屋外でビオトープを設置してメダカなどの生体を飼育している人にとって、冬の寒い季節は越冬できるのかどうかと疑問に思う方は非常に多いです。
特に雪が降る地域では、最高気温が氷点下の真冬日なんてのもザラにありますから、そんな極寒にビオトープを晒して良いものなのか。。。
当然、暖かい地方に住む熱帯魚は、ヒーターが無ければ生きていけませんし、ほとんどの水草も枯れてしまうことでしょう。
しかし、メダカは日本の小川や田水などに生息していることから、寒い季節に対応できる種であることが分かります。
屋外での飼育でもポイントさえ押さえておけば、越冬が可能となります。
ここでは、屋外でメダカを飼育している場合の「冬の対策」についてご説明していきます。
目次
ビオトープなどの屋外飼育の「越冬」について
まず、屋外でビオトープを設置してメダカなどの生体、浮き草やスイレンといった植物を育てている場合は、それらが越冬できるかどうかを知らなくてはいけません。
つまり、極寒に耐えることが出来るのかどうかということですね。
メダカや金魚、タニシは低水温に強く、さすがに氷漬けになると生きてはいけませんが、水面が凍ったくらいであれば冬眠状態になり、そのまま越冬が可能です。
しかし、現在はメダカの改良品種が多々出回っており、改良品種だと普通のメダカに比べて、そこまで強くないものが多いので冬の屋外飼育は注意が必要になってきます。
本格的に寒くなる前に準備を!
屋外ビオトープで冬を越す場合は、本格的に寒くなる前の準備をしっかりとしなくてはいけません。
出来れば10月に入ってから、遅くても11月までには対策をするようにしましょう!
というのも、メダカは水温がグッと下がるとほとんど活動をしなくなります。
冬眠のような感じですね。
つまり、既に寒い時期で冬眠状態に入っている、又は入ろうとしている状態で、いきなり防寒対策などをすると、メダカにとって多大なストレスとなってしまうんですね。
なので、まだ冬眠に入る前に準備を終わらせることが、越冬できるかどうかを左右するといっても過言ではないのです。
ちなみに、メダカは水温が10℃を下回ったくらいから冬眠状態に入り、姿があまり見られなくなります。
この間はエサも全く食べないので、与えるのはストップしてください。
防寒対策について
防寒対策には多々あり、実際にメダカを長年飼っている方では、それぞれのやり方があるかと思います。
ここでは、実際に僕がやってみて有効だと思った方法を書いていきます。
小型ビニールハウス(温室)を使用する
ビニールハウスと聞いたらとても大きく、スペースを非常に取ってしまうようなイメージがあるかと思いますが、「小型ビニール温室」は非常にコンパクトなものがあり、価格も数千円台からあります。
ビニールで覆った空間内にビオトープが置けるので、雪はもちろん、冷たい風も完全にシャットアウトすることが出来ます。
とはいっても、多少のスペースの確保は必要であることに違いはありませんし、必ずしも必要という訳でもありません。
また、強い風に飛ばされるリスクがあるので、ビニール温室が風で飛んで行かないようしっかりと固定するようにしないといけませんね。
ビニール温室は、雪が降る地域、氷点下の日が多い地域では有効であるといえます。
防寒材をビオトープに巻く
ビオトープに冷たい風が直接当たって、水温を急激に下げるのを防ぐ為に、保温シートや防寒シートなどをビオトープに巻きつけるのも非常に有効です。
もし、水槽のようにキューブ型であれば発泡スチロールを全面にセットすることで、保温の効果が得られます。
また、氷点下の日は水面に氷が張りやすいですが、保温シートをフタ替わりにすることで氷が張るのを防ぐことが出来ます。
特に冷え込む夜~朝方にかけてビオトープにフタをしてやるといいでしょう。
水草を沢山いれる
障害物となるものを沢山入れると、寒さ対策として有効なんですね。
そこで、この時期は寒さに非常に強い水草をいっぱい入れておくのもお勧めです。
寒さに強い水草といえば、アナカリス、カボンバ、ウィローモスあたりが有名どころでしょうか。
メダカに良く使われる浮き草のほとんどが、冬の寒さに耐えられないので、この時期に撤去するか室内に移すかをしなくてはいけなくなります。
ちなみに、あの丈夫なホテイアオイ(ホテイ草)も冬は枯れてしまいます。
その点、上記の水草は極寒でも耐えることが出来る種類となりますので、ビオトープで使用する水草としては優秀です。
日当たりのよい場所に置く
水温を上げるためには、日当たりが良い場所に置いておくのが手っ取り早いですね。
また、水温を上げるという理由以外にも、日光に浴びることで生体は、体内にビタミンを作る作用を促進させる効果があるので、やはり光にあたる時間は必要不可欠となります。
ただし、日当たりのいい場所に置くと、昼と夜の寒暖差が激しいというデメリットも出てきます。
なので直接、日の光に当てるのではなく、「すだれ」を用いて直射日光を防ぐといいでしょう。
ビオトープは底が深いものを使用する
寒さ対策をしても、気温が氷点下にもなる地域では表面に氷が張ることがあります。
その時、ビオトープが底の浅いものだとメダカが氷漬けになってしまう恐れがあるんですね。
なので、水深は最低でも30cm前後あるのが理想です。
底が深いビオトープは、水温が低下しずらい構造で、表面に氷が張っても底のほうでメダカは生きることが可能です。
冬眠期間の注意
基本的に寒い時期はビオトープの手入れは「行わない」ことが前提です。
水位が下がってきたら、水を足すのは必要となりますが、換水は行わなくても大丈夫です。
生体が冬眠に入って、そもそも水質がそれほど汚れるわけではないので、ここで換水を行って水質が急激に変化してしまったら、返ってメダカにストレスを与えてしまう恐れがあるんですね。
また、餌も「与えない」ようにします。
餌はビオトープ内にある有機物で十分で、人為的に餌を与えると消化不良を起こして死んでしまうことがあるんです。
昼間の暖かい時間に水面に上がってくることがあり、その時にごくごく少量与えるのはいいかもしれませんが、いつものように餌を与えてしまうと消化不良のリスクがある以上、控えた方が良いかもしれませんね。
さいごに
メダカは日本に生息する生き物なので、当然ですが日本の気候に耐えることが出来る身体を持っています。
なので、そこまで神経質になって対策をしなくても全然飼うことが出来るという方もおりますが、自然界とビオトープ内飼育では環境が異なるので、初めての方はしっかりと対策をされることをお勧めします。
また、同じ日本でも北と南では冬の気温が断然異なりますよね。
氷点下にならないような地域であれば、むしろ対策はそれほど必要ないかもしれません。
が、雪が降ったり氷点下になる地域では、上記の対策が絶対的に必要となるはずです。
また、ビオトープ内の水がほぼ凍りつくようであれば、室内に移すしか方法は無いので、その期間だけ室内飼育をしてビオトープを楽しみましょう!