしていれば、それほど驚異的な病気でも無いんですね。

 

対して、低水温を好む熱帯魚には注意が必要という事になります。

24℃以下、、、それよりも22℃、20℃と下がれば下がるほど発症するリスクも高くなります。

熱帯魚よりも金魚で多く見られるのも、金魚の水温とウオノカイセンチュウの好む水温がマッチしているからなんですね。

ただし、元気でいる個体と言うのは白点病にかかることはあまりありません。

なので、水質悪化や換水時の水温の急変など、熱帯魚にストレスを与えないことが重要となってくるでしょう。

 

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白点病の治療(淡水ver.)

ウオノカイセンチュウは高水温に弱いという性質を利用して、水温を高めるという方法があります。

熱帯魚が耐えられる水温にもよりますが、極端に言えば、水温を30℃くらいまで上げて1週間くらい様子を見ることで改善されることも多いです。

白点病が見られた魚ですら、高水温にするだけで白点が消える(治る)ことも普通にあります。

ただ、注意したいのが、高水温にして治療してもウオノカイセンチュウの活動が低下しただけで、病原菌は水槽内に存在しています。

つまり、水温を元に戻した時点でまた再発するリスクはあるというのは覚えておきましょう。

また、病気が発症したら換水するなど、水温を高めるだけじゃなく、水質改善も同時にするといいですね!

 

あとは、専用の魚病薬を使って薬浴させるのも効果的です。

というか確実に直す方法はこれでしょう。

菌が蔓延しているメイン水槽に薬をぶち込みたいところですが、薬品はエビや水草にとって有害である場合があるので注意しなくてはいけません。

※商品によっては、水草レイアウトに使用できるようなものもあります!(表記を要チェック!

なので、薬浴専用の水槽を別で用意して、そっちに病気の個体を一時的に移す方法をとるのがオススメです。

 

淡水の白点病に効く魚病薬

淡水魚の魚病薬として有名どころは、「メチレンブルー」とか、「マラカイトグリーン」あたりがメジャーです。

 

 

 

 

「海水魚」の白点病について

海水の水槽の白点病というのは、クリプトカリオン・イリタンスという淡水とは異なる寄生虫が原因となります。

淡水を区別するネーミングで、クリプトカリオン症という名前があるのですが、コッチも聞きなれない言葉ですよね。。。

一応、海水魚の体表に寄生して、成虫になった後は宿主を離れ、シスト形成して増殖からの、、、また寄生というサイクルは淡水バージョンと全く同じなんですね。

 

クリプトカリオン・イリタンスの性質

しかし、淡水と唯一違うのが、クリプトカリオン・イリタンスは高水温を好む細菌だという事です。

25℃~30℃が、クリプトカリオン・イリタンスの最も好む水温とされ、これを淡水と混合して水温を高めてしまうと、逆に菌が蔓延・活発化して症状が悪化してしまいます(汗

 

クリプトカリオン・イリタンスも、ウオノカイセンチュウ同様に、ごく普通に存在する細菌です。

なので、根絶するという事はほぼ不可能なんですね。

ただ、淡水でも同じですが、環境(水質)が良ければ、あまり見られませんし、早期に治療すれば問題なく治りますので、それほど驚異的なものでもありません。

 

白点病が最も発症しやすいのは、導入してすぐの水質の変化、水温の急変により魚にストレスがかかる時に発症しやすいです。

まあ、体長を崩している時にここぞとばかりに発症する、、、いわば熱帯魚の風邪のような感じですかね。。。

海水魚飼育で白点病が見られた時に注意すべき点は、、、淡水魚同様だと思って「水温を上げない」ことですね!

 

白点病の治療(海水ver.)

海水魚の白点病治療薬では、硫酸銅を使用する方法が最も効果的の一つとなります。

が、これだと、無脊椎動物を殺してしまうので、使用するには海水魚onlyな水槽であることが絶対条件だといえます。

淡水水槽で効果的なマラカイトグリーンは、即効性の効果が見込まれるので、海水魚の白点病治療にもオススメです。

ただし、マラカイトグリーンが有効なのは、体表に付いた病原菌のみで、浮遊しているような病原菌にはそれほど効果がないとされ、また持続時間が短いため、薬が切れた段階で再発することが多いらしいです。。。

 

まあ、一番はしっかりとした水質を維持することなんですね。

常駐菌である白点病に関しては、魚病薬というのは、一時的な気休めにしか過ぎないので、病気が発症したら治療するとともに、水質も同時に改善していくことが、今後また白点病を発症させないための対策となります。

海水魚の場合は、淡水と比べてやや厄介なことから、「殺菌灯」を使うものオススメです。

殺菌灯を使用して、全く白点病にかからなくなったという声も多いです。

ただ、殺菌灯のライトが故障した段階で、すぐに発症したという声も多いですが。。。クリプトカリオン・イリタンス恐るべし・・・ですね(汗

やはり大事なのは水質でしょう。。。

生物濾過のしっかりと効いた、良い水質作りこそが最大の防御策となるに違いありません!

 

まあ、、、でも、海水魚飼育に至っては殺菌灯はお勧めです(笑

白点病以外にも病原菌を殺菌し、藻類の発生を抑える効果もあります。

ちょっと飼育の難しい魚、高価な生体を飼育するときに、殺菌灯があると心強いですよ。

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