プラティは卵胎生といって、卵を産むのではなく、既にお腹の中で孵化させて稚魚の状態で出産する繁殖形態を持ちます。
稚魚はある程度大きく、いきなりブラインシュリンプを食べれるサイズであることから、飼育が非常に容易で増やしやすい種類なんですね。
とはいっても、生まれたばかりの稚魚は小さく他の熱帯魚や親にすら食べられてしまう恐れがあるので、確実に増やすしたい場合は産卵ケースやサテライトにて隔離が必須です。
ただ、上記のアイテムが無く、隔離しなくても環境によっては普通に増やすことは可能です。
ここでは、プラティの稚魚を隔離しないで育てられる環境についてご説明していきます。
毎回隔離すると増えまくり注意のプラティ
プラティは「増えまくり注意!」と言われるくらい増えて増えて増えまくる熱帯魚で有名です。
寿命は1年ちょいと短いですが、繁殖によって種を繋ぐといった感じです。
ぷっくりした姿に、丈夫で飼いやすく、カラーバリエーションが多いことから人気の高い熱帯魚なんですね。
なぜプラティの繁殖がこれほどまでに容易かというと、「雄と雌の区別が容易である」、「卵胎生という繁殖形態」、さらに「出産時期が分かりやすい」、「一度に大量に生む」などの特徴があります。
雄と雌の区別は尻ビレの形状を見るだけで一発で分かります。
なので、複数匹導入してペアを獲得するなんてことをしなくても、ピンポイントてペア(2匹)だけ購入することが可能です。
そして、あとは健康を維持させておけば、何もしなくても勝手に増えていきます。
出産間近のメスはお腹が大きくなるので、「もう少ししたら生まれそうだな」と、ある程度予測が出来ます。
確実に稚魚を獲得したい場合は、この段階でメスを産卵ケースやサテライトに入れます。
生まれたばかりの稚魚は、最初はそこでジッとして動かないことがありますが、しばらくするとすぐに餌を食べ始めます。
ブラインシュリンプやパウダータイプの人工飼料を与えていればどんどん大きくなるので、ある程度の大きさになったら親のいる水槽に合流させればOKです。
しかし、毎回毎回、産卵ケースやサテライトに隔離すると、おっそろしいまでに増殖し、水槽に対して熱帯魚の数(プラティの数ですね・・・)が超過すること不可避となります。
そこで、残酷ではありますがある程度増えたら、あとは産卵ケースなどを使わずに強い個体だけが生き残るよう調整する必要もあるんですね。
稚魚が生き残りやすい環境とは
プラティが産卵ケースやサテライトが無い状態で、生き残りやすい環境とは、やはり水草がたくさん茂っている環境ですね。
目を凝らしてみてみると、水草に隠れるようにしている稚魚の姿を度々目にすることがあります。
ただ、単に水草を茂らせればいいかといえば、そうでもないんですね。
まあ、無いよりかはマシですが、圧倒的に生存率が高くなるのは「浮き草」です。
浮き草はウォータースプライトがお勧め!
ウォータースプライトは、古くからグッピーの飼育に最適な水草として紹介されています。
葉が柔らかく、ぶつかっても体表に傷がつくことが無いですし、植えて育てても良し、そのまま浮かべて浮き草としての二通りの育て方が楽しめるんですね。
これを浮き草として水槽内に浮かべておけば、プラティの稚魚にとって良き隠れ家となります。
浮き草が良い理由
では、なぜ浮き草が生存率をアップさせるのかというと、それは餌の問題が大きく関係してくるからです。
元気なプラティは、人が近づくと餌欲しさに発狂したかのように近寄ってきます(汗
人工飼料を与えれば、勢いよくあるだけ全部食べようとするんですね。
かなり食いしん坊で、食べるスピードが早いので低層に餌が行き届きません。
もし低層で稚魚がジッとしていれば、エサが落ちてこないので水面付近まで出てこなければいけませんよね。
プラティは口に入るものであれば何でも食べてしまう雑食性で、自分の子供すら捕食します。
動くものに極度に反応し、逃げる稚魚を追いかけ回す姿を目にすることも多いです。
実際に、水面に何もない水槽下では稚魚の生存率が低いです。
また、餌を与えた後、親プラティは低層を徘徊し餌を探します。
この時も稚魚が食べらてしまう恐れがあるんですね。
つまり、浮き草があれば餌が補給しやすく、そして隠れやすいというダブルのメリットがあるという訳なんです。
浮き草じゃなくてもOK
浮き草じゃなくても、後景用の背の高くなるような水草で茂みを作るのも有効です。
有茎植物のロタラなんかは、成長スピードが早く、水面付近まで軽く伸びる水草なので、そういった種類の水草で水面付近に茂みを作るものいいですね。
ただ、浮き草をいっぱい浮かべたり、背の高い水草をトリミングせずに水面で茂らせるのは稚魚にして見れば最高の環境かもしれませんが、観賞としてはちょっと・・・ですよね。
まあ、確実に稚魚を獲得したいのであれば産卵ケースやサテライトを使用する。
ちょっと増えすぎたかな。。。と思ったら自然繁殖させるといったように使い分けるのが理想かもしれませんね。