熱帯魚の中でも人気種であるグラミーの中に、”最も小型”で可愛い姿の「ピグミー・グラミー」という魚がいます。
グラミーといえば、鮮やかで多彩な色彩を持つものが多いですが、ピグミー・グラミーは一見すると地味な感じに見えます。
ですが、その可愛らしい見た目から非常に人気の高い熱帯魚となっているんですね。
地味そうには見えますが、カラダ全体的に表れる光沢のあるブルー色が非常に美しく、水草水槽に良く合う熱帯魚でもあります。
体長も他のグラミーに比べ圧倒的に小さく、温和なため、他の美しい熱帯魚との混泳が気軽に出来るのも魅力の一つといえます。
ここでは、ピグミー・グラミーの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきますね!
ピグミー・グラミーについて
ピグミー・グラミーは、タイやマレーシア、カンボジアなどに生息する小型アナバンティの仲間で、スズキ目ゴクラクギョ科に分類されます。
厳密には3種しかいないとされる「Trichopsis属」の1種という、かなりレアな熱帯魚なんですね。
※ちなみにTrichopsis属の3種とは、この「ピグミー・グラミー」の他に「クローキング・グラミー」と「スリーストライプ・グラミィ」です。
ピグミー・グラミーは、「地味」な感じの熱帯魚とは言われますが、実はよく見てみるとかなり綺麗な姿の魚であることが分かります。
体表に2本の赤茶~茶色のスポット状のライン、そして輝くようなブルーネオン色が散りばめられたように入り、さらに目も青くて綺麗なんですね。
各ヒレにも全体的に細かなスポットが入り、フチが色付くので、芸術的模様とシックなカラーバランスが見事としか言いようがありません。
小さいときは、全体的に明るい色をしていますが、成長してくるにつれて発色が濃くブルーネオンが輝くようになってきます。
飼い込めば飼い込むほどに綺麗になってくれる熱帯魚なんですね!
ピグミー・グラミーの飼育データ
- 体長:3cm~4cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:20℃~25℃
- 寿命:1年~2年
- 参考価格:1匹300円ほど
ピグミー・グラミーは、体長が最大で約3cm~4cmの小型の熱帯魚です。
性格は温和で、動き自体がゆったりとしている魚なので、同サイズ程度の熱帯魚を混泳が楽しめます。
ピグミー・グラミーは、発達した長い腹ビレを持っているので、ヒレをかじる癖のある熱帯魚との混泳は避けるようにしましょう。
水槽内の水流は弱めに
ピグミー・グラミーは、ゆったり泳ぐのが好きな熱帯魚で、水流のある環境を好みません。
フィルターの排水口から勢いよく水がドバドバ出ているような水槽では、水流が強くなっていることもありますよね。
そんな時は、水流を弱めてピグミー・グラミーがゆったりと生活できるような環境を作ってあげることが大切です!
声を発する面白い生態がある!
ピグミー・グラミーは、飼育していると「ククク…..」とか「カタカタ…..」とか「コココココ…….」(聞こえ方は人それぞれ)と鳴き声を発することで知られています。
この熱帯魚を飼育するときは、耳を澄ませてこの鳴き声を聞いてみてくださいね!
ピグミーグラミーの繁殖
ピグミー・グラミーは、水槽内繁殖が可能な種で、面白い繁殖形態を持つので是非チャレンジしていただきたいです。
成熟するとオスはヒレの端が赤く染まり、メスは抱卵のためお腹が膨れてきます。
産卵は最初にオスが水面に泡巣を作り、そこで卵を管理するバブルネストビルダーと呼ばれる繁殖形態です。
浮き草を浮かべておくと、葉と葉の間に泡巣を作り、流され防止にもなります。
ちなみに、この泡巣は口から空気を取り込み、泡を吐き出して少しずつ作っていきます。
観察していると大変そうですが、面白い光景でもあるんですよね(笑
水草はウォータースプライトがお勧め!
ただ浮かべておくだけで、繁殖に適した環境が作れますよ!
産卵後は、オスが卵の管理から孵化まですべて管理するのも見ものです。
確実に繁殖を成功させたいときは、ペアを繁殖用の水槽に移して飼育するのが望ましいでしょう。
産卵が終わると、メスは卵を食べてしまうことがあるので隔離してオスだけで管理させます。
卵が孵化したらオスも元の水槽で戻して、稚魚だけで育てるといった感じです。
さいごに
ピグミー・グラミーは、赤茶~茶色のスポット状ラインが特徴的で、なんといってもブルーネオンに輝く色彩がとても映えて美しい熱帯魚です。
飼育する前は「地味そう」と思う方も多いですが、実際に飼育してみれば「超キレイ!」と思うほどイメージとはかけ離れた魅力を持つ熱帯魚なんですね。
他のグラミーに比べ小さく、繁殖難易度は高いですが、バブルネストビルダーという繁殖形態は本当に見ていて面白いので、飼育に慣れてきたら是非ともチャレンジしてみてくださいね!