熱帯魚には美しい種類のものが多く存在し、特に小さい種類の魚であっても目を近づけてみれば驚くような色彩や模様を持つものも多数存在しています。
そんな小さな熱帯魚で、魅力的なカラーと模様を持つものを1種ご紹介したいと思います。
その熱帯魚とは「ミクロラスボラ・ハナビ」です。
名前の通り、花火を思わせるような模様に、美しい色彩を持つ熱帯魚なんですね。
下記で、ミクロラスボラ・ハナビの魅力や飼育方法についてご説明していきますね。
ミクロラスボラ・ハナビとは
ミクロラスボラ・ハナビは、コイ目・コイ科・セレスティクティス(elestichthys)属の熱帯魚でで、ミャンマーに生息しているコイの仲間です。
2007年に新属として登録された熱帯魚で、2006年に初めて輸入されてきた時は話題になり、マニアの中では瞬く間に人気が出ました。
販売名としては「ミクロラスボラ.sp ”HANABI(ハナビ)”」として流通し、その名の通りm、綺麗な打ち上げ花火をそのまま体表に表現させたような、幻想的な模様が特徴的です。
また、宇宙の星々を連想させる模様でもあることから「ラスボラ・ギャラクシー」と呼ばれることもあります。
ヒレと腹部が鮮やかなオレンジに染まり、全体的にバランスの良い色彩ですね。
ちなみに、セレスティクティス属は1属1種となり、このミクロラスボラ・ハナビだけが属することになります。
学名では、Celestichthys margaritatus(セレスティクティス マルガリタートゥス)といい、「真珠で飾られた天の魚」という意味となっています。
これが正式名称でもあり、この名前を名付けた人は、この小さな斑点を真珠に例えたんですね。
また、この色彩は渓流釣りとかをする人だと、イワナとかアメマスにソックリだと思いませんか?(笑
(画像:イワナ 結構似てますよね!?)
僕は釣りが好きでイワナとか釣りに行ったりすることがあるのですが、最初にミクロラスボラ・ハナビを見た時、「イワナじゃん!」と思いました。
恐らく、同じように思っている方もいるのではないでしょうかね。。。
ミクロラスボラ・ハナビの飼育データ
- 体長:3cm
- 水質:中性~弱アルカリ性
- 水温:23℃~26℃
- 寿命:2年~3年
ミクロラスボラは3cmほどの小型の熱帯魚で、性格は大人しく、憶病でもあります。
隠れ家となる場所を沢山作ってあげれば、他の同等サイズの熱帯魚との混泳も可能となります。
適性の水質は中性~弱アルカリ性ですが、慣らしてしまえば弱酸性でも容易に飼育が出来ます。
水質が弱酸性になりやすい水草水槽でも問題なく飼育でき、この美しい色彩はむしろ水草を茂らせた水槽に導入してこそ映えてより美しいものになります。
導入当初は要注意
ミクロラスボラ・ハナビは、色が細く餌が行きわたらない個体だと、お腹がベッコリへこんでいたり、コンディションの良い悪いに差が見られます。
餌が全体的にいきわたるように与えるのと、お腹が凹んだ個体がいる場合は、ブランインシュリンプなどの栄養価の高い生餌を与えて様子を見るのも手です。
憶病な魚であるため、導入当初は物陰に隠れて出てこないかもしれませんが、水面をフワフワ泳いでいたり、ヒレをたたんでいる個体は弱っている可能性が高いので要注意です。
ショップで購入するときは、こういった個体は避けるようにしましょう。
導入して、水槽に慣れさえすれば飼育が容易とされているので、導入時と、餌やりに気を配ればるようにすれば、あとは比較的飼いやすい熱帯魚といえます。
また、大きな物音にも敏感なので、慣れるまでは細心の注意を払って観察するようにしましょう。
隠れ家の確保を多めに
ミクロラスボラ・ハナビは、憶病な性格の為、混泳水槽じゃなく単独の飼育でも隠れる場所を多く作ってあげるのが理想です。
流木や土管を入れたり、水草を茂らせることで簡単に隠れ家を確保することが出来ます。
また、ミクロラスボラ・ハナビは小さい熱帯魚なので、混泳させるときは同じ3㎝ほどの熱帯魚で性格が大人しい種類だけに限定させましょう。
少し大きくなりますが、あまり頻繁に動かないオトシン系とは相性が良いです。
ミクロラスボラ・ハナビは繁殖可能?
導入当初はかなり高価だった熱帯魚ですが、その人気から国内外で頻繁にブリードが行われ数が急激に増えたといわれています。
現に、水槽内繁殖も容易なことで知られています。
繁殖を確実に成功させるには、ミクロラスボラ・ハナビの単一飼育で、数十匹をまとめて導入します。
個体のコンディションが良ければ、普通に飼育しているだけで増えるともいわれていることから、繁殖が容易である種であることが伺えます。
オスは、繁殖期になるとオレンジ色の部分が非常に鮮やかになり、尻ビレに強く模様が入るのに対し、メスはやや暗めで模様がほとんど入らないのが特徴です。
抱卵しても太って見えない為、オスとメスの判別はヒレの模様と色彩で行うのが確実です。
また、オス1匹に対しメス2~3匹と、メスの数が多い方が断然、成功しやすいともいわれます。
産卵は、卵をばら撒く様に産み落とす「バラ撒き型」と呼ばれる産卵形態をとります。
卵の直径は1mmほどで、ウィローモスなどを複雑に茂らせた場所に産み落とさせれば食べられる心配も少なくなります。
産み落とされた卵が確認できるのでれば、回収してあげることでより安全に稚魚を獲得できるでしょう。
卵は1~2日で孵化するので、稚魚にはブラインシュリンプなどの栄養価の高い小さな生餌を与えるといいですね。
最後に
ミクロラスボラ・ハナビは、花火をそのまま絵にしたような色彩、または夜空の星々を見ているかのような幻想的カラーや模様が見事としか言いようがないです。
この美しい色彩は水草レイアウトと非常に合い、特にグリーンの濃い水草や流木との色合いにマッチして綺麗な姿が楽しめます。
若干、憶病のところがあるので導入当初は色々と注意することがありますが、いったん慣れてしまえば飼育は簡単な方です。
繁殖も比較的容認できるので、是非チャレンジしてみたいですね。