水槽の掃除屋として有名なコリドラスには実に多くの種類が存在し、コリドラスだけをメインに飼育するファンも少なくありません。
当然、種類によって体長も異なり、大きくなるもの、大人になっても小さいものなど様々です。
「できれば小さい種類のコリドラスを導入したい」と考えている方もいるはずです。
という訳で、ここでは、小さいを通り越し「超小型」のコリドラスである「コリドラス・ハステータス」をご紹介していきます。
とにかく小さいコリドラスが欲しいという方は、是非チェックしてみてくださいね。
目次
コリドラス・ハステータスについて
コリドラス・ハステータスは、ブラジルのパラグアイ川に生息しています。
数多くいるコリドラスの中で、「コリドラス・ピグミー」と並んで最も小さい種類となります。
コリドラス・ハステータスは、透明感のある美しいをしているんですね。
そして、尾びれの付け根にある大きな黒のスポットと、その上下にある白のスポット模様が特徴です。
また、コリドラス特有の小さな「ヒゲ」が、ちょこんと生えていて、とても愛嬌のある顔をしています。
コリドラス・ハステータスの飼育データ
- 体長:最大で3cm程度
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~27℃
- 寿命:2年ほど
コリドラス・ハステータスは最大で3cmまでしか成長しない超小型の、いわゆる「ミニコリ」と呼ばれるコリドラスです。
性格が非常に温和なので、同サイズの熱帯魚であれば問題なく混泳が楽しめます。
ハステータス・カラシンと瓜二つの姿
(画像:ハステータス・カラシン)
コリドラス・ハステータスと、非常によく似ている種類の熱帯魚で、ハステータス・カラシンがいます。
生息地では、実際にこの2種類が一緒に泳いでいることでも知られ、輸入されてくるときに、2種類が混ざって入ってくることも多々あるそうです。
ハステータス・カラシンも同様に3cm程度にしかならない小型の熱帯魚で、性格も温和です。
そして、両者とも複数泳がせると群れを作って行動します。
水草を茂らせたようなレイアウトに、この両者を混泳させて、現地(生息地)を再現するのも面白そうですね。
コリドラス・ハステータスは中層を泳ぐ
コリドラスといえば、低層を生活圏とし、特に砂利などをほじくるようにして餌を食べるような姿を想像しますよね。
そのため、水槽のスカベンジャー(掃除屋)なんて呼ばれているのですが、コリドラス・ハステータスは低層だけじゃなく、中層付近も泳いでいることが多いです。
むしろ、あまり砂利をほじくるような動作をすることは無いんですね。
コリドラスには特有の病気があり、砂利が汚れているとヒゲが溶けてしまうことがあるのですが、コリドラス・ハステータスは、砂利をほじくることが少ない分、この病気にかかるリスクは低いといわれています。
とはいっても、コリドラスであることに違いはありませんので、砂利をほじくって餌を探すときも、もちろんあります。
コリドラス・ハステータスをメインで飼育するときは、コリドラス専用の砂を用いるのもいいでしょう。
水草レイアウトでは、ソイルを使用することが多いと思いますが、ソイルとソイルの間にゴミが溜まらないようプロホースで常に綺麗にするよう心がけましょう。
生活圏が低層~中層となるので、砂利の上だけじゃなく、水草レイアウトに導入すれば、葉の上にちょこんと乗っかっていたり、いたるところで休んでいる姿が見られます。
普通のコリドラスとは生活スタイルが異なるのも、コリドラス・ハステータスの魅力の一つと言えるんですね。
導入時に注意したいこと
コリドラス・ハステータスは導入時の水質や水温の急変かに敏感な面があるように思います。
なので、水槽内に入れる前に「水合わせ」はしっかり行うようにしましょう。
また、コリドラス・ハステータスは、憶病な面もあります。
なので、導入するときは1,2匹だと、ほとんど姿を見せないことがあるので、10匹、20匹といった感じで複数匹入れてあげるのが望ましいです。
水槽内には、コリドラス・ハステータスが身を隠せるような、流木や土管などを設置し、安心できる場所の確保をしてあげると尚良いです。
水草を茂らせた水槽であれば、自然と身を隠せる場所が沢山出来ますし、コリドラス・ハステータスの美しい姿が映えるのでお勧めです。
コリドラス・ハステータスの繁殖
コリドラス・ハステータスは超小型であるが故、寿命も他のコリドラスより短いんですね。
ただし、成熟が早く繁殖によって種を繋げることが可能です。
水槽内での繁殖も容易で、複数飼育している水槽では、気が付いたら稚魚がいたといったように自然繁殖で増やせるほどです。
繁殖期に入ると、オスがメスをしきりに追いかけるようになります。
複数で飼育していると、この行動から水槽内が騒がしくなるので、繁殖時期はある程度判断できます。
産卵時には、オスの腹部にメスの口を当ててアルファベットのTの字になる、「Tポジション」という面白い産卵形態が見られます。
体長の割に、大きめの卵を産むことで知られ、卵は粘着性が強く、水槽のガラス面や水草の葉の部分などに産み付けられます。
大きい卵であることから発見が容易なので、確実に増やしたい場合は、卵を回収して孵化させるといいでしょう。
粘着性があるので、ガラス面に産み付けられた卵は定規などをスクレイパー代わりにして、削ぎ落すように卵を切り離します。
卵は5日ほどで孵化するので、栄養価の高いプラインシュリンプをメインに与えるといいですよ。
さいごに
コリドラス・ハステータスは、超小型の熱帯魚なので、「とにかく小さいコリが欲しい」という方には、うってつけの存在と言えるのではないでしょうか。
生活圏も低層にとどまらずに、中層を泳ぐことも多いことから、他のコリドラスとはちょっと違った生態が見られるのも面白い所でもあります。
性格が温和なため、他の熱帯魚との混泳にも適しています。
同じくらいの大きさである、ネオンテトラやカージナルテトラのような色鮮やかな魚と混泳させるのもいいですし、瓜二つの姿であるハステータス・カラシンと混泳させるのもお勧めです。
また、水草レイアウトで複数のコリドラス・ハステータスだけを飼育して、繁殖も狙ってみるのもいいかもしれませんね。