古くから「金魚すくい」で馴染み深い魚のキンギョですが、現在では多くの改良品種が作出されており、色んなタイプのものを目にすることが多くなっています。
パソコンに加え、スマートフォンでネットが急速に普及した今日では、数多く存在する種を写真や画像で簡単に見ることが出来ますし、ショップ通販で購入することもできますよね!
現在でも、昔と変わらず金魚を飼育する方は非常に多いです。
あの赤金に輝くボディって見慣れているからあまり意識していなかったけど、普通に考えてみるとかなり綺麗で魅力的な魚だと再認識させられます(笑
色の綺麗な種が複数存在する「熱帯魚」ですら、あんなに見事な赤系の種ってなかなかいないですからね。
そんな色の綺麗な金魚には、緑色の水草を水槽内に入れてあげると映えて美しいですよね!
金魚は草食性が強いので、水草は見た目を良くするだけじゃなく、金魚にとっても無くてはならない存在と言えるんですね。
以下では、金魚に適したお勧めの水草をピックアップしてみます。
目次
金魚と水草について
金魚を飼育したことがある人なら分かるかと思いますが、かなりの食欲が旺盛な魚ですよね!
餌を与えれば与えるだけ全部、見ていて気持ちいいくらいバクバクと食べてくれるので、ついつい与えすぎてしまった・・・という経験がある方も多いのではないでしょうか。
また、金魚は草食性が非常に強い魚なんですね。
というのも、金魚の祖先は「フナ」で、このフナは草食性が強く、当然キンギョもこの遺伝子を受け継いでいるんです。
なので、水草の種類によっては金魚に食べられてしまうものがあるんですね。。。
とはいっても、逆を言えば水草は金魚にとって非常食にもなりますから、例えば少しの間、家をするにする場合には、水草を設置しておくことで飢えを凌ぐこともできます。
当然、水草の種類のよって食べやすい種、そうでない種があります。
食べられる心配のない水草は主にレイアウト用、食べやすい種もある程度は植えておいた方が良いでしょう。
レイアウト+食用に適した水草
- カボンバ
- アナカリス
- マツモ
以下で紹介する水草は、レイアウト(見た目)的にも良く、それでいて金魚にとって食べやすい種類の水草です。
水草は消化に良く、栄養価も豊富だと言われるので、金魚の飼育には外せない存在と言っていいでしょう!
カボンバ(金魚藻)
「金魚と言ったらコレ!」というくらい、古くから金魚を飼育する水槽に用いられてきた水草で有名です。
その為、「金魚藻」と呼ばれることもあるくらいです。
カボンバの葉は、非常に柔らかい針のようなものが密集している感じで、美しくレイアウトに用いても金魚の赤金と生えて綺麗です。
この柔らかい葉は、金魚にとっては絶好の餌となる他に、絶好の産卵場所、そして隠れ家としても有効なので、かなり優秀な水草と言えます。
ただ、カボンバを上手く育てるには、出来れば二酸化炭素を添加した方が良く、強い光量が必要となります。
昔から金魚とセットで紹介される水草ではありますが、実は飼育がちょっとばかし難しい種なんです。
また、針のように無数に生えている葉が、茎から抜けて水槽内を舞うと観賞的にも良くないし、枯れて水質を汚す原因にもなるので、抜けて待っている葉は小まめにネットなどですくって除去するようにするといいですよ。
アナカリス(オオカナダモ)
理科で「光合成」の実験で良く利用される水草なので、「見たことある!」と思った方も多いのではないでしょうか!?
アナカリスは、驚異的なスピードで成長することで有名な水草なんですが、例えば一部分が金魚に食べられても、そこから下を折って上の元気な部分だけで植え直すと、無限増殖できるんじゃないかってくらいの生命力を持っています。
とにかく、グングン伸びるので常に上の方が色鮮やかで元気な状態を保っています。
伸びすぎた場合は、短くバツンッと切って、植えなおすことで長く育成できる水草です。
ただ、根をほとんど生やさないので、すぐに抜けて水面プカァ~状態になりやすい水草でもあるというのがネックです(汗
鉛で沈めている方もいますが、金属を水中に長時間入れておくと生体に影響が出る恐れもあるので、数本をテグスで巻いて植えるか、水に溶けださない重りを取り付けて沈めるなどの工夫が必要になる場合もあります。
マツモ
日本にも自生する水草で、金魚飼育にはかなり重宝する存在と言えるマツモさん。。。
その理由としては、まず二酸化炭素の添加をしなくても余裕で育成が可能であること、成長速度が極めて速いこと、葉が柔らかくて食べやすい水草であること、見た目も良く、隠れ家や産卵場所としても有効など、正直なところカボンバよりも「こっちが本物の金魚藻!」というほど優れた水草です。
マツモには根が無く、植えるのであれば抜け防止の対策が必要となります。
ただ、金魚鉢とか、レイアウトをあまり気にしない水槽では、むしろ砂利に植えずにそのまま浮遊させた状態で利用されることが多いんですね。
「ちょっと緑色が欲しい」ってときに、マツモを少量だけポンと入れるだけで、金魚の色彩と生えて見た目が綺麗になりますし、マツモもその状態で簡単に飼育できる、、、さらには金魚の非常食にもなる。。。
金魚飼育においては、マツモは最強クラスの水草といっても過言ではないでしょう。
レイアウトに特化した水草
- アヌビアス・ナナ
- ミクロソリウム
- ウィローモス
以下で紹介する水草は、葉が硬く金魚に食べられて外観が損なわれる心配のない種です。
凝ったレイアウトで金魚を飼育したいという方に、是非オススメの水草です!
