アクアリウムを始めると、まず最初に悩まされるのが「コケ」の大量発生ですよね。
コケの発生以外にも、スネールの大量発生に悩まされる方も少なくないのではないでしょうか!?
スネール・・・これらは水草にくっ付いて入ってきたり、卵が付着していてそれが水槽内で孵化することで現れるんですね。
繁殖力も超強力で、「まあ、いいか」と思ったらさいご、、、手の施しようのないほど大量発生することも少なくありません。
そんなスネールを除去する方法はいくつかありますが、実はこれを食べてくれる「貝」が存在します。
その名も「キラー・スネール」とかいう、そのままの名前が付けられた、恐ろしくもカッコいい名を持つタニシにような貝なんですね。
ここでは、キラー・スネールの飼育方法や導入時の注意点、スネール対策についてご説明していきます。
キラー・スネールについて
キラー・スネールは、インドネシアやタイなどの東南アジアに生息する淡水の貝です。
このキラー・スネールは、水槽内に発生するスネール類、増えすぎたラムズホーンなど、小型の巻貝を食べてくれることから「アサシン・スネール」なんて、これまたカッコいい別名で呼ばれることもあります。
この性質から、アクアリウムの天敵であるスネール対策としても有効なので、スネールの発生で困っている方は、キーラー・スネールを数匹入れておくといいかもしれませんね!
見た目はタニシのように、長く尖がった感じの貝殻をしており、明るい茶色と黒の縞々(しましま)模様が特徴的です。
貝を食べる貝・・・、スネール除去目的というより、むしろ「どうやって貝を食べるのか?」というのを見たいがために興味本位で飼育してみたいという方も多いはずです。
キラースネールも貝なので移動速度が遅く、駆除能力が低いように思うかもしれませんが、実際に飼育してみると、案外スネールの除去能力が高いことが分かります。
大量発生したスネールを駆除するには、多めにキラー氏を導入すると効果的だといえます。
スネールが大量発生した水槽にキラー氏を数匹入れて数週間もすると、食べて残った貝殻があちこちに落ちている光景が見られます。
※貝殻は溶け出して水質を変えてしまう恐れがあるので、すぐに取り出した方がいいです!
エビや熱帯魚たちには全くの無害だし、貝の中では結構キレイな色合いで水草レイアウトなんかにもよく映えるので気軽に導入できる貝だといえます。
キラー・スネールの飼育方法
- 貝長:最大で3cmほど
- 水質:中性~弱アルカリ性
- 水温:23℃~26℃
- 寿命:2年~3年
- 参考価格:1匹あたり250円前後
キラー・スネールは、大きさが約3cmほどの小型の貝なので、小型の熱帯魚を飼育している水槽に混泳させる貝としてオススメです。
基本的に夜行性の為、明るい時間帯は砂に潜ったりして姿が見られないこともしばしばあります。
飼育上の注意点しなくてはいけないのが、ヒーターに焼かれて死んでしまうことが貝類って結構あるので、ヒーターカバーは必ずつけるようにしましょう!
また、キラー・スネールの好む水質は中性~弱アルカリ性ですが、あまりにもpH値が低くなり過ぎなければ弱酸性でも問題なく飼育が出来ます。
かなり幅広い水質に対応できる丈夫な貝なんですね!
貝と言えばコケ取り能力ある!?
貝類を導入する多くの場合は、コケの除去目的で入れることが多いです。
石巻貝なんかは、古くからコケ掃除で有名な貝です。
同じ貝類なので、「キラー・スネールもコケを掃除してくれるのでは?」と、ちょっと期待してしまいますよね(笑
・・・ただ、キラー・スネールさん、あまりコケには興味がないみたいで、基本的には魚の死骸とか、小っちゃい貝類をメインとする肉食性なんです。
コケの中でも特に柔らかい茶ゴケであれば、多少は食べた後が確認できるくらいで、コケ取り能力はほとんど無いと思っていいでしょう。
「じゃあ、餌不足になるのでは?」って思いますよね!?
確かにスネール類が絶滅してしまったら食べる餌が無くなってしまいますが、そうなれば熱帯魚の餌を与えればOKです。
コケは食べないけど、餌の食べ残しを綺麗にしてくれる貝なので、低層の掃除屋としても活躍してくれますよ。
水質悪化の指標としても有効
濾過が上手く回っていない水槽では、アンモニア濃度や亜硝酸濃度が高くなりがちです。
これらの物質の濃度が高いと、キラー・スネールは貝の中に閉じこまり、活発に動く姿が見られなくなります。
また、大体の場合は水面付近に集まってジッとしていたりします。
このような姿が見られたら、「水質が悪化しているかもしれない」と疑い、アンモニアや亜硝酸濃度を計測してみるのもいいでしょう。
キラー・スネールの繁殖について
キラー・スネールは、水槽内での繁殖が可能な貝です。
貝類といえば大量に増えるというイメージがありそうですが、キラー氏は増える速度がかなり遅いんですね。
貝類って、雌雄同体といって、とりあえず元気な個体が2匹いるだけでどんどん増えることが出来る種類が多いので大量発生するのですが、キラー氏はオスとメスが完全に異体となり、個々性別があるんですね。
ただし、外見ではオスとメスの判別が不可能だといいます。
産卵は、流木とか水槽のガラス面とかに、ゼリー状の卵を産み付けますが、卵の数も少ないです。
増やす目的で飼育する場合は、オスメスが分からない以上、ある程度の数で飼育する必要がありそうですね。
孵化した稚貝は、親同様の姿をしているので飼育が簡単です。
さいごに
貝を食べる貝という、アクアリウムで飼育する貝類ではかなり珍しい存在ですよね。
キラーとかアサシンなど、なんだかヤバイ奴を想像しそうですが、まあ普通に綺麗な貝ですよね(笑
スネールの駆除だけでなく、低層のゴミ掃除、水質の指標にもなってくれますので、スネールの居ない水槽でも数匹導入してみるのもいいかもしれませんね!