アクアリウムをやっていると、水槽内に「水カビ」が発生することがあります。
特に発生しやすい場所と言うのが「流木」の表面です。
流木は、大自然のような風景を簡単に作り出すことが出来ることから、多くの水槽に用いられますし、特に水草レイアウトには欠かせないような存在でもありますよね。
形状も様々で、自然の素材故に全く同じものが他に存在しないというのが魅力的な所ですが、そんな流木にある日突然、白い水カビが発生してしまうとショックですよね・・・。
このように、流木の一部が白っぽくなっている場合は、水カビである可能性が非常に高いのです。
水カビが発生する原因はいくつか考えられ、早急に対処する必要があります。
以下では、水カビが発生した時の対処法についてご説明していきたいと思います。
水カビについて
水カビを発見したら直ちに対処しなくてはいけない理由としては、熱帯魚やエビなどの生体に病気が移ってしまう恐れがあるんですね。
つまり、水カビは生体にとってかなり有害なんです。
熱帯魚の病気に「水カビ病」というのがありますが、これは水槽内に発生した水カビをそのまま放置してしまう事でも発症のリスクが高くなるんですね。
上記のことだけでも、水カビを発見したらすぐに対処しなければいけないという事が分かりますよね。
水カビの生態
カビと聞くと、なんだか湿気の多い場所の陸地に生えていそうなイメージがありそうですが、水中に発生するカビも存在するという事なんです。
しかも、水カビは季節問わずいつでも発生する可能性があり、このカビの細菌と言うのが大気中にごく普通に存在しているため、完全に除去するのは事実上、不可能なものなんですね。
このカビの菌が流木などに付着して白っぽくなり、放置しておくと白い綿状のカビに成長します。
生体の体表に付着すると、水カビ病の原因にもなる恐ろしいものでもあるんです。。。
カビと聞くと悪いイメージがありますが、自然界では動物の排泄物を分解して、植物に必要な栄養へと変えてくれるため分解者とも呼ばれる、自然界の掃除屋なんですね。
基本的にカビは生きているものは分解できなく、死んでいるものを分解します。
魚の死骸に白いカビが生えるのは、まさにカビがその魚を分解しているからなんですね。
しかし、アクアリウムにとって必要な分解者とは、バクテリア(微生物)であって、カビではありませんよね。
むしろ、カビは自然界では必要な存在ですが、水槽内では生体にまで悪影響を及ぼす危険性があるため、全くを持って不必要な存在です。
水槽内に水カビが発生する原因
水槽内に水カビが発生する原因はいくつかあります。
- 餌の与えすぎ
- 濾過能力が弱い
餌の与えすぎ
水カビが発生するには、それ相当な「栄養」が必要となります。
では、その栄養素はどこからやってくるのかと言えば、餌から溶け出すことで水中に豊富な栄養素が解き放たれるんですね。
餌を与えすぎていると、知らず知らずのうちに水が栄養をたっぷり含んでしまい、水カビにとって絶好の環境を作り出してしまっていることも・・・。
普通のフレークタイプであればすぐに食べ終わる量を与えやすいですが、コリドラスに与えるようなタブレットタイプは、餌が食べ終わるまでに時間がかかるので、どんなに長くても10分以内には食べられる量を与えるようにし、時間が経過したら取り除くようにするのがベストです。
濾過能力が弱い
濾過能力、、、つまりバクテリアによる生物濾過が上手く回っていない水槽でも水カビは発生しやすくなります。
餌の食べ残しや排泄物、水草レイアウトでは枯れた葉なんかを、バクテリアは分解し綺麗にしてくれる役割があります。
しかし、濾過能力が弱い水槽ではこれらが分解されません。
分解されないと、糞や枯れた葉から溶け出した成分が、水カビを発生させてしまう原因となるのです。
流木に水カビが発生した時の対処法
流木はとても水カビが発生しやすいです。
というのも、流木は自然由来ものですから、水中にセットしておくと目には確認できないスピードで徐々に腐敗しているんですね。
流木には有機物が発生しやすいですから、水カビが発生しやすいのも頷けます。
、、、それで、もし流木に水カビが発生してしまったら「鍋で煮る!」。。。
これが一番手っ取り早い気がします。
流木が傷つかない程度にブラシ類でゴシゴシ除去するのもいいですが、一度「水カビ」が発生した流木は、また水カビが発生しやすいです。
なので、水カビをブラシで擦って除去からの、鍋で煮る!
とりあえず、流木に付着しているカビ菌はイチコロですわ。。。
水カビを発生させにくい環境に
流木のカビを除去しても、水カビが発生しやすい水槽環境だと意味がありませんので、水カビが発生しにくい環境を作っていかなくてはいけません。
まずは、上記でも説明した通り、「餌の与えすぎ」や「濾過機能の見直し」ですね!
換水も併せて水質を綺麗に保つように心がけるのが大切です。
また、水カビは水温の低い環境で発生しやすく、高水温ではほとんど発生しないという特徴があります。
飼育している生体が耐えられる水温、大体27℃~28℃くらいまでならほとんどの生体は大丈夫かと思いますので、水カビは発生したら水温を高めるのも効果的なんですね。
ただし、水温を急に高めてしまうと生体への負担が大きいので、1日1℃ずつというように、徐々に高めていきます。
最高温度に達したら1週間程度様子を見つつ、その間に、濾過機能の見直しやカビの除去など、問題点を解決していくという感じです。
水温を高めるのはあくまでも一時的なので、根本的な問題を解決するのが優先です。
水カビを食べる生体
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビは、なんと水カビを食べてくれる生き物なんですね。
コケ取り能力が強いことで有名ですが、水カビまで食べてしまうとは驚きですね(笑
ただ、これらエビ類を入れたからと言って根本的な問題は解決できるという訳ではないので、生体に頼るというより、上記で書いた問題を解決するのが優先でしょうね。。。
まあ、水カビを除去するのにヤマトorミナミヌマエビは有効だというのは間違いありません。
熱帯魚が水カビ病にかかってしまった場合は、魚病薬で早期治療を!