アヌビアス・ナナ
金魚に限らず、草食性の強いサカナ全般から「食害されない」ことで有名すぎる水草のアヌビアス・ナナです。
アヌビアス・ナナの根っこは活着性があり、流木や石などにくっ付ける(時間がかかる)ことが出来るので、しっかりと活着させることで抜けて水面プカ~の心配がありません。
じっくりと育てればかなり大きな株になり見ごたえがありますので、育て甲斐のある水草といえます。
ただし、成長速度は遅く、葉の表面にコケが付きやすいです。。。
もし、葉がコケで覆われて見苦しくなったら、葉を切り落としてしまうのも手です。
そうすれば、切り落とした葉の付け根の茎の部分から、また新しい葉が発芽します。
食害されないとかそういうレベルじゃなく、葉が硬すぎる為、ヒレの長い金魚は引っかけて、ヒレが裂けることもあるようなので、そういったタイプの金魚を飼育している水槽に導入する場合は、あまり密集させない方が無難かもしれません。
とはいえ、ここまで丈夫な水草も珍しいので、レイアウト作りには欠かせない存在であることに違いありません。
ミクロソリウム
アヌビアス・ナナと並んで、葉が硬い水草としてよく紹介されることで有名です。
硬さはアヌビアス・ナナほどではない為、ヒレの長い金魚がいる水槽でも安心して導入できます。
また、ミクロソリウムも、アヌビアス・ナナ同様に、活着性のある根っこを持っています。
低床の砂利に植え育てることもできる他、流木や石などに活着させてレイアウトに用いることが出来る水草なんですね。
成長すれば結構な大型になって見ごたえがありますが、成長速度は遅いので、すぐにボーボーになる心配はありません。
葉が黒くなる特有の病気があり、放置しておくと健康な葉に伝染してしまいます。
なので、黒っぽく変色している部分が見られる場合は、すぐに切り取ってしまいましょう!
ウィローモス(食べられる恐れあり)
熱帯魚水槽のレイアウトには欠かせない水草のウィローモス。
流木や石に活着させることで、複雑な茂みを形成しながら成長し、大自然のような見事な光景を作り出してくれる水草です。
ウィローモスは、種類にもよりますが、基本的に柔らかい分類に入り、活着させて成長している段階だと金魚に食べられてしまうことがあります。
なので、流木などにくっ付けて複雑な茂みを形成した(ある程度成長した)段階で導入するのが望ましいです。
以下の記事で、ウィローモスの活着方法を載せています。
どうしても金魚に食べられてしまう場合は諦めるしかありませんが、餌用に導入するにはもったいない水草です。
もし、問題なくウィローモスを導入できる場合は、熱帯魚水槽のように幻想的なレイアウトで金魚を飼育するのも面白いですよ!
「浮き草」の導入もお勧めです!
金魚やメダカの飼育で古くから用いられる「浮き草」といえば、ホテイアオイがあまりにも有名です。
浮かべておけば、水面から出た葉の成長を楽しむことが出来、うまく育成すれば紫色の綺麗な花を咲かせます。
水中には根っこの部分がワシャーッと垂れている感じになります。
草食性の強い金魚だと、この根っこを食べるものもいるので、根のほとんどが食べられた場合は、ホテイアオイ本体が枯れてしまうので注意が必要です。
ホテイアオイが用いられる場合は、屋外飼育の場合に多く見られます。
メダカだと、ビオトープなんかで良く使われていますよね!
(↑ビオトープってこんな感じです↑)
屋外飼育だと、太陽の光で上部に育ちますし、葉の影が魚に取って良き隠れ家となり、垂れた根っこは卵を産み付ける場所として最適なんです。
屋外で金魚を飼育する場合には、外せない存在と言っていいでしょう!
さいごに
上記では、金魚に適した水草をいくつかピックアップしてみました。
水草の緑は、金魚の赤金色に非常によく映えて美しいです。
ですが、ただ単に見た目を良くするというだけじゃなく、金魚の餌にもなりますし、産卵場所、隠れ家など、水草を導入することで得られるメリットは計り知れません。
なので、どんな飼育水槽であっても、なんらかの水草を入れてあげた方が、見た目も綺麗ですし、金魚にとっても良いといえるんですね。
また、水草を長期的に上手く育成するには、生体を飼育する以上に水質管理にシビアにならなくてはいけません。
正直な話、金魚を育てる以上に、水草の育成は難しいはずです。
つまり、金魚と同じように水草を大切に育成するという事は、アクアリストとしての腕を格段に上げることにもつながるので、是非、水草の長期育成にもチャレンジしてみて下さい!