熱帯魚を飼育するのに必要不可欠な道具の一つに、水槽の水を温める「ヒーター」があります。
名前に”熱帯”という文字が付くように、熱帯魚は低水温での飼育が不可能と思っていいでしょう。
特に、寒い時期は水温が極端に下がることが多くなってくるので、ヒーターは無くてはならない存在となりますよね。
この、ヒーターは設置すると自動で温度を調節してくれる機能が付いているのですが、コンセントを付けっぱなしにすることになるので、毎月どれくらいの電気代がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ヒーターにかかる電気代と、節約方法についてご説明していきます。
目次
ヒーターの電気代について
早速、熱帯魚用のヒーターにかかる1日当たりの電気使用量を見ていきましょう。
ちなみに、1kWhあたり27円(定格消費電力)で計算します。
(1Wの単価=0.027となります)
尚、以下で説明する消費電力金額は、1日フルで稼働していた場合の数字になります。
80Wのヒーターの電気使用量
80Wのヒーターを使用する場合、目安となる水量は「約25~26ℓ」となります。
適合水槽のサイズは、40㎝(約25ℓ)がギリギリとなります。
つまり、40㎝以下の水槽での使用が望ましいといえます。
1日の電気代は約52円で、1カ月の電気代は約1550円ほどになります。
※計算式は、0.027(1Wあたりの単価)×80(ヒーターのW数)=2.16(1時間あたりの消費電力)
2.16×24時間=51.84円(1日あたりの消費電力)
51.84×30日=1555.2円(1カ月あたりの消費電力)
100Wのヒーターの電気使用量
100ワットのヒーターを使用する場合、目安となる水量は「40ℓまで」となります。
適合水槽のサイズでは、45㎝規格水槽(約31ℓ)~45㎝のワイド水槽(約40ℓ)まで対応できます。
1日の電気代は約65円、1カ月の電気代は約1940ほどになります。
150Wのヒーターの電気使用量
150Wのヒーターを使用する場合、目安となる水量は「約60ℓ」となります。
適合水槽サイズでは、60㎝規格水槽がこれにピッタリ当てはまります。
1日の電気代は約97円、1カ月の電気代は約2910円ほどになります。
200Wのヒーターの電気使用量
200Wのヒーターを使用する場合、目安となる水量は「約100ℓ」となります。
適合水槽のサイズでは、60cm~75cm水槽になるでしょう。
1日の電気代は約129円、1カ月の電気代は約3870円ほどになります。
300Wのヒーターの電気使用量
300Wのヒーターを使用する場合、目安となる水量は「約150ℓ」となります。
適合水槽のサイズでは、90㎝以下の水槽が当てはまると言えるでしょう。
1日の電気代は約194円、1カ月の電気代は約5820円となります。
ヒーターの電気使用量は他に比べて圧倒的に高価
上記の金額を見てビックリされた方も多いかもしれませんが、ヒーターの電気使用量(電気代)は、フィルターとか照明器具等、他の設置器具に比べて圧倒的に高価になり、熱帯魚を飼育する上で消費電力が一番多いものとなります。
しかし、上記の金額はあくまでも「1日フルで作動していた場合の金額」です。
実際には1日中、ずっと作動することはあり得ません。
もしずっと作動して、水温を温め続けていると条件知らずに水温が上がって、熱帯魚が茹で上がってしまうからです(汗
アクアリウム用のヒーターは、水温を温める装置(白く細長い菅)と、水温を感知してスイッチのONとOFFを自動で行う温度調節器(サーモスタッド)という装置から成ります。
この2つの装置が一体型になったコンパクトのものもあれば、温める装置とサーモスタッドが別々になった商品など種類も豊富です。
ヒーターには「設定温度」があって、それを下回ったときだけ作動するという仕組みになっています。
そして、設定温度に達したら自動的にOFFにするんですね。
こうやって、ONとOFFを繰り返し行うことによって水温を設定した温度に保っているんです。
夏と冬では使用量が段違い
ヒーターは、設定温度を下回ったときだけしか作動しません。
熱帯魚の水温は、大体が25℃前後だと思いますが、真夏など暑い季節はむしろヒーターが無くてもこれくらいの水温~さらに高水温になって、逆に水温を下げないといけない時期だってありますよね。
熱帯魚は、高水温でなければ飼育が難しいですが、あまりにも水温が高いと、それはそれで逆に生きていけないんですよね。
良く、夏場はヒーターなしでも飼育が出来るといいますが、実際にこの時期はヒーターを設置しても作動していないことの方が多いです。
つまり、ヒーターなしで25℃前後やそれ以上の水温になるんですね。。。夏場は。
ほとんど作動していなければ、当然ですがヒーターにかかる電気使用量も安くなります。
むしろ、ほとんど作動していなければ、ヒーターにかかる電気代は微々たるものとなります。
問題は冬場などの寒い時期です。
寒くなると、設定水温に達してスイッチがOFFになると、すぐに水温が下がりますので、ONとOFFの動作が多くなります。
夏から秋、冬に行くにつれて電気代が高くなったと思うのは、ヒーター代が原因ということも結構ある話なんですね。
とは言っても、いくら寒い時期だからと言って1日中ずっと作動しているということはないので、上記で紹介したMAXの金額が掛かるということはまず無いです。
寒い時期の節約術
ヒーターの仕組みは、設定温度より下がるとスイッチがONになり、設定温度を超えると電源がOFFになるというサイクルと繰り返し行うことで水温を保ちます。
つまり、スイッチがONになる回数(作動している時間)を減らすことが出来れば、そのまま電気代を節約することにも繋がります。
水量に合ったW数を選ぶ
ヒーターには水量に合わせた「W数」が各メーカーから販売されています。
W数が小さいほど消費電力は少ないですが、同時に温める能力も下がります。
例えば、60㎝水槽で、80Wのヒーターを使用する場合、温める時間が遅いため、電源が入っている時間が長くなります。
特に、寒い時期だと温めが間に合わなく、ずっと作動させてしまうことにもなりかねません。
つまり、すこし高価でもW数の多い、水量に合ったヒーターを使用する方がずっとお得ということなんです。
普段から暖かい場所に水槽を設置する
水槽内の水温は、外の温度にかなり影響を受けます。
夏場に水温が急上昇するのも、部屋の温度が上がって、その影響を受けて高水温になります。
それと同じように、寒い空間では温めてもすぐに水温は下がっていきます。
つまり、冷え切った部屋だと、ヒーターのONとOFFの動作はかなり多くなるんですね。
そこで、普段から暖房のきいた居間などに水槽を設置すると、水温が急激に下がることは無くなるので、ヒーターの作動している時間も短くすることが出来ます。
また、エアコンや暖房器具の近くに設置するのも一つの手です。
一時的でも、暖房をつけている間は温風の影響で水温を下がりにくくすることが出来るからです。
置き場所一つで、ヒーターにかかる電気代が結構変わってくるので、置き場所を自由に選ぶことができるなら出来るだけ暖かい場所に設置した方が良いかもしれませんね。