海水魚を飼育するときに使用する低床(砂利)ですが、基本的にはサンゴ砂を使用する場合がほとんどでです。
ただ、サンゴ砂にも色々な種類、、、というか販売のされ方があって、用途によって選ぶ種類も変わってきます。
低床にサンゴを敷き詰めるだけで、海のようなレイアウトが再現できるので、観賞的にも使わない手はありませんよね!
また、サンゴ砂には微生物(バクテリア)が棲みつく為、水質維持にも欠かせなく、どういったサンゴ砂を使用すればいいかといった「選び方」は、かなり重要だといえます。
ここでは、サンゴ砂の種類や選び方、メリットやデメリットなどについてご説明していきます。
目次
海水魚の水槽に使う「サンゴ砂」について
低床と言うのは、水槽の底に敷く「砂利や砂」のことを指し、淡水魚では砂利とかソイルと言ったものを使用しますが、マリンアクアリウム(海水魚飼育)では、この低床に「サンゴ砂」を使用するのが一般的なんですね。
サンゴと言えば、暖かい海に生息するサンゴ礁を連想する方も多いはずです。
サンゴは植物のようなイメージがありますが、列記とした「動物」で、硬い骨格を持ち、それが発達したものだったりするんですね。
砂浜が白い理由としては、サンゴや貝の死骸が堆積した結果で、マリンアクアリウムに使用するものも当然ですが、同じくサンゴの死骸で、これを細かくしたものや、自然のままの大きさのものが使われるという訳です。
まあ、海水魚は海に生息する生物ですから、浜辺の砂である「サンゴ砂」を使用するのは当然と言えば当然ですよね!
サンゴ砂を使用するメリットと言えば、「見た目が良くなる」というのもありますが、実はそれ以外にも嬉しいメリットを得ることが出来るんです。
サンゴ砂を使用するメリット①「濾過能力をupさせる!」
サンゴは水質を綺麗にする「濾過能力」を高める効果があるんですね。
というのも、サンゴそのものが水質を綺麗にしてくれる微生物(好気性バクテリア)の良き棲家となり、時間の経過とともにバクテリアが定着し、濾過能力が高まるというメリットが得られます。
フィルターに入れる濾過材と同じ効果があるってことですね!
サンゴ砂を使用するメリット②「緩衝作用による水質維持」
サンゴ砂を水槽内に入れておくと、ミネラル分が少しずつ溶け出して海水魚の適した水質を作り出し、そしてそれを維持する効果があるんですね。
弱酸性を好む熱帯魚の多い淡水の水槽では、サンゴ砂は水質を弱アルカリ性に傾ける性質があるので注意が必要だとよく言われますが、この性質は海水魚やサンゴなど海の生物の飼育には完全にマッチします!
逆にサンゴ砂のデメリットってあるの!?
海水魚の飼育に於いて、サンゴ砂のデメリットと言うのは特にないように思いますが、、、一つ注意が必要なことと言えば、敷き詰める「厚さ」です。
あまりに多く入れて厚みを出してしまうと、あまり水の循環に晒されない部分に熱帯魚にとって有害な物質や菌が繁殖してしまう恐れがあるんですね。
水質を綺麗にしてくれるバクテリアとは全く異なる、嫌気性のバクテリアが繁殖し、これらの中には熱帯魚にとって有毒な硫化水素を排出するものもいて、これによって生体が弱ったり、ひどい時には中毒死することもあります。
なので、特に初心者の方は、サンゴ砂は「薄めに敷く(3cm前後)」のが無難だといえます。
サンゴ砂の種類と選び方について
サンゴ砂にも色々な種類があって、、、”色々”といっても、大きく分ければ「乾燥した状態(ドライタイプ)」or「海水浸けの状態(ウェットタイプ)」の2種類、そして大きさが粉末状~ゴロゴロした大きいものまであるといった感じですね。
乾燥ドライタイプは、普通に袋に詰められて店頭に並べられていますが、海水に浸かったウェットタイプは、いかにも現地直送便と言った感が満載で、熱帯魚を購入するときに袋詰めされている感じで、少量の海水が入っていてサンゴ砂が湿った状態で売られています。
乾燥(ドライ)タイプのサンゴ砂の使い方
ドライタイプのカッピカピに乾燥したサンゴ砂のメリットは、「安い!」そして「使い勝手が良い」という所です。
面倒なことと言えば、最初に良く洗う手間があることくらいですかね。。。
買ってきたばかりのサンゴ砂と言うのは、中に結構な数の不純物(汚れとか、サンゴが削れて粉上になったもの)が含まれています。
そのまま使用して、水槽内が真っ白に濁った・・・というのは、海水魚水槽の立ち上げ初期にやらかすアルアルでもあります・・・。
そう、、、そのまま使用してしまうと、不純物の影響で水槽内が白く濁ってしまい、これがなかなかクリアに戻すのに時間がかかるので、出来る限り汚れを落としてから使用します。
調理道具のザルの穴を抜けない大きさのサンゴ砂であれば、ザルに入れて水道水でジャバジャバ洗えば、かなり綺麗になります。
粉末状だとザルをすり抜けてしまうので、バケツにいれて、お米をとぐイメージ(ジャバジャバしては水バシャーのエンドレス)で濁りが無くなるまで頑張りましょう!
乾燥タイプであれば、どこの熱帯魚ショップでも取り扱いがあるでしょうから、すぐに欲しい方や、安価に済ませたい方は、乾燥タイプを選ぶといいですね。
海水浸け(ウェット)タイプのサンゴ砂の使い方
ウェットタイプのサンゴ砂は、乾燥タイプとは違い、洗わずに「そのまま」使用できます。
というか、間違っても水道水で洗ってはいけません。
というのも、何故わざわざ湿った状態で販売されているのかと言うと、このウェットタイプと言うのは、既にバクテリアが繁殖して定着した状態なんですね。
水道水で洗うと、塩素によってバクテリアは死滅してしまうので、乾燥タイプと何ら変わらないものとなってしまいます・・・。
バクテリアと言うのは、水槽立ち上げ当初は全くいないもので、生体を飼育していくうちに徐々に増えていくのが普通です。
完全に濾過が機能するまでに(つまりバクテリアが定着するまで)には、数週間から1カ月かかることもあります。
なので、バクテリアが定着していない立ち上げ当初と言うのは水質が不安定な場合が多く、生体の飼育が難しい時期でもあるんですね。
そんな問題を解決してくれるのが、このウェットタイプのサンゴ砂という訳なんです。
ちなみに、バクテリアが定着した「生きた砂」であることから、ライブサンドと言う名前でも流通しています。
立ち上げ当初から水質を安定してくれるので、安心して生体を飼育することが出来ます。
すぐに生体を飼育したい、水質に敏感(飼育の難しい)な海水魚を飼育するという場合は、ウェットタイプorライブサンドがオススメです!
サンゴの大きさは、キメ細かな粉末状~目の粗いものまで様々あります。
観賞魚って言うくらいだから、どの大きさのものを選ぶかは、やはり最終的には自分好みで決めるのが一番!
僕個人的には、砂浜のような細かなタイプが好きです(笑
大きなタイプは、沖縄の砂浜って感じで南国をイメージさせてくれるような水槽で、これはこれでいいですよね!
どれが良いとか答えはないので、色々試してみて自分の中で一番いいものを探しながらマリンアクアリウムを楽しめるといいですね。