熱帯魚を購入して、そのまま水槽に入れるのは結構なリスクがあるんですね。
水中で生活する魚は「水」に依存して生きていますから、温度や水質の変化に敏感なんです。
そこで、水槽に入れる前に必ず「水合わせ」を行う必要があります。
ここでは、水合わせで最も代表的なやり方の「点滴法」をご紹介します。
水合わせの必要性
水合わせが必要だと良く聞きますが、もしそのまま投入するとどうなるのか疑問ですよね。
実際のところ、全く問題が無いということも結構あるのですが、これは水槽の水と、購入時の袋の水の水質が似ていた結果にすぎません。
また、水温の差も大して無く魚にとって適用範囲内だったということになります。
もし、水温や水質に差があるところに投入すると、ショック症状を起こし危険な状態となる場合があります。
特にエビ類はかなり水質に敏感な生き物で、水合わせを怠ったせいで死なせてしまうことが多いので、水合わせのやり方を覚えて確実に行うようにしましょう。
水合わせのやり方では、そのまま水槽内ですべて行う方法や、下記で紹介する点滴法などがあります。
点滴法はエアチューブの「逆流作用」を利用して行う方法なので、画像のように水槽の水位よりもバケツが下に来るようにしないといけません。
水槽内だけで水合わせをする方法は下記リンクをご覧ください。
点滴法という名の水合わせ
点滴法とは、エアチューブを用いて少しずつ水槽内の水を注いでいく方法です。
点滴法以外での水合わせの仕方もあるので、下記リンクをご覧ください。
水温合わせ
熱帯魚を購入すると、このように酸素がパンパンに入った袋に熱帯魚が入れられている場合がほとんどです。
画像は通販で購入したものですが、直接ショップで購入したのと同じ状態で届きます。
この袋に入った状態から「開けずに」水合わせをしていきます。
最初は水温合わせから行います。
方法は簡単で、熱帯魚を入れる水槽に袋のまま浮かべておくだけです。
そうすれば次第に、袋の中の水が水槽水の温度の影響を受けて、少しずつ温度が合わさってきます。
30分を目安に浮かべておくといいでしょう。
点滴法に使うもの
画像は点滴法を行う際に必要なものです。
バケツは5リットル以上の余裕のあるものが使いやすくて便利です。
エアチューブは、水槽内からバケツに逆流させる用と、エアーポンプで酸素を供給する用で多用しますので長めのを買って、良い長さで切って使用します。
道具の設置方法
エアーポンプに、重りとなるエアーストーンを取り付けて水中に沈めます。
キスゴムでしっかり固定すれば、必ずしもここにエアーストーンを使用する必要はありませんが、本来エアーチューブは水を吸う目的で使用するものではなく、筒内が狭いのでゴミが入ると取りずらい時があります。
エアーストーンを取り付けることで、ゴミが入り込むのを防ぐメリットもあります。
水槽内にエアーストーンを取り付けた反対側に、一方コックを取り付けます。
ここもキスゴムで固定しておくと便利です。
30分ほど経過して水温調整が終わったら、袋を開封してバケツに袋の水ごと魚を放します。
このとき、小さい魚だと袋に残ったまま気づかない時があるので、袋の中に取り残しがいないかチェックするようにしましょう。
同時にエアーポンプの電源を入れて酸素を供給します。
動かしている時に逆流することはないですが、電源を止めている時に逆流するのを防ぐ為に逆流防止弁を取り付けると安心です。
一方コックの端に短く切ったエアーチューブと取り付け、ここを「口で吸って」水を逆流させます。
いったん逆流すると、ずっと垂れ流しの状態になるのでコックを開け閉めを利用して調節します。
逆流させて徐々に水かさが増してくると、いったんコックをひねって水を止めます。
そして増えたバケツの水をコップなどで捨てていきます。
少し時間を空けてまた、コックをひねって水を流し、水が増えたらコックを止めて水を捨てていく。
そうやっているうちに、バケツの中の水と水槽の水は限りなく近づいていきます。
理想は1時間以上ゆっくりかけて行うのが良いとされています。
水合わせが完了したら、後は専用ネットですくって魚を水槽内に入れてあげるだけです。
投入してすぐは、魚によっては色が抜けたように見えたりして、物陰に隠れたりします。
ですが、次第に体色がもとに戻って、水槽内を元気に動き回るようになってきます。
物陰から出てきて水槽内を元気に動き回る姿を確認するまでは、注意深く観察するようにしましょう。