体表面積が広く、色彩がとにかく鮮やかで美しい種の多い人気熱帯魚に「グラミー」という種がいます。
既にアクアリウムをやられている方であれば、知っている人の方が多いと思いますし、既に飼育されている方もいるかもしれませんね!
グラミーは、小型(4cm~6cm)~やや中型(12cm前後)のものが多いですが、ここではグラミーの中では大型に分類される「シルバー・グラミー」をご紹介させていただきますね。
名前の通り、全身シルバー一色という、色鮮やかな種の多いグラミーの中では珍しい色彩を持つ種だといえ、体長は18cmほどまで成長します。
かなり見ごたえのあるグラミーですよね!
中型の熱帯魚との混泳に適した種であり、口に入らない大きさであれば小型熱帯魚とも問題なく混泳が出来るので、銀色に輝く大きいシルバー・グラミーの回りに、色の綺麗な小型熱帯魚を泳がせたりしても面白いですよ。
以下では、シルバー・グラミーの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます!
シルバー・グラミーについて
シルバー・グラミーは、タイ国やマレーシアなどに広く分布するグラミーの仲間です。
古くから親しまれているグラミーの一種でもあります。
全身がシルバー一色に輝く美しいグラミーで、決して派手過ぎず、そして地味でもない、シンプルな色彩をしています。
銀色の輝きを月の光に見立てて「ムーンライト・グラミー」という別名で呼ばれることもあります。
また、体形に特徴があり、全体的に菱形(◇)のように見えるのが特徴です。
グラミーといえば色の美しい「改良品種」が人気で、色のシンプルなシルバー・グラミーが売られているショップは、以前に比べて少なくなっているそうですね。
ただ、それでもシルバー・グラミーの人気が衰えないのは、「体長(大きさ)」にあると言ってもいいでしょう。
色の綺麗な改良品種の多くは、5cm前後の小型~大きくても10cm前後、それに対しシルバー・グラミーは18cmと20cm近くまで成長する、大型種であることです。
そして、中型熱帯魚~小型熱帯魚まで混泳できる温和性も合わせると、導入しやすい魚であることも人気のポイントとなっているに違いありません。
そもそも、銀色のグラミー自体がすでに珍しい存在なので、かなり貴重な種であるといえます。
シルバー・グラミーの飼育データ
- 体長:18cm
- 水温:20℃~28℃
- 水質:弱酸性~中性
- 寿命:5年前後(推定)
- 参考価格:1匹あたり500円前後
シルバー・グラミーは、体長が最大で18cmほどまで成長する中型の熱帯魚です。
同種同士では頻繁に小競り合いをしますが、激しく喧嘩をするほどではありませんので、同種同士を複数で群泳させることが可能です。
また、中型の熱帯魚なので、20cm前後クラスの他の中型熱帯魚との混泳にも適し、さらには口に入らないサイズであれば小型種との混泳も問題なく出来ます。
カラシン科など動きの素早い種とは相性が抜群です。
かなり丈夫なグラミーで知られ、飼育が容易なので初心者でも簡単に飼うことのできる熱帯魚です。
シルバー・グラミーの餌について
シルバーグラミーは、人工飼料や生餌など、何でも食べてくれる熱帯魚です。
なので、手軽に与えられる+栄養価の高い人工飼料をメインに与えるのがお勧めです。
「すべての熱帯魚の主食」を謳う、テトラミンとか、既にカラシン専用など他の人工飼料をお持ちなら、それをそのまま与えて大丈夫です。
体長が大きくなるグラミーなので、痩せないようしっかりと餌を与え、たまには栄養価の豊富な冷凍アカムシを食べさせるのもオススメです。
シルバー・グラミーの繁殖について
シルバー・グラミーは、水槽内繁殖が比較的容易な種として知られています。
他のグラミーと違ってオスとメスの違いが明瞭ではない為、成熟しきっていない個体でのオスとメスの判別は非常に難しいといえます。
ただ、成熟した個体では、オスの胸にある触角のようなヒレが鮮やかなオレンジ色に染まり、背ビレがやや伸長するという特徴があります。
繁殖にチャレンジする場合は、複数で飼育して自然に形成されるペアを得るというのが現実的です。
ペアを得ることが出来れば、その2匹を別の繁殖用水槽に移してペアだけで飼育します。
「バブルネストビルダー」という面白い繁殖形態を持つ熱帯魚で、オスが水面に泡巣を作り、底で卵や稚魚の管理をするんですね。
泡巣と言うのは、読んで字の如く空気を取り込んで泡を吐き、それで巣を形成するんです。
水面に作るため、水流は緩やか~無い方が理想、また浮き草を浮かべておいてあげると、そこが巣を作るのに最適な場所となります。
ウォータースプライトという水草は、低砂に植えて使用も出来ますし、そのまま浮かべる浮き草としても便利でオススメです!
オスがメスを抱くようにする産卵行動が見られ、メスが産み落とした卵をオスが口で拾い、水面に作った泡巣の中に入れて管理します。
このときオスの気性は荒く、ペアだったメスを追い払ったり、攻撃してしま事があります。
また、メスは卵を食べることがあるので、産卵が終わった時点でメスは元の水槽に戻すといいでしょう。
オスは、卵が孵化するまで付きっ切りで管理し、孵化した時点でオスも元の水槽に戻してしまって大丈夫です。
孵化したばかりの稚魚は、かなり小さいため極小の餌しか口にできないほどです。
その為、最初の段階だけ難しいとされ、ある程度大きくなれば後は簡単です。
ちなみに、餌はパウダー状の人工飼料(ベビータイプ)とか、予め沸かしておいたインフゾリアを与える必要があります。
少し成長して、ブラインシュリンプを食べれるまでに成長すれば、あとは問題なく育てることが出来ます!
さいごに
全身ギンギラ銀に光り輝く、珍しい色彩を持つ大型のグラミー、それが「シルバーグラミー」です!
弱い光に照らされて輝く姿は、まさに月明りのようにも見えて、これまた美しい姿が見られます。
ムーンライト・グラミーと呼ばれるゆえんですね!
同種同士で群泳を楽しみながら繁殖にチャレンジするのも良いですし、他種との混泳魚として導入するのもお勧めです。
中型熱帯魚と混泳できる魚を探している方、小型熱帯魚とも問題なく混泳できる、ちょっと大きめの魚が欲しいという方は、是非「シルバー・グラミー」をチェックしてみて下さいね!