小さな熱帯魚や生まれたばかりの稚魚に与える「生餌」として重宝されるブラインシュリンプ。
ブラインシュリンプは、卵の状態で販売されているので、これを購入して自分で孵化させてから魚たちに与えます。
ブラインシュリンプを孵化させるには、容器に塩水を入れてエアレーションをする必要があります。
大量に孵化するブラインシュリンプたちは、酸素濃度が低いと死んでしまうのでエアレーションは必要不可欠ということになります。
しかし、やり方によってはエアレーションしなくても孵化させる方法があります。
ここでは、エアレーションなしでブランシュリンプを孵化させる方法をご紹介いたします。
目次
ブラインシュリンプの通常の孵化方法
ブラインシュリンプを孵化させるには、卵を入れる専用の容器(ペットボトルでの代用も可能)、塩水、エアーストーンが必要となります。
一度に大量に孵化させることになるので、溶存酸素が少ないと酸欠で死んでしまいます。
そのため、エアレーションは欠かせません。
しかし、やり方次第では欠かせないはずのエアレーションなしでも問題なく孵化させることもできます。
この時に重要なのが、溶存酸素量です。
酸素を効率よく取り込むことが出来る状態であれば、エアレーションしなくてもいいということになるんですね。
「エアレーションしなくて酸素って取り込めるの?」と思うかもしれませんが、エアレーションと溶存酸素の関係をまとめた記事がありますので、是非ご覧になってみてください。
エアレーションなしの「皿式」孵化方法のやり方
エアレーションなしでブラインシュリンプを孵化させる方法を、通称「皿式」といいます。
方法は簡単で、カップなどを用いて「薄く」水を張るだけなんですね。
最初に塩水を作ろう
皿式では、水を薄く張るだけしか使用しないので、ペットボトルにあらかじめ塩水を作っておくと便利です。
次以降にブラインシュリンプを孵化させたいというときに、そのままペットボトルの塩水を使えますからね。
使う塩は、スーパーに売っているもので大丈夫です。
塩の濃度は、購入したブラインシュリンプの説明書に従って作ります。
僕が購入したブラインシュリンプは、水500mlに対して塩が10gでした。
なので500mlのペットボトルに水を入れ、そこに塩10グラムを入れるだけで、その商品に適した濃度の塩水が簡単に作れますね。
余った塩水は次以降に使えるので多めに作っておくと便利です。
塩水を薄く張る程度に入れる
皿式でブラインシュリンプを孵化させる最大のポイントが「水を薄く張る」ということです。
水深は、1cmほどを目安にしてください。
水は常に空気中の酸素を取り入れています。
つまり、エアレーションしなくても水面付近の溶存酸素は多いんですね。
水を多めに入れると、水面付近の溶存酸素は多いのですが、下方の酸素量は低い状態となります。
そこで、薄く水を張ることで全体的に溶存酸素が高い状態を維持することが出来るという訳なんです。
空気に当たる面が多ければ多いほど、効率よく溶存酸素を取り込めます。
少しだけ孵化させたいというときは、画像のような小さなカップでいいのですが、多めに孵化させるときはスーパーでよく見る透明の「フードパック」等を用いるといいでしょう。
ステンレス製の角バットなんかも使い勝手がいいですよ。
卵を投入する
海水を入れたカップに卵を投入します。
ちなみに、ブラインシュリンプの卵を先に入れてから、塩水を入れるとフチに付く卵の量を減らすことが出来るらしいです(未実証)
暖かい場所に置くのがベスト
あとは暖かい場所において孵化するのを待つだけです。
通常、ブラインシュリンプは25℃の水温だと24時間で孵化します。
それよりも水温が高ければ高いほど孵化するまでの時間は早く、逆に水温が低いと孵化するまで時間がかかります。
ですが、皿式では温度にも注意しなくてはいけません。
溶存酸素量は水温が高くなればなるほど低下します。
なので、高水温になる夏場などは注意が必要なんですね。
基本的に暖かいときは置き場所は問題ないでしょう。
若干、水温の影響を受けるガラス蓋の上なんかに置いておくのも水温維持に効果的かもしれません。
冬場は温度が低下するので、水槽の水の上に浮かべておくことで簡単に水温管理が出来ます。
ただし、安定感のないカップなどはひっくり返る恐れがあるので注意してくださいね。
後は、孵化するのを待つだけです。
ブラインシュリンプ「皿式」孵化方法まとめ
- 水を薄く張る(水深1cm程度)
- 卵を多く入れすぎない
- 多めに孵化させるときは水面空気の触れる面が多い容器を使用
- 高水温に注意(酸欠の恐れ)
手軽にブラインシュリンプを孵化させる方法として「皿式」は、かなり有効な手段です。
特に少量だけ与えたいという場合には、皿式の方が作業が断然ラクになります。
多めに孵化させるときは、大きな容器でエアレーションして孵化させる、少量の時は皿式で・・・という風に使い分けるのもいいですね。