アクアリウムで飼育する魚で、「小型熱帯魚」と聞くと、どのくらいのサイズをイメージするでしょうか。
例えば、小型カラシン科で有名なネオンテトラだと、体長が最大で4cmほどなので、恐らくはこのくらいのサイズを想像する方が多いのではないでしょうか。
実は、普通に飼育できる熱帯魚の中には、さらに小さい種も探せば結構いるんですね。
ここでご紹介したい小型、いや超小型の熱帯魚「ボララス・ウロフタルモイデス」は、なんと体長が最大で2cmほどまでしか成長しない種なんです!
ネオンテトラの半分のサイズですよ!
極小サイズではありますが、ボララス・ウロフタルモイデスの色彩はとても美しく、群泳させるとさらに美しさが引き立ちます。
とにかく小型の熱帯魚を探しているという方には、お勧めの種です!
ここでは、ボララス・ウロフタルモイデスの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます。
ボララス・ウロフタルモイデスについて
ボララス・ウロフタルモイデスは、タイやベトナムなど東南アジアに生息するボララスの仲間です。
「ボララス?」「ラスボラ?」と、初めて見る方は、良く混合してしまいがちな名前ですが、もともとはラスボラ属の熱帯魚なんですね。
このラスボラ属というのは、かなり前に細かく細分化されており、その一つにボララス属があるといった感じです。
ラスボラ属も今ではトリゴノスティグマ属に名前が変更されていますが、旧名のラスボラの方で呼ばれることの方が圧倒的に多いのが現状なんですね。
ラスボラ・ヘテロモルファという、かなり有名な種がいます。
まあ、ボララス・ウロフタルモイデスは、その名の通りボララスに属する熱帯魚ですが、ラスボラの仲間でもあるんですね。
ボララス属はとにかく小さい種が多いです。
ボララス・ブリジッタエという、体長が1.5cmほどの本種よりもさらに小型種がいるくらいですから。。。
しかし、その色彩はどれも色鮮やかで綺麗なのがボララスの魅力です。
ボララス・ウロフタルモイデスは、鮮やかなオレンジのラインと、ブルーグリーンに輝くラインがよく映えます。
複数で群泳させると、この美しい色彩がたくさん輝くので、同種を複数泳がせるような種として向いています。
ボララス属は、オレンジ~赤系の発色が綺麗なものばかりなので、この色彩の小型熱帯魚を探している方は、他のボララス属も是非チェックしてみてくださいね!
ちなみに、ボララス・ウロフタルモイデス以外で、僕のお勧めは、、、ブリジッタエとマキュラータです!
ボララス・ウロフタルモイデスの飼育データ
- 体長:2cm
- 水温:20℃~28℃
- 水質:弱酸性~中性
- 寿命:2年~3年ほど
- 参考価格:1匹あたり150円前後
ボララス・ウロフタルモイデスは、体長が最大で2cmまでしか成長しない、超極小の熱帯魚です。
温和で混泳向きですが、ボララス・ウロフタルモイデスのあまりの小ささに、大きい種と混泳すると食べられてしまう恐れもあるので、同サイズ程度の熱帯魚との混泳が望ましいです。
同属のボララス同士で混泳さるとオレンジ~赤系が映える水槽となり綺麗です。
特に水草レイアウトで群泳させると、緑と赤系の組み合わせがとても綺麗ですよ!
低層には小型の「チビコリ」達がお勧めです。
弱酸性での飼育が望ましい!
ボララス・ウロフタルモイデスは、とても丈夫で飼育のしやすい熱帯魚です。
その為、初心者でも容易に飼育が楽しめる種なんですね。
ただ、水質は弱酸性を好む熱帯魚で、弱酸性でじっくりと飼い込むことで、より美しい発色が引き出される種でもあるんですね。
まあ、基本的に水質はアルカリ性の方へ傾くという事はほとんど無いと思うので、それほど気にしなくても良いですが、水質を完全なる弱アルカリ性へ傾けてしまう「サンゴ砂」の使用はNGです。
他にも、レイアウトで用いる大きめの石なんかは、ミネラル分が溶け出して水質を弱アルカリ性に傾ける性質がありますが、これはあまり気にする程でも無いかと。
逆に、水質を弱酸性に傾ける性質のあるものも結構あります。
例えば、レイアウトに使用する流木なんかは、タンニンとかフミン酸のような物質が溶け出し、水質を弱酸性に傾けたりします。(当然、生体には無害)
また、水草レイアウトで用いられる低床の「ソイル」は、強制的に弱酸性に傾ける性質があるので、ボララス・ウロフタルモイデスにはお勧めです。
低床の砂利やソイルを掃除するときは、プロホースという超便利アイテムがお勧めです。
低床の中に入り込んだ汚れも簡単に吸い上げることが出来るので、絶対に持っておいて損はないです!
ボララス・ウロフタルモイデスの餌について
人工飼料や生餌まで、基本的になんでも食べてくれます。
なので、人工飼料をメインに与えていれば問題はありませんが、たまには嗜好性のいい生餌も食べさせてあげたいところです。
冷凍アカムシは、ボララス・ウロフタルモイデスには大きすぎて口からピヨ~ンと飛び出た状態になってしまい、なかなか食べきれないことが多いので、ブラインシュリンプなどの小さいものを与えるのが望ましいです。
さいごに
数十匹という複数匹で群泳させれば、まるで宝石を散りばめたかのような光景さえ連想させてくれるような美しのある「ボララス・ウロフタルモイデス」。
この綺麗なオレンジをより映えさせるには、やはり水草をたくさん茂らせた「水草レイアウト」で飼育するのがお勧めです。
とにかく「小さすぎる」というくらい極小サイズの熱帯魚が欲しいという方には、ボララス・ウロフタルモイデスはお勧めの存在と言えるでしょう!