海水魚の中には、他の大型海水魚の体表やエラについた寄生虫やゴミを食べて掃除してくれる”クリーナーフィッシュ”と呼ばれる魚がいます。
淡水の魚では「ドクターフィッシュ」が有名で、ドクターフィッシュのいるプールに飛び込むと、人に魚が群がってきて体をツンツン突いて汚れを食べているのをテレビなどで見た方も多いと思います。
そして、、、それの海水魚バージョンで有名なものといえば「ホンソメワケベラ」という魚です。
クエなどの大型海水魚の口の中に入ったりして、掃除をする魚の姿を、これまたテレビなどで見た方も多いのではないでしょうか。
その代表的な海水のクリーナーフィッシュが、ホンソメワケベラなんですね!
綺麗なブルー色が映えて色彩の美しい海水魚なので、水槽内に導入すればクリーナーという面白い性質に加え、観賞も非常に楽しめます。
ここでは、ホンソメワケベラの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきますね。
ホンソメワケベラについて
ホンソメワケベラは、インド洋から西太平洋海域に広く生息している、ベラの仲間で、他の熱帯魚の体表についた汚れや寄生虫を食べて綺麗にするクリーナーシュッシュとしても有名です。
細いスマートな体形が特徴であることから、本来は「ホソソメワケベラ」が本当の名であったのですが、「ソ(そ)」を「ン(ん)」に間違われてしまったため、「ホンソメ。。。」と記載されたことによって、いまだに改正されることなく使用されているんですね。
黒い模様にブルーの体色、頭部が黄色く色付く個体など色彩も美しい魚です。
また、寝る時に自分の体の回りに「膜」を張る身を守る習性があり、小さいけど、水槽内では見ごたえ抜群の存在となってくれます。
クリーナーフィッシュと呼ばれるように、自分よりも大きな魚の体表、エラ、口の中など隅々まで綺麗にします。
自分より大きな魚の場合は、複数匹で掃除し、、、自分よりも小さな魚ですら掃除する習性があり、何かと掃除していなきゃ気が済まない性格のようですね。。。
驚くべきことは、ホンソメワケベラは、体長が10cmにも満たない小型の海水魚ですが、1m近くもありそうな大型の魚の口の中に入っても食べられることがありません。
普通に小型魚を餌とする大型魚ですら、ホンソメワケベラを捕食しないんですね。
魚たちはこのホンソメワケベラという小さな魚が、掃除をしてくれる存在であることを認識しているのでしょう。
弱肉強食と言う言葉がありますが、掃除と言う名の能力を身に付けたホンソメワケベラは、ちょっと例外的な存在ですよね(笑
・・・ただ水族館の方が言うには、ごくたま~にですが、食べられちゃうホンソメワケベラもいるそうです・・・。
これは、生まれてからホンソメワケベラの存在を知らなかった個体だと考えられ、掃除しようとノリノリで大型魚に近づいていってパクッと食べられちゃう姿を想像すると、、、なんだか悲しいですね(泣
ちなみに、エビにも”クリーナーシュリンプ”なる種がいて、ホンソメワケベラと同じように甲殻類を大好物とする種以外からは、基本的に襲われることはありません。
ホンソメワケベラの飼育データ
- 体長:8cm前後
- 水温:24℃前後
- 寿命:5年ほど
- 参考価格:1匹あたり1000円前後
ホンソメワケベラは、体長が8cmほどの小型の海水魚です。
混泳時の注意ですが、同種同士や近縁種とは激しく争うことがあるので注意が必要です。
ただ、それ以外の魚種との混泳は、基本的に問題なく出来ます。
混泳させてこそ面白い海水魚なので、1匹でも導入すると、掃除している様を間近で見ることが出来るでしょう!
サンゴを荒らすようなことも無いですし、突いて害を及ぼすこともないので、サンゴの育成している水槽への導入も大丈夫です。
水質が悪化すると、体表の荒れが目立つこともあり、水質には少々敏感な種であることが分かります。
なので、日々のメンテナンスを怠らないようにしましょう!
混泳時の注意も!
ホンソメワケベラの掃除能力は非常に高いと言われ、海水魚たちからも評判が高いようです。。。
というのも、自然界では掃除してもらうために列を作って、順番待ちをし、クリーニングが回ってくるのを今か今かと待っている様子が見られるんですね(笑
大型の魚はもちろん、小型の魚まで掃除しますが、水槽内での限られた空間では、小型海水魚にとって「掃除されすぎ」が逆にストレスになってしまうこともあるんです。
・・・ありがた迷惑ってやつですか。。。
なので、本当にごく少数匹の小型海水魚しか飼育していない水槽にホンソメワケベラを導入すると、掃除されすぎリスクが発生することもあるんですね。
なので、ある程度の数の海水魚を飼育している水槽に導入するのが望ましいかもしれませんね。
ホンソメワケベラの餌について
細いスマート体形のホンソメワケベラは、水の抵抗を受け流すような泳ぎに特化したような姿をしていますよね。
その為か、良く動き回り、”痩せ”が良く見られる種でも知られます。
他の魚に付いた寄生虫だけでは足りず、餌が不足するとすぐに痩せてしまいます。
人工飼料に餌付きやすい種ではありますが、全く食べない個体もいるので、購入する段階で人工飼料に餌付いているものを探すのが手っ取り早いです。
もし、水槽内に導入して人工飼料を全く食べない場合は、ブラインシュリンプや冷凍ホワイトシュリンプなどを与えてみましょう。
その後、人工飼料を少しずつ混ぜて与え、食べれるようにしていくのが理想です。
さいごに
海水魚で「クリーナーフィッシュ」の代表的存在であるホンソメワケベラ。
美しい体色、他の魚を掃除する、体色が綺麗と、膜を張って寝るという、3拍子以上も揃った、観賞魚としては最高の存在です!
大きな魚がジッとしてホンソメワケベラに掃除してもらう、、、テレビで見たことのある光景を自宅の水槽内でも見ることが出来ますので、この光景を見たい方はホンソメワケベラを導入してみてくださいね。