日本の川に生息する小型の淡水魚である「メダカ」は、非常に愛好家が多く、室内だけじゃなく屋外でも気軽に飼育が楽しめる観賞魚として人気があります。
寿命はそれほど長い魚ではありませんが、繁殖が容易なので、元気なオスとメスが水槽内にいるだけで簡単に増やすことが出来ます。
つまり、繁殖によって種を繋ぐこと可能なんですね!
メダカを飼育していれば、メスが卵をぶら下げて泳いでいる姿を見たことがあるという方も多いはずです。
卵は親や他の生体に食べられる危険性があるため、別容器に隔離して孵化させ、ある程度の大きさまで成長したのち親と合流させるというやり方が安全ですが、隔離した卵が白く変色してしまった・・・という経験をされたことはありませんか!?
卵が白く変色する原因はいくつかありますが、せっかく生まれた卵ですから、しっかりと孵化させてメダカの赤ちゃんを多く獲得したいものですよね!
ここでは、メダカの卵が白く変色する原因と対策についてご説明していきます。
メダカの卵が白く変色する原因について
メダカの繁殖は容易なことで知られていて、初心者でも簡単に増やすことのできるんですね。
基本的に、元気なオスとメスが水槽内にいれば勝手に繁殖して、気が付いたら「稚魚がいた!」なんてことも珍しいことではありません。
卵は粘着性があって、水草や浮草の根などに産み付けられますが、卵は動くことが出来ず完全無防備なので、親などに食べられてしまうリスクがあります。
また、孵化したばかりの稚魚もかなり小さいので、同様に食べられてしまう危険性があります。
その為、産み付けられた卵を発見したらすぐに隔離して、卵だけで管理するという方も多くおられるはずです。
孵化後は、稚魚だけで飼育して食べられない大きさまで成長したら合流させる、、、といった感じで繁殖を行えば、メダカの数は確実に増えていくことでしょう。
ただ、卵を隔離すると「卵は白く変色(白化)」することがよくあります。
卵が白く変色する原因はいくつかありますが、大きく分けると以下のことが言えます。
- 水カビが発生することで白く変色して見える
- 無精卵である
正常な卵は透明度があり、水温25℃前後では10日ほどで孵化します。
その過程で、3日目くらいからは「目」が確認できるようになり、5日目には心臓が鼓動している様子すら確認できるようになります。
6日~7日も経てば、卵の中で動いたりもするんですね。
そうやって、10日前後で卵の殻を突き破って稚魚が誕生するんです。
そもそも成長過程で卵が白く変色するということは無く、逆に白くなっている場合は「問題あり」と思っていいでしょう。
その問題(原因)というのが、上記で書きました2点のいづれかであることがほとんどです。
水カビ発生の原因と対処法
メダカの卵が白っぽくなる原因で多いのが「水カビ」によるものです。
水カビは、空気中や水中にごくごく普通に存在している「菌」で、いつでも発生リスクがあるんです。
特に、水質の悪化や濾過能力の弱い環境では発生しやすく「水カビ病」という病気にかかってしまうこともあります。
卵も例外ではなく、水カビの菌に侵されてしまうんですね。。。
まず、水カビが原因の場合は、隔離したときは透明度があったのに、、、だんだん白っぽくなってきた場合です。
小さい容器に移すと、水量が少なく水質の悪化が早く進むため、水カビが生えやすい傾向にあるように思います。
そこで、水カビの対策としては、、、
- 水道水を使う(カルキを抜かない)
- エアレーションを行う
という方法があります。
「え?カルキは有害じゃないの!?」と思うかもしれませんが、確かにカルキは生体にとって超有害物質であることは間違いありません。
が、卵が孵化する直前までであれば、水道水に含まれる塩素が水カビを抑制してくれる役割を果たしてくれるんです。
もともと殺菌目的で入れられている塩素ですが、これは水カビの細菌にも作用してくれるんですね。
もし、隔離した卵が白く変色してしまうという方は、塩素を中和しない水道水を使用することをお勧めします。
ただ、水道水の塩素は水温が高いとすぐに抜けていってしまうので、小まめな換水をするようにしましょう!
また、エアーストーンを用いてブクブクと「エアレーション」するのも効果的です。
全く水流が無い状況と、常に新しい水が当たるような環境では、圧倒的に後者の方が水カビの発生率は低くなります。
ただ、これも孵化する直前まで、孵化した稚魚がエアレーションの激流に晒されないように注意しましょう。
水カビが発生した卵について
水カビが発生した卵は、すぐに隔離する必要があります。
なぜなら、水カビは他の正常な卵にも移ってしまい、放置しておくと全滅、、、ってことにも繋がりかねません(汗
無精卵が原因で白化も
メスが卵を産み付けた後に、オスが受精させるのですが、全てが「有精卵」になるわけではありません。
産卵の経験が浅い個体、ペアの相性によって、無精卵が多い場合も珍しいことではないんですね。
当然ですが、孵化するのは有精卵だけであって、無精卵が孵化するということは絶対にありません。
無精卵は、そもそも成長することが無い卵なので、放置しておくとすぐに水カビに侵されます。
そうなれば、すぐ近くにある有精卵にも水カビが移る危険性があるので、有精卵と無精卵を完全に分ける作業が必要となります。
そもそもどうやって見分けるの!?
と、思う方もいるでしょう。
初心者でも簡単に判別できる方法としては、魚病薬である「メチレンブルー」を使用するというのがあります。
メチレンブルーは、使ったことのある方であれば分かると思いますが、これを投入すれば水の色が青く染まるんですね!
本来は、病気の症状が出た時に使用するものですが、メダカの卵の有精卵と無精卵を区別する時にも役立ちます。
まず、隔離した卵の容器にメチレンブルーを少量いれます。
しばらくすると、無精卵は卵の中にまでメチレンブルーが侵食し、卵全体が青色になります。
対して、有精卵はメチレンブルーの侵食を受けずに変化が見られません。
こうやって、青色に染まった無精卵のみを取り除けばいいといった感じですね。
また、メチレンブルーは水カビ病にも効く魚病薬なので、使用することが水カビ対策にも繋がります。
メダカの繁殖では、古くからメチレンブルーはかなり重宝されているんですね!
まとめ
メダカの卵を、より確実に孵化させるには、、、
- 隔離する卵の容器には「水道水」を使う
- メチレンブルーで有精卵と無精卵を判別し無精卵を取り除く
この方法で行うことで、初心者でもより簡単に繁殖が成功するはずです。
また、メダカの繁殖には「餌」「照明時間」「水温」なども関わってきます。
これらに関しては、下記の記事で詳しく書いていますので、併せてご覧になってみてください!
この繁殖方法と卵の水カビ対策を組み合わせ、沢山の稚魚を獲得してくださいね!