皆さん、「シジミ」って知っていますよね??
そう、あの味噌汁にいれて食べると美味しい、黒っぽい二枚貝のやつです。
実は、アクアリウムでも淡水のシジミである「マシジミ」というものが居るのですが、これは魚の餌とかではなく、ましてや味噌汁に入れて食べるものでも無く、、、なんと水質を綺麗にしてくれる「浄化」として用いられているんですね。
その水質浄化能力は絶大で、マシジミを入れて数日経過すると目に見えて水がクリアになるのが確認できるほどなんですね。
まさに、生物フィルターって感じでしょうか(ぇ
とにかく、フィルターと同じ役割を生体が行ってくれるんですね。
ここでは、この水質浄化生物であるマシジミについてご説明していきたいと思います!
マシジミ(淡水シジミ)について
マシジミは、日本の河川の砂地に生息する二枚貝です。
よく見るシジミは真っ黒で一部分が白くなっている感じですが、マシジミは明るい色をしていますね。
僕らがスーパーとかで見る食用のシジミのほとんどが「ヤマトシジミ」という種類で、これは汽水域(海水と淡水が混ざった水)に生息する貝に対し、マシジミは完全なる淡水域に生息しているんです。
故に「淡水シジミ」と呼ばれているんですね。
マシジミと非常によく似た種類に「タイワンシジミ」がいるのですが、形状や色がほぼ同じで詳しい人ですら見分けがつかないほど酷似しています。
マシジミは日本原産の在来種ですが、タイワンシジミは中国や台湾に生息している外来種です。
ですが、タイワンシジミもマシジミ同様の生態、水質浄化能力を有しています。
マシジミ(淡水シジミ)の飼育データ
- 体長(殻長):3cm~3.5cm
- 水質:中性~弱アルカリ性
- 水温:10℃~25℃
- 寿命:※長期飼育は難しい
- 参考価格:10匹で800円程度
マシジミは、最大で3.5cmほどの小型の二枚貝です。
基本的にどんな熱帯魚と混泳させても問題はありません。
が!貝殻ごとバリバリ食べるフグとは混泳が出来ません。
マシジミはビオトープ向き!?
マシジミは「長期飼育が難しい」と言われる貝なんですね。
理由は、餌の問題があって、水槽内に餌となる微生物が豊富でなくてはいけません。
つまり、長期的な飼育をするのであれば常に微生物が発生するような環境でなくてはいけないんですね。
もしそうでない環境であれば、意図的に発生させたインフゾリアを投入したり、市販のグリーンウォーターを投入したりと結構面倒でコストがかかる生き物なんですね。
水で薄めるだけでグリーンウォーターを簡単に作る「グリーンウォーターの”もと”」を使うと超便利!
室内の水槽では、フィルターを常時回して生物濾過が効いている関係で、常に微生物が発生しているような環境はなかなかできないでしょう。
逆に、自然と微生物が発生するビオトープにはうってつけの存在と言っていいでしょう!
ビオトープは池と同じくフィルターのような濾過装置を取り付けないので、こういった生体による水質浄化は有難い存在となってくれるんですね。
マシジミの水質浄化能力
では、マシジミがどれくらい水質浄化能力に優れているのか気になりますよね?
マシジミを飼育するには微生物が発生しやすい環境と言いましたが、緑色に濁ったグリーンウォーターは植物プランクトン(微生物)によって作られ、これはマシジミにとって最高のご馳走となります。
一つの実験の例として、約40ℓのグリーンウォーター(かなり濁っていて奥が見えないほど)に、マシジミを20匹ほど投入すると、約1週間もあれば完全な透明水になっていました。
このように、グリーンウォーターが発生しやすく、その濁りによって観賞価値が損なわれることに困っている人にとっては最高の存在ですよね。
ただし、グリーンウォーターはメダカの稚魚の餌になったり、生体そのものの餌にもなるので、観賞価値の低下以外は悪いことは無いんですけどね(汗
まあ、「透明な水に戻したい!」と言う方は、マシジミを導入してみるといいでしょう。
かなり浄化能力が高いので、あまり多数入れると餌となる微生物が無くなってしまうので、少数から入れるのが良いかもしれませんね。
マシジミの適した飼育環境と問題点
マシジミは微生物が発生しやすい環境の他に、潜れるような細かな砂での飼育が望ましいです。
自然界では砂に潜っていますから、当然といえば当然ですよね。
ただ、マシジミは一度砂の中に潜ってしまうと、回収が難しくなるという問題があります。
潜ったまま絶命すると、成分が水中に溶け出して水質をアルカリ性に傾けたり、そもそも水質の悪化につながってしまいますからね。。。
なので、濾材をいれるようなネットに入れてビオトープに投入するという方法があります。(もう完全に濾材扱いですね・・・泣)
マシジミの繁殖
マシジミの水槽やビオトープでの繁殖事例は結構あるんですね。
繁殖自体は簡単なのですが、長期飼育が難しいので、繁殖まで生きているかどうか。。。という所が最大の問題だそうです(汗
マシジミは、雌雄同体といってオスの生殖器官と、メスの生殖器官を1個体に持ち合わせています。
基本的には卵胎生といって体内受精をして孵化した幼生を出産しますが、卵生型も確認されています。
このように、面白い繁殖形態を持つので、繁殖を観察するために飼育するのも良いですね!
さいごに
アクアリウムに、まさかのシジミですが「水質浄化能力」に特化した存在なんですね。
メダカを屋外で飼育している人も多いでしょうし、ビオトープを作ってそこで飼育している人も多いのではないでしょうか?
そういったフィルターを使用しないような環境の水質管理役として「マシジミ」はお勧めの存在です!
ただ、砂に潜って見失わないようにしてくださいね(笑