水槽に入れればたちまち目を引くゴールデン・バルブという熱帯魚をご存知でしょうか。
名前の通り、輝くような黄色~金色が美しい魚で、真っ赤に染まるタイプのチェリー・バルブは古くからポピュラーな存在として親しまれています。
「〇〇バルブ」という、この種には多くの種類がいて、どれも美しい色彩や独特の模様を持ち、観賞価値が非常に高いのが特徴です。
その中でも、金色に輝くゴールデン・バルブは、特に注目を集めやすい金ぴかカラーの美しい姿をしているんですね。
ここでは、ゴールデン・バルブの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます。
ゴールデン・バルブについて
ゴールデン・バルブは、小型のコイ科の熱帯魚です。
本種は改良品種ですが、詳細は不明で、一応のところ中国原産のグリーン・バルブを改良した品種ではないかと言われています。
眩しいまでに濃く明るい黄色の発色は、まさに金色に輝いているように見え、体表に表れる黒い模様が特徴的です。
この黒い模様は個体ごとに不規則に表れるので、個体ごとに違った模様が見られます。
また、オスは繁殖期になると赤い婚姻色を腹部などに表れ、黒い模様の部分い光沢のある緑色が見られ、一層綺麗になります。
ゴールデン・バルブの飼育データ
- 体長:約4cm~5cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~28℃
- 寿命:5年前後
ゴールデン・バルブは、体長が最大でも5cmほどの小型の熱帯魚です。
「とにかく丈夫な熱帯魚」として知られ、初心者でも容易に飼育することが出来る、いわば入門的な熱帯魚です。
特に、赤色~紅色の発色のチェリー・バルブは入門魚として非常に人気の高い種となっています。
やや気性が荒い面のある熱帯魚
金色に輝く姿に目を奪われ、水槽内の「混泳魚」として迎える方が非常に多い種類ですが、混泳にはちょっと注意が必要だったりするんですね。
ゴールデン・バルブは、同種同士でよく小競り合いをしているのを目にします。
縄張り意識が強かったり、気性がやや荒い面もある魚で、他の熱帯魚を追いかけたり、突いたりすることもしばしば見受けられます。
ただ、導入して1日何もなければ問題なく混泳が出来る場合がほとんどです。
逆に、導入してからすぐに他の魚にちょっかいを出すようであれば、隔離する必要があります。
ゴールデン・バルブは基本的に憶病な熱帯魚なので、気性の荒さは個体差によって激しいことが伺えます。
低層を泳ぐコリドラスを一目散にフルボッコにしたというのを聞いたことがあるので、おっとりとした性格の魚は標的になりやすい恐れがあるので要注意です。
もし、混泳させるという場合は、導入後しばらくは注意深く観察し、1日以上経って特に問題が無ければそのまま混泳させても大丈夫だと判断していいでしょう。
恐るべき雑食性
チェリー・バルブ同様に、この種はとにかく何でも食べることで知られています。
そう、、、何でもです。
この「何でも食べる」という習性は、害虫駆除にとても役立つことが知られています。
一番注目されているのが、呼んでもいないのにどこからか入って来て、勝手に増えて増えて増えまくるスネール氏の駆除です。
口に入らないようなサイズのスネールをバリバリ食べるということはありませんが、恐らく小さいスネールや、その卵を食べることで増殖を抑制していると考えられます。
実際に、スネールが増えまくっている水槽に本種を導入すると、明らかにスネールの数が減っていると実感できます。
また、プラナリアの駆除にも効果抜群のようです。
生体には害は無くても、増えすぎて見た目キモい生物を駆除してくれる魚なので、これらの生物の増殖で悩んでいる方は本種を導入するのもいいかもしれませんよ!?
ゴールデン・バルブの繁殖
繁殖は比較的容易で、コイ科に多い水草の茂みに卵をばら撒いて産むという繁殖形態が見られます。
ゴールデン・バルブ飼育の楽しみの一つに、繁殖期の婚姻色があります。
婚姻色はオスのみに出ますが、金色と黒模様以外に、腹部が真っ赤に染まったり、体色(黒い模様の部分)にメタリックグリーンの輝きを見せ、一層綺麗になるんですね。
中には、体表の中央部分以外、真っ赤に染まる個体もいます。
メスはオスよりも地味な体色をしているので、色彩から雌雄の判別が可能となります。
繁殖期になると、オスがメスをひっきりなしに追いかけまわす姿が見られるので、この光景が見られたら産卵間近だと判断することが出来ます。
産み落とされた卵は、放っておくと親に食べられてしまうので、確実に増やしたい場合は隔離する必要があります。
上記の行動から、産卵時期が分かりやすい魚なので、別水槽にペアを移して産卵が終わったら元いた水槽に戻すことで、確実に卵と親を隔離することが出来ます。
卵の孵化には早くて3日~4日、遅くて1週間前後かかります。
稚魚はしばらくすると積極的に餌を食べるので、粉末状のベビーフードやブラインシュリンプを与えて大きくなってから親と合流させましょう。
さいごに
鮮やかな黄色が美しく、ライトで明るく照らせば、まさに金色に輝く「黄金の熱帯魚」であるゴールデン・バルブ。
やや憶病な性格であることから、ある程度の数をまとめて飼育するのが望ましく、また複数で飼った方がこの魚の美しさを十分に楽しめるはずです。
個体差もありますが、少々気性が荒い面もありますので混泳には十分注意が必要ですが、本種だけで飼育しても十分楽しめるというくらい綺麗な熱帯魚です。
緑色が引き立つ水草水槽との色合いは抜群で、水草レイアウトに複数泳がせると本当に観賞価値の高い水槽が作れます。
また、色にアクセントが欲しいという場合は、紅色に染まるチェリー・バルブと混泳させると、これまた綺麗な水槽になりますよ。