アクアリウムでは、世界各国に分布する熱帯魚飼育がメインになるかと思いますが、日本固有種である「ドジョウ」も絶大な人気があり、水槽内で飼育する方も非常に多いんですね。
ドジョウと言えば、砂に潜ったり、低層をちょこちょこと動く可愛らしい姿が魅力的ですが、普通のドジョウとはちょっと違った性質をもつドジョウも存在します。
その名も「ホトケドジョウ」という種なのですが、水槽内を活発的に泳ぎ回る元気なドジョウで、砂に潜って身を隠すといったことはしないタイプなんですね。。。
砂に潜って顔だけひょっこり出す姿は捨てがたいですが、水槽内を元気に泳ぎ回る遊泳性の高いドジョウは珍しいので、これはこれで見ていて楽しいですよ!
また、このホトケドジョウは、貝食性が強く増えすぎた小さなスネールを食べてくれる「スネールイーター」として知られている、やはり知れば知るほど珍しいタイプのドジョウなんですね。。。
以下では、ホトケドジョウの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます。
目次
ホトケドジョウについて
ホトケドジョウは、青森県を除く東北地方から近畿、四国にかけて生息する日本固有種のドジョウです。
顔つきがなんだか仏様のようだ・・・と言う理由から、この名前が由来しているそうです。
かつてホトケドジョウは2タイプいることで知られていました。
一つは、なだらかな起伏や小山を流れる小さな川に生息するタイプ。
もう一つは、大きな河川に生息するタイプです。
ですが、1994年に大きな河川に生息するタイプは「ナガレホトケドジョウ」に改名されているので、本種は小さな川に生息するドジョウを指すようになっています。
ホトケドジョウは、他のドジョウニ比べて見た目の違いが明瞭で、頭部や体が平べったいのが特徴的です。
また、上記でも書きましたが性質にも違いがあり、遊泳性が非常に強く、普通の魚のように水槽内の「中層付近」を泳ぎ回る習性があります。
その為、低床に潜ることはほぼありません。
とにかく元気に泳ぎ回るドジョウで、指を水中に入れるとドクターフィッシュのように口で吸い付いてくる可愛らしい姿も見られるほどです(笑
愛嬌のある顔や、カワイイヒゲがちょこんと生えている姿は普通のドジョウと何ら変わりありませんので、他のドジョウと混泳して観賞を楽しむのもいいかもしれませんね!
ホトケドジョウの飼育データ
- 体長:7cm
- 水温:5℃~30℃
- 水質:中性前後
- 寿命:3年~5年(推定)
- 参考価格:1匹あたり500円前後
ホトケドジョウは、体長が最大で7cmほどの小型のドジョウです。
性格は非常に温和なので、同サイズ程度で温和な種であれば混泳が楽しめますし、同種同士を複数で群泳させることも可能です。
日本に生息するドジョウなので、屋外でも飼えるため、メダカなどを飼育するビオトープに導入するのもオススメな種と言えます。
水質の悪化に弱し!
ホトケドジョウは、綺麗な小川に生息するサカナ故、水質の悪化には弱い性質があります。
とはいえ、濾過能力の高いフィルターを使用して、しっかり濾過の効いている水槽で飼育すればそれほど難しいという訳でもありません。
また、小まめな換水を行い、常に綺麗な環境を保つよう心掛けて飼育するといいでしょう!
低砂は角が無いタイプを使いましょう!
ホトケドジョウは、底に落ちた餌を食べる時、体を垂直に立てて勢いよく砂をほじくるようにして餌を探したり食べたりするんですね。。。
何とも激しい食事です(汗
まあ、これも他のドジョウニは見られない、ホトケドジョウならではの魅力でもあります。
この習性から、角ばった形状の砂を利用すると口やその周辺に傷がついてしまう可能性があるので注意したいポイントです。
この習性は、コリドラスに似ているのですが、コリドラスは低床が汚れすぎていると口やヒゲが溶けたようになる特有の病気にかかることがあります。
同じような習性を持つホトケドジョウも、この病気にかかる可能性も無きにしも非ずなので、低砂は常に綺麗に保つようにしましょう!
低砂の掃除はプロホースがあれば簡単に綺麗に出来ます!
スネールイーターとしても活躍してくれるかも!?
ホトケドジョウは、貝食性が強いためスネールイーターとしても知られた存在なんですね。
スネール・・・奴は水草などにくっ付いて入り込んで、気が付けば大発生してしまう、コケ発生と並んでアクアリストを悩ませる要素のひとつですよね(汗
正直、水槽内でホトケドジョウがどれほどのスネール駆除能力があるのかは分かりませんが、あの厄介な貝の増殖を抑制してくれる可能性のある能力を持っているのは確かなようです。
ホトケドジョウの餌について
ホトケドジョウは、人工飼料や生餌など、熱帯魚の餌なら何でも食べるんじゃないかってくらい雑食性の強い魚です。
ドジョウの餌はかなり充実しているので、専用の人工飼料をメインに与えていれば問題ありません。
ホトケドジョウの繁殖について
ドジョウの仲間は非常に繁殖が難しい種ばかりですが、その中でもホトケドジョウは水槽内繁殖の例が多いことで知られています。
他のドジョウと違い、繁殖すら比較的容易な凄いドジョウです。。。
繁殖期になると、発情したオスはメスをしきりに追いかけまわす行動を見せ、産卵にいたります。
卵は粘着性があり、水草の葉の表面などに産み付けられることが多いです。
産み付けられた卵は親魚に食べられてしまうので、隔離する必要があります。
複雑な茂みを形成するウィローモスを敷き詰めておくと、食べられるリスクが少ないのでオススメです。
孵化した稚魚には、パウダータイプのベビーフードやインフゾリアを与え、少し大きくなった段階でブラインシュリンプを与えるといいでしょう!
さいごに
多くのドジョウの仲間と言うのは、低層を隠れながらちょこちょこと泳ぎ、土管などのオブジェクトに隠れるといった習性がありますが、そんな幻想をぶち壊してくれるドジョウ、、、それがホトケドジョウなんですね!
低層どころか、中層付近を普通の魚以上に活発に泳ぎ回り、とにかく元気な姿を楽しませてくれるドジョウです。
他のドジョウには”絶対”に見られない魅力があるので、ちょっと変わった性質を持つドジョウが欲しいという方は、ホトケドジョウを是非チェックしてみて下さいね!
それにしても、この元気で活発な荒ぶる性格は、もはや仏様とはかけ離れた存在なのかもしれませんね・・・(笑