熱帯魚は、「熱帯」というくらいですから、水温が冷たいと生きていけません。
そこで、水温を高めるアイテムの「ヒーター」が必須となります。
ただし、夏場の暑い時期なんかは、室内の温度も高くなる関係で、ヒーターが無くても大丈夫な場合も多いですよね。
それ以外の季節(特に冬場)は、ヒーター無しでは水温が下がって、熱帯魚の生命に関わってきます。
そういえば、このヒーターって「横向き」に設置されていることがほとんどですが、「縦向き」に設置するのはNGなのか疑問に思ったことは無いでしょうか。
ここでは、ヒーターの設置向きに関してご説明していきたいと思います。
ヒーターの設置向きについて
縦向きに設置すれば、水槽内の見た目も良いし、スッキリするので「縦向きに設置したい!」と思う方も多いはずです。
が、ヒーターの設置向きは、基本的には「横向き」に設置するのが一般的です。
というのも、縦向きに設置すると、ヒーター自体が正しく作動しないというリスクがあるんですね。
メーカーが横向きでの設置を推奨している商品を、縦向きで使用するのは「自己責任」となり、何か不具合が起こっても保証はされません。
ただし、現在では「縦向きOK」というような表記のものもありますので、そういった商品は縦向きに置いても大丈夫です。
故障すると、水槽全体に大打撃を与えるモノでもありますので、使用前に良く確認するようにしたいですね。
また、初めから縦向きで使用したいと思う方は、購入前に「縦向き使用OK」の表記を確認してから購入すれば間違いありません。
ヒーターを縦向きに使用するリスク
縦向きで設置できるヒーターであっても気を付けなくてはいけないポイントがあります。
常時、縦向きで使用する方は予め注意点を知っておくと良いでしょう。
換水時の露出に注意
まず一番気を付けなくてはいけないのが換水時です。
横向きで低床付近に設置している場合は、ほとんど気にする必要がないのですが、縦に設置している場合の換水時に水を排出しすると、水位が下がってきてヒーターの一部が露出して、ヒーターが使い物にならなくなったという声は本当に多く聞きます。
ヒーターは、水から露出して、いわゆる「空焚き状態」になると、空焚き防止機能という安全装置が作動して自らヒューズを遮断して事故を防ごうとします。
つまり、火事にならないよう、ヒーターを”ぶっ壊す”機能なので、割とすぐに発動するんですね。
こうなると、そのヒーターは使用不可となり、新しいものを購入しなくてはなりません。
※一部、再利用できるヒーターも存在します。
なので、水換え時はヒーターが露出しないよう、水位に気を配って行うようにしなくてはいけません。
ちなみに、上記の理由からヒーターを水槽から取り出すときは、コンセントを抜いて時間が経って冷ましてから取り出した方がいいでしょう。
水槽全体が温まらないこともある
これは、温度調節器(サーモスタッド)が内蔵されたヒーターで起こるリスクなのですが、一体型のヒーターを縦に設置すると、水槽全体が温まらず、暖かい所と冷たい所という風に温度にムラが出来るんですね。
なぜこんなことが起こるかというと、ヒーターの構造にあります。
基本的に、水温を感知するサーモスタッドは、コード側に付いています。
縦に設置すると、コード側が上になるのが普通ですよね。
ヒーターが作動して、温められた水は上に行き、そのサーモスタッドの部分を通ることになります。
その時、その暖かい水温を感知してヒーターが電源をOFFにしてしまうのが原因となっています。
しばらくすれば、また電源をONにして温めますが、この状態だと電源のONとOFFを激しく行うことになるので寿命が短くなるんじゃないかっていう懸念もあります。
ヒーターカバーを取り付けよう!
縦向きに限らず、基本的にヒーターには専用のカバーを取り付けることをお勧めします。
このヒーターっていうのは、空焚きで5分放置した場合、実に表面温度が400℃に達するといいます。
水中でも恐ろしいほど熱くなるのが想像できますよね。
実際に、ヒーターによる熱帯魚の「事故」は多々あるんですね。
言うなれば「火傷(やけど)」です。
「水の中なのに火傷なんてするのか!?」と思う方もいるかもしれませんが、誠に残念ながら普通にするんですよね。。。
例えば横向きで低床付近に設置する場合は、コリドラスなどの低層で生活する熱帯魚を入れていなければ、カバーを付けなくても事故はほとんど起こらないかもしれません。
しかし、縦に設置すれば、中層~上層を泳ぐ熱帯魚が触れる機会が多くなり、火傷の事故が多くなるかもしれないのでカバーは取り付けた方が無難です。
いちばんヤバイ奴が、コケ掃除で導入するイシマキ貝とかオトシン系です。
ヒーターに張り付いている時に作動して、普通に焼け死ぬことがあります。
プレコも危ないかもしれませんね。
まあ、いずれにしても熱帯魚を守ってあげるという意味ではヒーターカバーは取り付けましょう!