アクアリウムで「熱帯魚」が人気があるように、古くから日本で馴染み深い「金魚(キンギョ)」も、相当根強い人気があります。
子どもの頃に、祭りの金魚すくいで取ったのを切欠に飼育した経験がある方も多いのではないでしょうか。
金魚にも色んな種類のものが存在し、よく「お勧めな金魚って何!?」と聞かれますが、僕の場合は金魚に関しては「どれもお勧め!」と答えるようにしています(笑
そんなこと言われても・・・と、思うかもしれませんが、なぜ僕がこう答えるかと言うと、実は金魚って「個性の塊」のような存在で、個体ごとに全く同じものが存在しえない魚なんですね。
なので、自分で見て「気になる・・・」と思う個体を選ぶのが、金魚選びの最善の選択だと思っています。
それにしても、全く同じ個体が存在しないって、、、初めて聞く方にはピンとこないですよね。
という訳で、以下では金魚の魅力についてちょっとばかし書いていこうと思います!
そもそも金魚(キンギョ)ってどんな魚?

「金魚(キンギョ)」と聞いて、どんな魚か知らない人の方が少ないと思います。
種類はいっぱいいますけど、基本的には「金魚すくい」でお馴染みのオレンジ~赤色が美しい種をイメージさせる魚ですよね!
・・・では、この金魚って世界のどこか、つまり自然界に生息する魚かどうかはご存知でしょうか。
実は、金魚は自然界には存在しない魚です。
金魚の祖先は「フナ」という魚で、このフナの突然変異個体を人為的に選別し、主に鑑賞目的で改良に改良を重ねた品種こそが金魚なんですね。
つまり、金魚とはフナの改良品種ということなんですね。
金魚は”全て”劣性遺伝
金魚はフナの改良品種と上記で書きましたが、金魚ってよく見ると尻尾の形状が様々だったり、色彩も多く存在します。
特に尾びれの形状では、祖先と同じフナ尾と呼ばれるものや、三つに分かれる三尾、四尾、他にも多くのバリエーションが存在します。
頭にもコブがあったり、無かったりと色んな部分に「個々違い」が見られるのが金魚の特徴と言えます。
このことから、金魚とは実に多様性のある魚だという事が分かります。
なぜこれだけのバリエーションが生み出せるのかと言うと、劣性遺伝子(近親交配による弊害や奇形)を利用して作出されている魚なんです。
劣性遺伝と聞くとあまり良いイメージはありませんよね(汗
しかしながら、金魚は丈夫な種が多いし、寿命も長いので、とても劣性遺伝による魚とは思えないほど完璧な存在といえます。
ちなみに、この種でいう優性遺伝というのは、祖先のフナのことを言います。
遺伝子と言うのは常に優性遺伝の方向へ傾くようになっているため、何も考えずに交配を重ねていくと、最終的には元のフナに戻るんですね。
なので、今出回っている見事な金魚たちと言うのは、劣性遺伝の突然変異個体を人為的に上手く掛け合わせ、弊害や奇形によって支えられている美しい魚ということなんです。
同じ個体には二度と出会えない!?
上記で金魚は劣性遺伝子による、弊害や奇形によって支えられた種であると書きましたね!
つまりこれは何を意味するかと言うと、「劣性遺伝の塊=個性の塊」、つまり同じように見える個体であっても、それぞれに特徴を持っているんですね。
例えば、熱帯魚を飼育するにあたって同じ種であれば、個体差はややあるけれどコレといって特別な違いと言うのは普通ありませんよね。
むしろ、個体ごとの違いなんて気にすることも無いはずです。
しかし、金魚は違います。
全く同じ種であっても、体格やヒレの形状、尾びれの開きなど、良く見てみると違いが明確なんです。
これが、劣性遺伝の弊害や奇形がもたらす、キンギョ最大の特徴であり魅力でもあるんですね。
つまり、金魚を購入しようとしてショップに行き、「この金魚いいなぁ~」と思った個体は意地でも手に入れた方がいいです!
なぜなら、それと全く同じ見た目の金魚には、もう二度と出会えないからです。(と、思った方がいいでしょう!)
さいごに一言

僕ら人間の一人ひとりが顔が違っているように、金魚にも同じように個々で個性を持っています。
誰もが知る存在ですが、一言で金魚といっても、その存在はかなり奥が深いんですね。
僕が、「金魚はどれもお勧め!」と答えるのは、こういった理由からなんです。
まあ正確には、見て「一番気に入った個体」とか、「ピンとくる」ような気になる個体を選びが一番だという事です。
これを知っていれば、全く同じ種であっても「どこが違うんだろう」と観察するようになるはずです(笑
また、全く同じ種なのに、ここまで個体選びの段階で迷い、楽しませてくれる種もそういません。
金魚を飼育する場合は、自分の足でショップに出向き、是非お気に入りの個体を見つけ出してくださいね!