低層を泳ぐ熱帯魚として、そして低床に落ちた食べ残しを綺麗にしてくれる掃除屋(スカベンジャー)としても人気のコリドラス。
その中でも、パンダのような可愛らしい模様を持つ「コリドラス・パンダ」は、この種の中でも特に人気が高いです。
コリドラス・パンダだけを専門に飼育するマニアも少なくないと聞きます。
混泳魚としても最適な種で、低層に可愛らしい熱帯魚を置きたいという人にはうってつけの存在となります。
ここでは、コリドラス・パンダの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます。
コリドラス・パンダについて
コリドラス・パンダは、ペルーに生息する熱帯魚で、ナマズの仲間なんですね。
特徴としては、白っぽい~ベージュ色のボディに、目の部分に黒いバンド(線)が入っていますよね。
この見た目が「パンダ」に似ていることから、この名前が由来しているんですね。
また、尾びれにも黒のスポット模様が入るもの、コリドラス・パンダの特徴となります。
水質に若干ではありますが、デリケートな部分があることで知られ、若いコリドラス・パンダほど水質の変化に弱い傾向にあります。
その為、導入時はしっかりと時間をかけた「水合わせ」が望ましいといえます。
ただ、いったん水槽内の水質や環境になれてしまえば、飼育は比較的容易とされているので、初心者でも気軽に飼育することができます。
コリドラス・パンダの飼育データ
- 体長:最大5cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:20℃~27℃
- 寿命:3年~5年
コリドラス・パンダは、体長が最大で5cmといった小型の熱帯魚です。
性格が非常に温和で、他の同じくらいのサイズの熱帯魚との混泳も気軽に楽しむことが出来ます。
動物でもパンダは非常に人気があるように、そのパンダのような模様を持つコリドラス・パンダも人気が高く、女性からの支持も絶大です!
ナマズの仲間だけあって、口に付いた小さなヒゲがとても愛嬌があります。
ちなみに、コリドラス・パンダは口が短くて小さい「ショートノーズ」に分類されるコリドラスとなります。
コリドラス・パンダは導入時が要注意です!
上記でも書きましたが、コリドラス・パンダは水質の変化に弱く、いきなり異なる水質に入れるとショックを引き起こして死んでしまったり、病気を発症させたりと、なかなか難しい部分のある熱帯魚なんですね。
水質は、弱酸性~中性を保っていれば大丈夫で、導入時は時間をかけて水合わせとすることで、問題なく飼育が出来るでしょう。
導入直後は、コリドラス・パンダに変わったことや、異常が見られないかを観察するようにするといいですね。
導入して、1週間経って元気に泳いでいれば問題ないと思っていいでしょう。
コリドラス専用の低床がオススメ
コリドラス・パンダに限らず、ほとんどのコリドラスは砂利に口を突っ込むようにして餌を探す習性があるんですね。
細かな砂だと、砂を勢いよく巻き上げながら探し回る姿が観察できます。
この習性から、傷がつかないように角のないようなもの、そして細かいものが理想といえます。
まず、角が無いものといえば「ソイル」があります。
ソイルは水草水槽に好んで使用される低床で、水質を強制的に弱酸性に傾ける性質があります。
この性質は水質に敏感なコリドラス・パンダにとって理想的アイテムとなりますが、ソイルは砂利のように半永久的に使用できるものではありません。
時間が経つにつれ、効果が薄れてきますし、ソイル自体が崩れてしまうので1年~長くても2年で交換が必要となります。
また、「細かい方が良い」というのは、低床が汚れていると口やヒゲが溶けてしまうという特有の病気にかかることがあります。
ソイルを使用するときは出来るだけ細かいタイプのものが望ましく、他にもコリドラス専用の低床もあるので、そういったものを使用することをお勧めします。
低床を掃除するときは、プロホース1本あれば簡単に掃除が出来るので、絶対に持っておいた方が良いですよ!
憶病な魚なので隠れ家も作ってあげよう
コリドラス・パンダは、非常に憶病な性格でもあります。
その為、複数導入すると群れを作って行動するので、単一で飼うより複数で飼ってあげた方が、コリドラス・パンダ自身が安心して生活できるはずです。
種によっては、単一で飼うと寿命が短命で、複数で飼うと寿命が長くなるというものもいます。
コリドラス・パンダのような憶病な魚も、こういう面は無いとは言い切れません。
また、土管や流木、水草を茂らせる(水草レイアウト)など、隠れる場所をしっかりと確保してあげるのが理想です。
ただし、コリドラスの事故で多いのが狭い部分に挟まってしまって抜け出せなくなることがあるので、置物の幅には注意をし、流木など角ばった所、尖った部分があるものは水槽内に入れない方が無難です。
コリドラス・パンダの繁殖
コリドラス・パンダは、水槽内で容易に繁殖して増やすことが出来ます。
ブリード個体(養殖)と、ワイルド個体(現地採取)では、成熟するスピードが段違いで、ブリード個体だと約1年で繁殖するまでに成長し、ワイルド個体では5年近くかかるものもいるといいます。
なので、最初から増やすことを念頭に飼うのであれば「ブリード個体」を購入するといいでしょう。
ブリード個体は大量に養殖されたものが入ってくるので、ワイルド個体に比べて安価です。
オスとメスの判別方法は、成熟した個体であればある程度は見た目で判断が付きます。
メスは、抱卵するためお腹が膨れてきます。
オスは、メスに比べてスマートな体が特徴です。
メスの個体が多い方が繁殖に成功しやすく、オス2匹に対しメス3~4匹で飼育するといいでしょう。
産卵時は、コリドラス特有の「Tポジション」という面白い産卵行動が見られます。
卵は水草や、水槽のガラス面に産み付けられます。
そのまま放置しておくと食べられてしまう恐れがあるので、回収して安全な場所に移してやるといいですね。
卵は3日ほどで孵化しますが、稚魚は特に水質の悪化に弱いので、水質の変化には気を付けるよう注意しなくてはいけません。
さいごに
飼育が難しいと言われることもあるコリドラス・パンダですが、それは水質に敏感であるが故に、そういわれている部分が強いと感じます。
実際に飼育していると、それほど飼育が難しい種ではありませんし、むしろ初心者でも容易に飼育ができる熱帯魚であると断言できます。
ただし、導入時には水合わせをしっかりし、水質は弱酸性~中性の間を保つことを常に心がけるようにしなくてはいけません。
飼育に馴れてきたら、繁殖にチャレンジするのもいいかもしれませんね。