アクアリウムの水槽で、透き通るような”輝く”綺麗な水が、いきなり白く濁ることがあります。
僕も何度か経験があり、アクアリウムを長くやっている方であれば、このような経験をされた方は多いと思います。
昨日まで透明の綺麗な水が突然、白く濁っていると不安になりますよね。
ここでは、水槽内の水が白濁りする原因についてご説明していきます。
水槽水がいきなり白く濁る!?
水槽を立ち上げて、フィルターを回しているうちにバクテリアが繁殖して水質が安定していきます。
そういった水槽の水は、とても綺麗で透き通っています。
しかし、そんな水質が安定している水槽でも、水が白く濁ることが時々あったりします。
水槽の水が白く濁る原因はいくつかあります。
- 水質が不安定になった場合
- 水温が急上昇しやすい季節
ざっくり挙げると、この2点が大きな原因である可能性が高いです。
では、もっと掘り下げてご説明していきます。
水質が不安定になった場合
一言で「水質が不安定」といっても、原因は多々ありますが、水が白く濁るのは「水槽の立ち上げ当初」と「換水時」に起こりやすい傾向にあります。
これの大きな原因は、バクテリアが関わっています。
立ち上げ当初の白濁りの原因について
バクテリアは汚れを分解して綺麗にしてくれる微生物ですが、当然立ち上げ当初はバクテリアはいません。
つまりこの時、水質はまだ不安定な状態なんですね。
この段階で生体を既に飼っていて、餌を与えた場合は当然、水が汚れていきますし、魚も糞をします。
それらはアンモニア発生の原因となり、生物ろ過が追い付かずに、悪いバクテリアが発生してしまいます。
それにより、水が白く濁ってしまうことがあるのです。
これを回避するには、熱帯魚を飼うときは最低でも魚を投入する1週間前には水槽を立ち上げておきます。
バクテリアは時間をかけて徐々に増えていきますが、市販のバクテリアを立ち上げ当初に使うのも有効です。
換水時の白濁りの原因について
水を換えてしばらくした後に、いきなり水槽の水が白く濁ることも多々あります。
少しだけ水換えした程度なら起こることはほとんどありませんが、一気に半分以上の水を換えた時なんかに起こります。
これは、一気にバクテリア量が減少して水質が不安定な状態になったのが原因と考えられます。
フィルターに設置している濾過材にバクテリアがしっかりと繁殖して棲みついている状態であれば、いったい白濁りしても数日で元に戻るはずです。
ただし、数日たっても戻らない場合はバクテリアがしっかりと機能していない可能性があるので、大量の水替えは避けて、少量を日に分けて換水するといいでしょう。
また、フィルター内の濾過材を綺麗にしすぎるのも注意が必要です。
ろ過材はバクテリアの良き住処でもあるので、軽く挟まったゴミを取るくらいで大丈夫です。
あと注意したいのが、換水時にしっかりとカルキを抜かないで入れている場合です。
水道水には塩素が含まれており、熱帯魚はもちろん、バクテリアにもダメージを与えます。
カルキを抜かずにそのまま水を投入すると、塩素でバクテリアは死滅するので、いつまで経っても水質が安定しません。
換水時は必ずカルキを抜いてから水槽内へ水を入れるようにしましょう。
ろ過材も水道水で洗わずに、換水時にバケツに吸い出した水槽の水で洗うといいですよ。
水温が急上昇しやすい季節
水温が急上昇しやすい真夏に、水が白濁りするのは非常に多いようです。
特に小さめの水量が少ない水槽では、頻々に発生することもあります。
僕も60センチ以上の水槽では、水が白く濁ったという経験はほぼありませんが、20センチ~30センチほどの水量が少ない水槽では、何度も白濁りした経験があります。
水槽を立ち上げて1カ月以上経った、水質が安定している状況下でも普通に起こるのです。
主な原因としては、水温が高くなったことでバクテリアが活発化することと、溶存酸素の低下が起こります。
いつもよりも活発にバクテリアが働くことで、酸素の消費が多くなります。
そして、バクテリアが酸欠を起こし死滅することで水が白濁りという形で現れるのです。
これを防ぐには「エアレーション」と「温度を下げる」の2点が対策として挙げられます。
溶存酸素が低下しやすい真夏は、エアレーションを欠かさずに行うようにするといいかもしれません。
が、水草水槽では二酸化炭素を発散させる原因となるので、その場合はクールファンの使用をお勧めします。
水槽の水が白く濁る原因は主に「バクテリア」が関わっていることが分かりますね。
白く濁る=バクテリアが弱っているというサインとも言えます。
水槽を立ち上げてから期間が経って、水質が安定しても水換え方法や水温上昇、溶存酸素の低下でも白濁りは起こることがあるので、水換え方法に注意をし、特に暑い季節への対策は万全にしておくと安心です。