海水魚には、低層を生活圏とするものもいれば、中層~上層を活発に泳ぐ種類など、魚種によって”泳ぐ層”があります。
中には、上記に当てはまらない・・・つまり、砂の中に潜って生活をする海水魚も存在するんですね。
その代表的存在と言えば、水族館でも話題になった「スポッテッド・ガーデンイール(チンアナゴ)」です。
サンゴ砂の中に、体のほとんどを隠して顔の部分だけをヒョッコリと出している姿が何とも可愛らしく、隠れている時は見ることが出来ませんが、体色も美しい魚なんですね。
マリンアクアリウムで飼育できる魚でもあるので、自宅でこの面白い習性を楽しむことも出来るんですよ!
ここでは、スポッテッド・ガーデンイールの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきたいと思います。
スポッテッド・ガーデンイール(チンアナゴ)について
スポッテッド・ガーデンイールは、インド洋や大西洋の西武海域に生息するアナゴの仲間です。
自然界では、サンゴ礁が密集するような場所や、平坦になっている場所など、特定の場所に巣穴を作って生活しています。
また、流れの強い場所を好むことでも知られ、やや海流のある砂低地などに生息していることが多いです。
スポッテッド・ガーデンイールは、別名「チンアナゴ」と呼ばれ、むしろコッチ(チンアナゴ)の名前で知られていることの方が圧倒的に多いです。
チンアナゴと呼ばれる由来は、犬種の「狆(チン)」のように”丸みのある顔つき”が良く似ているという所から来ています。
一応、標準和名では「狆穴子」の他に「珍穴子」とあるので、珍しいという意味合いも含まれているのかもしれませんね。
まあ、犬種「狆」のような顔つきをした珍しいアナゴってことでしょう。。。
水族館ではかなりの人気者で、チンアナゴに関する様々なグッズも出回っているくらいです(笑
ちなみに、、、11月11日は「チンアナゴの日」として認定されているんですね。
もうお気づきかと思いますが、数字の1を、チンアナゴがヒョッコリ顔を出している様に見立てているんですね。
この日は、各水族館では様々なチンアナゴに関するイベントが開催されるところもあるようです。
グッズにイベント・・・もはやアイドルの域ですわ。。。
スポッテッド・ガーデンイールの飼育データ
- 体長:20cm~30cm
- 水温:24℃前後
- 寿命:3年~5年ほど
- 参考価格:1匹あたり2000円前後
スポッテッド・ガーデンイールこと、チンアナゴは、体長が最大で30cmほどまで成長する中型の海水魚なんですね。
驚くと水槽から飛び出してしまう、いわゆる「飛び出し事故」の多い魚で、かなり神経質なので、出来るだけ同種同士や近縁種だけで飼育するのが望ましいです。
また、飼育層にはしっかりとしたフタを取り付け、飛び出し事故が起きないよう対策しておきましょう!
サンゴに悪影響を及ぼすようなことは全く無いので、サンゴを育成している水槽内に導入しても大丈夫な種です。
低床のサンゴはパウダー状を!
スポッテッド・ガーデンイールは、砂に潜って生活する習性があるので、飼育層の低床にはパウダータイプのように細かなサンゴ砂を理想とし、厚さもやや高めにする必要があります。
と言うのも、スポッテッド・ガーデンイールの体長が結構あるので、薄く敷いた低床だと十分な隠れ家の確保が出来ずに、本来の習性が見られないこともあるからなんですね。
砂から「ひょっこり」と顔を出している姿、、、是非、自宅水槽でも楽しみたいですよね!
人工飼料になかなか餌付かない・・・
スポッテッド・ガーデンイールは、なかなか人工飼料を口にしないことが多いです。
人工飼料を餌付けさせるまでに時間かかる個体が多いので、最初は嗜好性の高い冷凍ホワイトシュリンプ(イサザアミ)を与えるといいでしょう。
まあ、冷凍飼料をメインにしてもいいのですが、、、何でもコストが結構かかってくるので、出来れば人工飼料に餌付けさせたいところですよね(汗
なかなか人工飼料に餌付かない魚は、最初は冷凍飼料や生餌などを与え、徐々に人工飼料を混ぜて、最終的に人工飼料メインに切り替えていくのが理想です。
さいごに
水族館で話題になった「砂からひょっこり顔」を、自宅の水槽でも楽しめる、面白可愛い習性を持つ「スポッテッド・ガーデンイール(チンアナゴ)」。
慣れてきたら、顔だけじゃなく、胴体もある程度は出てきてユラユラとしている姿もなかなか見もので、複数匹いれば見ごたえがあります(笑
ちょっと変わった海水魚を飼育したいという方には、スポッテッド・ガーデンイール、、、別名「チンアナゴ」を飼育してみてはいかがでしょう!?