熱帯魚の水槽を立ち上げ、観賞価値を高めるアイテムとして「流木」の存在は無くてはならないといっていいほど、有る無しでイメージがガラっと変わりますよね。
流木はショップに行けば様々な大きさ、形のものが売られていますし、しっかりと処理すれば拾ってきた流木をレイアウトに用いることも可能です。
そういえば、流木ってそのまま水槽にドボンと入れておくと、水槽水が黄ばんだり、茶色く色付いちゃいますよね。
しっかりと、アクを抜いたはずなのに、水槽水が着色されてしまったという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
ここで問題なのは、この茶色い「アク」って、熱帯魚にとって有毒なんじゃないかって気になると思います。
ここでは、流木から染み出るアクについてご説明していきます。
流木から出るアクの正体について
水槽に流木を入れておくだけで、観賞価値の高いレイアウトが作れますし、水草レイアウトで使用すると自然をそのまま再現したかのような幻想的な風景すら作れます。
特に、ウィローモスを活着させて、複雑でモッフモフのフッサフサの茂みを作る人は多いです。
この流木ですが、、、購入してきたものをいきなり水槽内に入れて使用すると、間もなくして水槽水が黄ばんできます。
水が少ない小さな水槽の場合は、濃い茶色に染まることもあります。
なので、基本的に流木は、黄ばんだり茶色くなる原因の「アク」を抜いてから使用します。
アクの抜き方は、下記リンクのページの中に書いてありますので是非ご覧ください!
アクは有害なのか?それとも・・・
「アクをしっかり抜いてから使用する」というのが一般的であるため、水槽水が黄ばんだり、茶色いく色付いてしまうと熱帯魚にとって毒なのではないか。。。と思う方も多いはずです。
しかし、結論から言いますと全くの「無害」です。
なので、しっかりアクを抜いたはずなのに水が色付いてしまっても慌てる心配はありません。
では、この黄ばみ~茶色い色素の正体は何なのかと言いますと、主に「タンニン」という腐植酸と呼ばれる成分なんですね。
腐植酸にはタンニンの他に、フルボ酸やフミン酸があります。
これらの成分には、実は熱帯魚を飼育する上でのメリットもあるんです。
この腐植酸には、水質を弱酸性の軟水にする効果があって、強力な抗菌作用があるんです。
つまり、弱酸性を好む熱帯魚の適した水質にする効果があるんですね。
実際に、自然界では枯れ葉や流木のから染み出る腐植酸によって、熱帯魚の好む水質が作られ、それを再現したようなものです。
この黄ばみ~茶色い水をブラックウォーターといって、葉や実を用いて強制的に作り出すアイテムも出回っています。
マジックリーフやヤシャブシの実などが有名です。
メリットがあっても色付くのは見た目が悪いかも・・・
流木から染み出るタンニンという成分には、実はメリットがあることを上記でお伝えしましたが、気になるのは、やはり「見た目」ですよね・・・。
水槽水が黄ばんだり、茶色くなってしまうのは、観賞価値を損なうことにも繋がります。
全くアク抜きをしないで入れると、かなりの量の腐植酸が放出されて、想像以上に茶色くなることがあるので注意が必要です。
薄っすらと茶色に色付く程度だと、シックな感じで自然感あふれる見た目にもできますが、こういったブラックウォーターを作る場合は、マジックリーフやヤシャブシの実を使用した方が賢明です。
なので、流木は使用前にしっかりとアク抜きをしてからの使用が望ましいです。
ちなみに、アク抜きの処置をしたにも関わらず、水が茶色くなってしまった場合は、放っておいても大丈夫です。
というのも、腐植酸は無限に出るわけではありませんので、出し切ったらすぐに透明な水に戻るでしょう。
すぐに茶色い色素を取り除きたいという場合は、活性炭を用いて吸着させる方法があります。
また、水草レイアウトで使用するソイルの中にも、流木から出るアクを吸着させる性質を持つものが存在します。
流木を多く使用する場合は、低床にソイルを使用するのは是非オススメです。
最強のアク抜き方法は茹でる!
まだ水槽に入れる前に、完全にアクを抜きたいという場合は、流木を鍋にいれて茹でると、ほぼ完璧に短時間でアク抜きが完了します。
ただ、この方法は流木が小さいサイズなら大丈夫ですけど、大きいサイズだと鍋に入らなくて使えない場合がありますよね。。。
そんな時は、大きめのバケツを使用するか、それでも入らない時はお風呂に水を張って、アク抜きパウダー(などのアイテム)を用いて完璧にアクを除去してしまおう!
そうすれば、水が着色される心配はないはず。。。です。
まあ、流木から出る黄ばみや茶色い着色は、無害で、むしろ魚にとってはメリットが多いものだということは知っておいて損は無いですね。