フグと言えば「海水魚」と言うイメージが強いですが、実は淡水に生息する種類も存在し、アクアリウムで古くから親しまれている「淡水フグ」がいます。
その淡水フグの中でも、有名なのが「アベニーパファー」という超小型のフグです。
このアベニーパファーは、他のフグに比べて圧倒的に体長が小さいことから、飼育がしやすく見た目や動きも可愛らしく非常に人気の高いフグとなっています。
黄色の黒のマーブル模様を持ち、淡水ならではの水草レイアウトに良く合います。
ここでは、人気淡水フグであるアベニーパファーの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきたいと思います。
目次
アベニーパファーについて
アベニーパファーは、インドやスリランカに生息する淡水のフグで、世界で最も小型種のフグとして知られています。
色彩は黄色のボディに、黒色の模様が入りマーブル模様のようにも見えることから「マーブル・アベニーパファー」とも呼ばれます。
フグと言えば、怒ったときにプクーッと膨らむ姿をイメージする人も多いのではないでしょうか。
実際にアベニーパファーを複数匹で飼育していると、小競り合いで相手を威嚇するときに大きく膨れ上がる姿を見ることが出来ます。
怒らせると膨らみますが、かなりのストレスを与えてしまう原因となり、最悪の場合は死んでしまうことがあるので意図的に怒らせるのだけは絶対にやめましょう(汗
アベニーパファーの飼育データ
- 体長:最大で約3cm
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性
- 水温:22℃~25℃
- 寿命:3年ほど
- 参考価格:1匹あたり300円~400円くらい
アベニーパファーは、体長が最大で3cmほどにしかならない超小型の淡水フグなんですね。
水質は、幅広く対応できる能力があるので、いったん水槽の環境に馴染めば飼育が容易です。
気性は結構荒く、同種同士では頻繁に小競り合いをしたり、他の熱帯魚に対しても攻撃的です。
が、フグの仲間の中では、これでも気性が温和な方なんですね。。。
とは言っても、隠れる場所を多く確保すれば、ネオンテトラとかの小型カラシンや、水槽の低層を生活圏とするコリドラスなどと問題なく混泳が出来ます。
エビ類はフグにとって格好の餌食となりやすいですが、アベニーパファー自体がとても小さいので、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビであれば混泳が出来ます。
この場合も同様に、エビの隠れ家を多く作ってあげるようにしましょう。
ただ、アベニーパファーは噛みつく習性があるので、ヒレの長いエンゼルフィッシュとかグッピーとは混泳は避けるべきです。
まあ、他の熱帯魚に噛みつく恐れがある以上、単独での飼育が望ましいかもしれませんね。
アベニーパファーのかかりやすい病気
アベニーパファーは、導入して間もなくは白点病にかかりやすい傾向にあります。
白点病は、水温の急低下や低水温が原因で発症することがほとんどです。
購入してきて、自分の水槽に移すときは確実に水合わせを行うようにしましょう!
噛みつく癖のあるフグの驚異的「前歯」・・・
「フグは強靭な歯を持っている」と聞いたことはありませんか?
ピラニアは牙のような鋭い歯を持っていることで有名ですが、フグは爪切りのようなシャキシャキとした強い歯を持っているんですね。
中型~大型のフグでは、ヒーターとか水中に設置しているコードを噛んでしまい、これが故障の原因に繋がるほどです。
まあ、アベニーパファーは小型なのであまり気にする必要はないでしょう。
ただ、細いチューブやコードは設置場所を工夫する必要はあります。
このことから、前歯が長くなりすぎるのを防ぐ為に硬い貝類の餌を与えるようにします。
伸びすぎた場合は、ニッパーや爪切りで人の手で切ってあげる必要があります。
ちなみに、この歯は甲殻類の殻ですらバリバリと簡単に砕くことが出来るほど強力です。
アクアリウムでは、水草を導入したときにスネールが入り込んで大繁殖してしまう事ってありますよね。
このスネールはフグにとって大好物で、スネールの柔らかい殻なんて一瞬でかみ砕いて食べてしまいます。
アベニーパファーを飼育している水槽で、スネールが大繁殖して困るという事はまずないでしょう。
水草をかじってボロボロにしてしまうかも・・・
アベニーパファーは、水草をつついてボロボロにしてしまうことがあります。
これは決して食べているという理由ではなく、かじる習性からなんですね(汗
特に、柔らかい水草はアベニーパファーを飼育している水槽では不向きと言えるんですね。
ただし、適した水草も存在します。
むしろ、水草レイアウトで飼育すると色がよく映えて美しい熱帯魚なので、出来れば水草レイアウトでの飼育を楽しみたいですよね!?
ちなみに、水草を導入する場合は、葉の硬い「アヌビアス・ナナ」は超お勧め!
(画像がアヌビアス・ナナです。成長するとかなり大きな株になり、切り分けて増やすことも可能です)
アヌビアス・ナナは根が流木などに活着する性質があるので、流木と組み合わせることで高級感のあるレイアウトが作れます!
アベニーパファーの餌
アベニーパファーを飼育する場合、餌は生餌が必要不可欠になります。
生餌と言えばアカムシやイトメなんかが有名どころで、お勧めの餌でもあります。
冷凍アカムシを与えるのも良いでしょう。
また、クリルなどの人工飼料も慣れさせておくと、餌のバリエーションが増えて飼育しやすくなります。
ただ、最初は人工飼料にはなかなか餌付かない個体もいるので、徐々に慣れさせる必要性があります。
また、フグは貝類を好んで食べるんですね。
僕の経験上での話ですが、ラムズホーンという貝を増やして与えるのもお勧めです。
ラムズホーンは、雌雄同体なので2匹以上で飼育していれば大量繁殖します。
※弱アルカリ性の水質で飼育すればメチャクチャ増えます!
産卵ケースや別水槽など、隔離した場所でラムズホーンを飼育して、増やしながら与えていけば手間は少々かかりますがゼロコストで生餌を与え続けることが可能です。
また、なかなか餌付かないと拒食症になってしまうことがあるので、それの対策としても有効な手段だと思います。
アベニーパファーの繁殖
アベニーパファーは、水槽内での繁殖は比較的容易です。
オスとメスの見分け方ですが、オスは体表の黒模様がライン状として現れ、目の後ろにシワのようなものが出来ます。
メスは、背中に細かなスポット模様が現れ、オスに比べて黄色みが強いのが特徴です。
また、産卵間近になるとメスはお腹がパンパンに膨れてきます。
アベニーパファーは、ペアでも「これ大丈夫か・・・」というくらい激しいほどに喧嘩をすることで知られています。
その為、隠れ家は多めに作ってあげた方がいいでしょう。
卵は障害物の陰や水草の根元付近、水草本体などに、ばら撒くように産み落とされます。
卵は見つけ次第、すぐに回収して隔離した場所で孵化~稚魚の育成を行いましょう。
孵化した稚魚には、栄養たっぷりのブラインシュリンプを与えるの良いでしょう!
さいごに
小さくて可愛らしい超小型の淡水フグである「アベニーパファー」は、性質さえ理解していれば飼育も容易なので初心者で気軽に飼育が楽しめる熱帯魚です。
大きいフグも魅力的ですが、小さいフグもまたコロンコロンしていて可愛らしいですよ!
フグといえば淡水とか汽水ってイメージがありますが、アベニーパファーは純淡水での飼育が可能なフグなんですね。
海水だと水質管理が難しそうだけどフグを飼育してみたいという方には、是非お勧めの熱帯魚です!