水草育成には「二酸化炭素の添加」が必要不可欠です。
なぜなら、植物は物を食べない代わりに「光合成」を行うことによって自ら栄養分を作って成長するからです。
そしてその光合成をするために二酸化炭素が必要となります。
水草の中には二酸化炭素を添加しなくても育つ種類もありますが、添加が必要不可欠なものも多く存在します。
通常、二酸化炭素は「添加器具」を用いて水中に溶け込ませます。
しかし、そういった器具が特になくても二酸化炭素を供給することは可能でもあるんです。
二酸化炭素「添加」の表記
ショップなどで水草を購入するときに良く見る表記で「二酸化炭素の添加が必須」などがあります。
これは、この水草を育てるには二酸化炭素を供給する必要があるということを表しています。
早い話、これは専用の二酸化炭素添加器具を購入して設置することで問題なく水草を育成できます。
この表記の「添加」という文字を見ると、必ず二酸化炭素添加器具が必要だと認識してしまいがちですが、実のところそうでもありません。
正しくは、何らかの方法で二酸化炭素を供給できればいいのです。
つまり、二酸化炭素は必要だけど、二酸化炭素添加器具は必ずしも必要という訳ではありません。
そもそもこういった表記は、ショップが「水草+添加器具」を一緒に購入していただくための販売文句としてよく使用されます。
まあ、利益を上げなくてはショップは成り立ちませんから当然と言えば当然です。
それに、二酸化炭素添加器具を使用することのメリットはかなり大きいものがあります。
僕自身も、水草レイアウトには二酸化炭素添加器具の利用を強く勧めます。
ただ、二酸化炭素添加器具って結構高いんですよね。
そこまで本格的じゃないからあまり高価なものは手を出しづらいという人もいるかもしれません。
安いタイプの添加器具を使うっていう手もありますが、もっと手っ取り早く、かつ添加器具も何も使用しないでも二酸化炭素は供給できます。
毎日水換えを行う
手っ取り早く二酸化炭素を供給する方法は、「毎日水換えを行う」事です。
「なんで水換え?」
そう思う人も多いかもしれませんが、実は水道水の中には酸素も二酸化炭素も豊富に含まれているんです。
使用する水は、あくまでも「水道水」じゃなくてはいけません。
水道水に二酸化炭素が多い理由は、水圧の影響で気体成分が水中に溶け込むからです。
水道管には常に数気圧(約2~6気圧の間)掛けらているといいます。
圧を掛けることで「気体成分」が水中に溶け込むため、二酸化炭素だけじゃなく、酸素も窒素も多く含まれているんです。
二酸化炭素は「発散しやすい」、つまり空気中に逃げやすいという性質があります。
炭酸飲料のペットボトルと勢いよく振って、キャップを開けると大量の炭酸が失われますよね。
それと同じようなイメージと考えれば分かりやすいかと思います。
なので、勢いよくジャバジャバとバケツに水道水を出すと、多量の二酸化炭素が逃げてしまう恐れがあるので、できるだけ静かに汲んだ方が良いとされています。
カルキ抜きで塩素中和剤を投入するときも、できるだけ静かに混ぜた方が無難でしょう。
そういえば、バケツに水を汲んで置いておくと、たちまち気泡がたくさんくっ付いているのを見たことがある人も多いはずです。
これは、水道水の中に含まれる気体成分が、気泡となって現れているからなんですね。
基本的に水道水には大量の二酸化炭素が含まれるので、二酸化炭素添加器具が無くても、水換えを行うだけで十分な量の二酸化炭素を供給することは可能なのです。
1度の水換えで3分の1も変えれば十分供給ができるでしょう。
水換えをしてすぐに、水草にびっしりと気泡が付いている姿が見れます。
これは、光合成をして気泡を出していることもあると思いますが、水中に含まれる気体成分が気泡として現れているだけということもあるので、水を投入してすぐに見られる気泡は、必ずしも光合成によるものではありません。
でも、水草が気泡を出している姿は何度見ても綺麗で飽きないです。
毎日の水換えを楽しく行えるという方は、水換えでの二酸化炭素供給という手もあります。
ただし、二酸化炭素は発散することはあっても、濃度が増えるということはないので水換えしてからは二酸化炭素濃度が下がる一方なので、この方法では限度があります。
もし、水換えでは育成がうまくいかなかったり、本格的な水草レイアウトをされる方は、やはり二酸化炭素の添加器具をメインに使用するといいでしょう。