黒色のカッコいい小型カラシン「ブラックエンペラー・テトラ」をご存知でしょうか。
人気魚のネオンテトラをはじめとするカラシン科には、美しい色彩のものが多数存在し、性格が温和な種類が多く、色んな種類のカラシンを混泳させると非常に美しいアクアリウムが楽しめますよね!
一見すると地味だと思われがちの「黒」ですが、ブラックカラーの熱帯魚は実際に見るとカッコいいものが多く、存在感がものメチャクチャあるんですね。
明るい色彩の熱帯魚の中を優々と、まるで皇帝の如く泳ぐようなハンパない存在感。。。
黒色の熱帯魚にはそんな魅力があるんすね!
という訳で、、、ここでは、ブラックエンペラー・テトラの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます。
ブラックエンペラー・テトラ
ブラックエンペラー・テトラは、「エンペラー・テトラ」の改良品種で、原種はコロンビアのサンジャン川、アトラト川などに生息する小型のカラシン科の熱帯魚です。
厳密に言うと、カラシン目カラシン科ネマトブリコン(Nematobrycon)属の仲間で、このネマトブリコンに属する魚は、ブラックエンペラー・テトラとレインボー・テトラの2種しか存在しない、実は激レアな存在なんですね。
やや体高があり、お腹からお尻まで続く長い尻ビレ、尾びれの真ん中が伸長するフォーク状をした独特でカッコいい形状など、存在感タップリで他のカラシン科には無いような魅力的な姿をしています。
全体的に真っ黒ボディをしていますが、その中でも目は鮮やかなブルーに輝き、これも美しいです。
繁殖期で発情すると、オスだけではありますが各ヒレの端が黄色に染まって、ブラック×イエローの美しい姿になります。
それに鮮やかなブルーの目が映えるので、実は黒以外の美しい色彩も楽しめる熱帯魚だったりするんですね。
※ちなみに、全身ブラックの個体もいれば、頭部などの一部分に鮮やかなブルー(原種譲り)が残っている個体もいます。
ブラックエンペラー・テトラの飼育データ
- 体長:5cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~26℃(23℃~24℃くらいを好む)
- 寿命:2年~3年ほど
- 参考価格:1匹あたり300円~400円
ブラックエンペラー・テトラは、体長が最大で5cmほどの小型の熱帯魚です。
テリトリーを持つ習性があって、縄張り意識が強い熱帯魚です。
特に、オスは縄張り意識が強く同種同士で頻繁に小競り合いをすることがあります。
その為、隠れる場所の多い水草をいっぱい茂らせているような水槽での飼育が望ましいです。
オス同士では各ヒレを広げて自分を大きく見せる「フィンスプレッディング」で争い、この時の姿は非常に美しいものがあります。
基本的に、同サイズ程度であれば他の熱帯魚との混泳も可能です。
縄張り意識の強さにも個体差があるので、混泳後しばらくは様子を見るようにし、他の熱帯魚を執拗に追いかけまわすような個体がいる場合は、その個体は隔離した方が無難でしょう。。。
ちなみに僕は以前、ブラックエンペラー・テトラを飼育している時に、一回り以上小さいラスボラ・ヘテロモルファとかネオンテトラと混泳させていましたが、全く問題なく飼育できていました。
同種同士では小競り合いを良くしますが、他の種類にはほとんどちょっかいを出さないので、混泳向きの熱帯魚だといえます。
若干「水質の悪化」に敏感な熱帯魚
ブラックエンペラー・テトラは、水質の悪化には敏感で、亜硝酸濃度や硝酸塩濃度の高い環境には弱いところを見せます。
まあ、そもそもこれらは生体にとって有害物質ですからね(汗
しっかり濾過の効いた環境であることはもちろん、新しい水を好む傾向にあるので、濾過機能にもよりますが少し換水の頻度が多い方が良い場合もあります。
一旦、水槽の水質に慣れてしまうと丈夫で飼育しやすいので、導入初期は変わったところがないかチェックを怠らないようにしましょう!
ちなみに、ブラックエンペラー・テトラは水質が合っていて良い状態で飼育できている時は、とにかく濃い黒や鮮やかなパープルが見られます。
逆に、調子が悪いときは体色が薄くなるので、色が抜けたような感じになっている場合は、まず水質の悪化を疑いましょう!
基本的にやや低水温を好む熱帯魚
ブラックエンペラー・テトラは、23℃くらいの熱帯魚にしてはやや低水温を好むんですね。
その為、高水温には弱くどんなに高くても26℃以上を超えてくると危険信号となります。
特に夏場、まさに猛暑日なんてブラックエンペラー・テトラにとって最大の敵であり、高水温対策が必須となってくるでしょう。
水温を下げる対策としては、専用のクーラーを取り付ける、クールファンを取り付ける、部屋のエアコンを付けっぱなしにしておく等の方法があります。
多少暑い日であれば、クールファンは絶大な効果を発揮しますが、猛暑日では気休めにもならないほど使い物にならないことも・・・。
日中に部屋の中が超高温になる人は、専用クーラーを設置するか、エアコンを付けっぱなしにするしかないでしょう(汗
これも生き物を飼育している以上、仕方のないことですよね。。。
自身の環境に合った、電気代の安い方を選ぶようにしたいですね!
ブラックエンペラー・テトラの繁殖
簡単ではないですが、ブラックエンペラー・テトラは水槽内繁殖が可能で、繁殖例も数多くあります。
成熟した個体ではオスとメスの区別が容易に付きます。
オスは各ヒレ端の色彩の変化や、パープルが綺麗に出る個体がいます。
そして、メスに比べてフォークテール(尾びれの真ん中が良く伸びる!)がハッキリと現れます。
メスはオスに比べて大きく、抱卵のためお腹がふっくらしてきます。
そして、メス争いが勃発しオス同士でフィンスプレッディングが多く見られるようになり、水槽全体が賑やかになります。
確実に繁殖を成功させたい場合は、ウィローモスを敷いた繁殖用水槽を用意して、そこにオス1匹メス2匹入れます。
ブラックエンペラー・テトラの繁殖は1度で終わるというものでは無く、何日かに分けて卵を産み落とします。
産卵が終わったら親は元の水槽に戻すとで、卵と親を隔離し食べられてしまうのを防ぐことが出来ます。
稚魚には栄養価の高いブラインシュリンプを与えるといいでしょう!
さいごに
ブラックエンペラー。。。まず名前がカッコいいですよね!(笑
その姿も、名前に負けないくらい漆黒で魅力あるものとなっています。
同種同士では小競り合いをよくしますが、各ヒレを広げる美しい行動がみられ、それはそれで一つの鑑賞の楽しみにもなります。
混泳にも適した魚ですし、本種だけで飼育するのもいいでしょう。
そういえば、互いにテリトリーを持つブラックエンペラー・テトラだけ飼育する場合は、弱い特定の個体だけがボコボコフルボッコにならないよう、10匹以上で飼育するといいですよ!
そうすることで、1匹だけがターゲットになってボコられるのを防ぐことが出来るという訳なんですね。
とにかく黒くてカッコいい熱帯魚が欲しいという方は、ブラックエンペラー・テトラは是非お勧めです!