アクアリウムの悩みの一つであるコケ問題。
一言でコケと言っても、実はコケにも様々な種類が存在しています。
代表的なものといえば、立ち上げ当初に必ずと言っていいほど発生する茶色コケでしょう。
ただし、これは水質が安定すると自然と無くなり、発生も抑えることが出来ます。
しかし、コケの中には水質が安定しても出現してくるものがあります。
よく見るのが、糸状(ヒゲ状)で黒色や褐色をしたコケで、発生すると少々厄介なものでもあります。
ここでは、糸状のコケの発生原因と対処法についてご説明していきます。
糸状藻類(黒色~茶褐色)のコケについて
水槽を立ち上げてすぐは水質が不安定で、どうしてもコケが発生しやすい環境にあります。
その時に発生するコケといえば、ヌメヌメした茶色いコケでして、これはバクテリアが繁殖して水質が安定することで発生しなくなるんですね。
しかし、上記画像のような糸状のコケは水質が安定してからも普通に発生します。
恐らくは、最も厄介なコケの一つで、フィルターの給水口や、排出口のパイプ、水草の葉などに良く発生します。
特に、水の流れが急なところを好んで発生する傾向にあり、コケの中でも極めて活着力が強いため、水草に発生したものを無理に取ろうとすると葉が裂ける恐れがあるので、水草レイアウトの天敵ともいえるコケなんですね。
糸状藻類の発生原因
- 水質がアルカリ性に偏り、水質が高硬度になっている場合
- 水流が強く設定しすぎている
- 肥料が多すぎる
- 水換え不足
- 水質の悪化
大まかに分けて、上記の理由が考えられます。
水質がアルカリ性に偏る場合は、ソイルを使用する水草レイアウトでは当てはまることはないかもしれませんが、糸状藻類はアルカリ性を好んで発生しやすいコケなんですね。
水流を強くしすぎというのは、結構当てはまる人が多いかもしれませんね。
例えば、外部式のパワーフィルターで長いパイプ状の排出口を取り付けている場合だと、水流を弱めていない状態ではかなり水流が強いはずです。
このような場合は、水流の強い部分に発生しやすい環境を作り出してしまう原因となります。
外部式のフィルターなら、コックをひねって水量を調節できると思いますので、水量自体を弱めるか、パイプの給水口から他の商品に付け替えて工夫するのも効果的です。
肥料が多すぎる場合も発生しやすい環境を作り出すといいます。
植えている水草に対して、肥料が多すぎる場合は、余った栄養分が当然コケにも回っていきます。
これだと、発生させるだけじゃなく、コケの成長を助けることにもなってしまいますね。
ソイルはもともと豊富な栄養素を含んでいますので、多少の水草程度なら最初の段階で肥料を入れる必要性はない場合が多いです。
ただし、日に日に栄養素も無くなっていきます。
水草の成長具合にもよりますが、数カ月経ってから肥料を投入してやるといいかもしれませんね。
糸状のコケが発生した場合は、水換えの頻度を増やすことで改善されることも多々あります。
やはり、水質の悪化の影響は大きく、換水を多くしている水槽ではあまりこのコケを見たことがありません。
熱帯魚やエビを飼っている水槽では、水換え時に必ず老廃物の処理も行うようにしましょう。
砂利やソイルの隙間には想像している以上に、糞などが入り込んでいます。
糞や食べ残しは、水質が安定している水槽では普通、バクテリアが分解してくれますが、せっかく掃除するのだからこれらも同時に綺麗にした方がより水質が綺麗に保たれ、コケの発生を防ぐことにつながります。
砂利やソイルを掃除するときは、プロホースという「砂は吸い込まずにゴミだけを吸い上げる」掃除道具を使うと超便利ですよ!
糸状藻類の除去法
水槽のガラスの面に付いたコケは、三角定規を用いると簡単に落とすことが出来ます。
水草に発生した糸状藻類は、無理に取ろうとすると葉を損傷させる恐れがあります。
ある程度コケが成長してから、ピンセットで根元をつかんで引っ張ると綺麗に取れることもあるようですが、葉っぱごと切り落としてしまうのも一つの手でしょう。
コケの発生を抑えたり、除去剤がありますが、これは大切な水草にも大きなダメージを与えてしまう場合があります。
コケは一度発生すると、こういった商品を使用してもあまり効果が見込めません。
それよりも、水草の方が先に枯れてしまうことがあるんですね。
それくらコケの生命力は強いです。
対策としては、ヤマトヌマエビやオトシンクルス、貝などのコケを掃除してくれる生体を入れておくのが効果的です。
水草に発生したコケはヤマトヌマエビ、水槽面に付いたコケはオトシンクルスや貝が綺麗に掃除してくれます。
プレコもコケを本当に綺麗にしてくれますが、巨大化する種類がいるので大人になったらどれくらいの大きさになるのかを確かめてから導入するようにしましょう。
がっつり生えてしまったコケは、これらの生体をもってしても除去が難しくなるので、発生させない環境づくりをすることが第一です。
コケは見た目も悪くしてしまうので、コケのない綺麗な環境を作れるようにしていきましょう!