水槽のスカベンジャー(掃除屋)とも呼ばれる「コリドラス」という熱帯魚は、アクアリウムをやっている人なら誰もが聞いたことのある種類の魚だと思います。
一言でコリドラスと言っても、口が短いショートノーズタイプだったり、長いロングノーズなど種類が多く存在しますし、それぞれの種類で独特で特徴の模様や色彩を持っています。
中には、真っ白なアルビノコリドラス(通称:白コリ)は、どこの熱帯魚ショップでも見ることが出来るので人気が高く、古くから親しまれているコリドラスです。
・・・では、逆に真っ黒なコリドラスって見たことありますか??
実は、全身まっ黒の闇属性なんじゃないかってくらい漆黒カラーのコリドラスも存在します。
マニアの中ではかなりの人気がある、その名は「コリドラス・ベネズエラブラック」です。
ここでは、このコリドラス・ベネズエラブラックの飼育法や注意点などについてご説明していきたいと思います。
目次
コリドラス・ベネズエラブラック
コリドラス・ベネズエラブラックは、名前に「ブラック」とあるように、全身クロ一色のコリドラスで、1990年代にドイツで作出されました。
当初は、コリドラス・ベネズエラオレンジという種類の突然変異個体だと言われていましたが、実際は全く関係なかったことが分かっています。
なので、名前のベネズエラは名残のようなもので、実際にはどの種類が元になったかは不明なんですね。
コリドラス・ベネズエラブラックの特徴は、その漆黒ともいうべき色彩、そして他のコリドラスとはちょっと違った風貌をしています。
体形はアエネウス系なんですが、真っ黒の色彩が他のコリとはちょっと違ったように見せているのかもしれません。。。
他には無いような特徴を持っていることから、コリドラス好きの間ではかなりの人気を誇る種類でもあるんです。
コリドラス・ベネズエラブラックの飼育データ
- 体長:5cm程度
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~27℃
- 寿命:5年~
コリドラス・ベネズエラブラックは、体長が最大で5cm程度の小型の熱帯魚です。
性格は非常に温和で大人しく、同サイズの熱帯魚であれば問題なく混泳が楽しめますし、コリドラス・ベネズエラブラックだけで飼育するのも面白そうですよね。
ただ、大人しいと通り越して憶病な性格でもあるので、混泳させるときはしっかりと餌が行きわたっているかを確認してあげる必要があります。
また、同サイズ程度でも気性の荒い熱帯魚と一緒にしてしまうと、一方的にイジメられる恐れもあります。
いわゆるフルボッコ状態ですね(汗
混泳させる魚も性格が温和onlyで統一しましょう!
導入時の痩せすぎに注意を!
コリドラス・ベネズエラブラックは、非常に小さい個体が輸入されてくることが多いと言います。
餌をしっかりと食べていないことがあって、お腹がボッコリと凹んでしまうようなこともあるんですね。
なので、購入するときはお腹が凹んでいない個体を選ぶ必要があるのと、導入してからしばらくは餌をしっかりと食べているかを確認したほうが安心だと言われます。
餌は基本的に何でも食べてくれますが、栄養価の高い冷凍アカムシや、食べやすいイトメなんかがお勧め!
早い段階で、人工飼料にもしっかりと慣れさせておきましょう!
水質に敏感な熱帯魚でもある!?
コリドラス・ベネズエラブラックは、基本的に丈夫で飼育のしやすい熱帯魚ですが、小さいうちは水質の変化に敏感なところがあります。
特に導入時は注意が必要で、水質が急変してしまうとショック症状を引き起こすことがあります。
それを避けるために、しっかりと水合わせを行った後、水槽に移すという手順を踏みましょう!
キメ細かな砂で飼育するのが面白い!
コリドラスは、低床の汚れが原因で最大の特徴ともいえるヒゲや口が溶けたようになる特有の病気があるんですね。
なので、低床は常にクリーンに保つ必要があります。
低床掃除にはプロホースという神アイテムを!
また、大きめの砂(ソイルとか)は、間にゴミが挟まりやすいので、キメ細かな砂のほうが掃除がしやすく飼育自体がしやすいかもしれません。
キメ細かな砂を利用することで、砂を巻き上げながら餌を探す行動などが見られるので、見ていても楽しいです。
こんな真っ白な砂を敷いた水槽で、コリドラス・ベネズエラブラックを飼育するのも面白いですよ!
コリドラス・ベネズエラブラックの繁殖
コリドラス・ベネズエラブラックは水槽内繁殖が可能です。
オスとメスの判別ですが、コリドラスは腹ビレの形状で簡単に判別が出来ます。
メスは綺麗な扇型で丸っぽい形となり、オスは細長い形状をしています。
繁殖を確実に狙うときは、オス2匹に対しメス3匹を繁殖用水槽に移します。
オスがメスを追いかけまわすような行動が見られたら繁殖間近だと判断が出来ます。
コリドラスの繁殖はTポジションといって、オスの腹部にメスが口を当てる行動(Tの字に見えるのでTポジション!)が見られればいよいよ産卵時期です!
この繁殖形態はコリドラス特有なので、一見の価値ありですよ!
卵は水草や流木、水槽のガラス面といたるところに産み付けられます。
卵を確認したら、食べられないように回収するのが望ましいです。
別容器に移して、しっかりとエアレーションをかけておけば、やがて孵化します。
稚魚は、当初はヨークサック(お腹にくっ付いてる栄養素)から養分を摂取し、それが無くなると餌を食べ始めます。
稚魚には栄養素たっぷりのブラインシュリンプがお勧めです!
さいごに
漆黒カラーのコリドラス・ベネズエラブラックは、低床に明るい砂を敷くとかなり目立って存在感ハンパないです!
黒はシックで落ち着いたカラーでもあるので、混泳魚としても最適ですし、これ1種類だけで飼育するのも良いですよね。
ちょっと変わったコリドラスが欲しいという方は、是非コリドラス・ベネズエラブラックをチェックしてみてくださいね!