生き物の中には、”モノ”に擬態して外敵から身を守ったり、近づいた獲物を捕食するスタイルを持つ熱帯魚が存在します。
アクアリウムで飼育できる熱帯魚にも、この”特技”を持つものがいて、代表的なものでいえば「リーフフィッシュ」があまりにも有名です。
今ではあまり言われることは無いようですが、昔は世界三大珍魚のひとつに数えられる、とっても珍しい見た目の魚なんですね!
それもそのはず!まるで本物の枯れ葉のような姿に擬態する、他の熱帯魚には見られない面白い姿をしているんですね。
こういった面白い熱帯魚を自宅水槽で飼育してみたいという方も多いのではないでしょうか!?
以下では、リーフフィッシュの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきますね。
リーフフィッシュについて
リーフフィッシュは、アマゾン川に生息するスズキ目のポリケントルス科に属する淡水魚です。
本物の枯れ葉そっくりな体色で平べったい姿をしているのが特徴で、擬態して獲物を待ち伏せし、近づく小魚などを捕食する肉食性の強い魚なんですね。
アマゾン川原産の熱帯魚であることから「アマゾン・リーフフィッシュ」という名前なのですが、他にもペルーやコロンビアにも生息が確認されているため、単にリーフフィッシュと呼ばれる方が多い他、コノハウオと呼ばれることもあります。
他にもナイジェリア原産の「アフリカン・リーフフィッシュ」などバリエーションもいくつか存在します。
リーフフィッシュの体色って一見地味ですが、、、大昔から生きている、まさに古代魚のようなカッコいい姿にも見えますよね!?
昔は、ブラインドケーブカラシン、ゴーストフィッシュ、リーフフィッシュが世界三大珍魚として紹介されるほど、とにかく珍しい見た目の持ち主なんですね。
※ゴーストフィッシュじゃなくてヨツメウオだったかもしれません・・・。
今では、ゴーストフィッシュやリーフフィッシュは、流通量が増えて目にする機会も増えたため、昔に比べて身近な存在となりました。
なので、「珍魚」という認識は薄れてきましたね(ほぼ無いかも!?
実際に世界三大珍魚という言葉自体を目にすることがなくなりましたからね(笑
リーフフィッシュの飼育データ
- 体長:8cm~10cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~28℃
- 寿命:-
- 参考価格:1匹あたり4000円前後
リーフフィッシュは、体長が10cmほどまで成長するやや中型の熱帯魚です。
肉食性が強い為、基本的に混泳には向かずリーフフィッシュのみで飼育するのがベストです。
※リーフフィッシュと同サイズ~それ以上の熱帯魚であれば、問題なく混泳が出来ますが、リーフフィッシュはエサの食べ方に特徴があって、葉に擬態して基本、待ち伏せして近づくものをパクリ。。。って感じです。
他の熱帯魚は、そんなの関係ねぇの精神でバクバク食べてしまえば、リーフフィッシュに餌が回ってこなく餓死・・・なんてこともあり得るので、混泳水槽では餌やりに工夫が必要と言えます。
他の熱帯魚との混泳には向いていませんが、リーフフィッシュを”複数匹”飼育するのは全く問題ありません。
頭を斜め下に向け、ジッとしている姿が特徴的で、むしろ複数匹で飼育した方が面白い熱帯魚です。
リーフフィッシュの食事スタイル
リーフフィッシュは、肉食性の強い熱帯魚の為、小魚やエビなどの生餌を好みます。
自然界では水中に沈む枯れ葉などに擬態して、近づく小魚やエビを一瞬でバクッと食べてしまいます。
その為、小型のカラシンやエビ類は恰好餌食となるので混泳はNGです。
人工飼料にはなかなか餌付かないことで有名な熱帯魚なので、基本的には餌用として販売されているメダカやエビなどがメインとなるでしょう。
また、冷凍アカムシにも餌付くことが多いので、生餌と合わせて与えることでコスト面を大幅にカットすることが出来るでしょう。
水質は弱酸性をで飼育を!
リーフフィッシュは弱酸性の水質を好む熱帯魚です。
枯れ葉に擬態する熱帯魚なので、マジックリーフという水質を弱酸性に傾けるものを水槽内に入れるのがお勧めです!
また、水質を弱酸性に保つのであれば、低床に「ソイル」を使用するのもお勧めです。
ソイルは水草レイアウトに良く使用される砂なので、水草を茂らせた水槽でリーフフィッシュを飼育すると、草に擬態する姿が見られるので面白いですよ!
リーフフィッシュの繁殖について
リーフフィッシュは、水槽内繁殖が比較的容易な熱帯魚です。
ただし、オスとメスの判別はどう頑張っても無理なんじゃね・・・ってくらい難しいので繁殖を狙った飼育であれば、導入時から複数匹で飼育する必要があります。
複数匹で飼育してペアが出来るのを待つといった感じですね!
繁殖期になるとメスは抱卵でお腹が膨れるので、あぁこれメスだ。。。ってこの時初めて分かるようになります。。。
リーフフィッシュは水草の葉に産卵するので、幅の広い葉を持つ水草を植えておくのが理想です。
大きな歯と言えば、、、アマゾンソードプラントなんかはどこでも安く売っている代表的な存在ですし、リーフフィッシュの産卵床としても最適なのでお勧めです。
卵は親に食べられる危険性があるし、ましてやそのまま孵化してしまうと、間違いなく捕食対象となってしまうので、卵は回収する必要があります。
水草の葉の上に産み付けられた卵は、葉ごと隔離してあげるといいでしょう。
稚魚も親同様に、人工飼料には全くと言っていいほど餌付かないので、ブランシュリンプを与えるのがベストです!
リーフフィッシュは、自分よりも小さい魚は捕食対象とする場合が多いので、親の半分以上の大きさまで育ってから合流させるようにしましょう!
さいごに
見た目が「枯れ葉」そっくりという、とても珍しく貴重な存在のリーフフィッシュ。
水質管理、餌のコスト面を考えると、飼育が難しい、、、というか手間がかかる熱帯魚ではありますが、それ以上に他の熱帯魚には絶対に見られない見た目や特徴は飼う価値があります。
とにかく「珍しい」熱帯魚を欲しいという方は、リーフフィッシュを飼育してみてはいかがでしょうか!?
飼育、繁殖ともに狙える熱帯魚でもあるので、数を増やしたいという方にもお勧めの熱帯魚です。