水槽内の水を綺麗に保つために必要不可欠な存在がフィルターです。
フィルターには多くの種類があり、外部式や上部式、それ以外にも様々な種類のフィルターがあります。
特に、フィルター内に「ろ過材」をセットするような種類では、そのフィルター内にある「ろ過材」は、バクテリアの繁殖が主な役割を担っています。
フィルターを掃除するときは、ただ綺麗にすればいいという訳ではなく、いかにこのバクテリアを死なせないかを考える必要があります。
ここでは、フィルターの掃除の仕方や注意点についてご説明していきます。
ろ過材に繁殖したバクテリアの重要性
バクテリアが繁殖することにより、自然界と同じような「生物濾過」が可能となり魚の糞や食べ残しを分解して綺麗な水を保てるようになります。
フィルターはゴミを吸い取ってくれる装置であるとともに、そういった自然界と同じサイクルを作りだす為の重要な役割があるんですね。
このバクテリアが水槽内に自然に繁殖して、十分な機能を発揮するまでの期間は少なくても2週間、場合によっては1カ月ほどかかるといわれています。
バクテリアが十分に繁殖していない環境では、魚が病気にかかりやすかったり、コケが発生しやすい状態となります。
しかし、徐々にバクテリアが繁殖して水質が安定してくると、驚くほど茶色いコケの発生は無くなりますし、魚の病気のリスクも軽減します。
ですがフィルターも毎日回していれば、当然汚れてきますから定期的に手入れが必要となってきます。
フィルター掃除のポイント
- ろ過材は水槽内の水で洗う
フィルターを掃除するときのポイントは、ただ綺麗にするだけじゃなく、いかにバクテリアを死なせないかを考えなくてはいけません。
水道水で簡単に洗ってしまいたいところですが、水槽水には塩素(カルキ)が含まれていて、これがバクテリアを死滅させます。
換水するときに、しっかりカルキを抜いてから水を入れないと、水槽内のバクテリアは死滅してしまいます。
ろ過材を水道水でジャブジャブ洗ってしまうと、せっかく繁殖したバクテリアが全滅して、水槽内の水質が初期に近い状態に戻ってしまう(水質が不安定な状態になる)ので注意が必要です。
実際にフィルターを掃除していきます!
では実際に外部式パワーフィルターを掃除していきます。
上部フィルターでも、壁掛け式フィルターでも、中にろ過材を入れる種類のものは概ね掃除方法が同じなのでご参考にしていただければと思います。
ろ過材を水道水で洗ってしまうと、せっかく繁殖したバクテリアがほぼ全滅してしまいます。
そこで、既に水質が安定している水槽内の水を使用することでバクテリアを殺さずに掃除することが出来ます。
換水するときにホースでバケツに吸い出した水を使用するといいでしょう。
基本的にフィルター内のものは水槽内の水で洗うといいでしょう。
プラスチック製のものは、水道水で洗っても構いません。
ろ過材や、スポンジなどバクテリアが繁殖するようなものは、必ず水槽内の水で洗うよう心掛けておけば大丈夫です。
ろ過材は挟まったゴミを綺麗に落とす程度で大丈夫です。
定期的に掃除していればそれほど汚れているということもないと思います。
フィルターのケースは水道水で洗っても大丈夫です。
ただし、間違っても洗剤を使用して洗うのはNGです。
洗剤が残っていて、そのまま成分が水中に入ってしまうと熱帯魚にとって害となり、特にエビ類は敏感で、瞬く間に全滅してしまうこともあります。
ケースの内側にヌルヌルしたコケが付着していることがありますが、スポンジだけで擦れば綺麗にすることができます。
一通り洗い終わったら、ケースにろ過材を詰め込んでフィルターの掃除は終了です。
まあ、フィルターの詳しい掃除の仕方というよりかは、バクテリアを死滅させて水質が不安定にしない洗い方といった方が正しいかもしれませんね。
僕もアクアリウムを始めたころは、バクテリアの重要性とかほとんど考えていませんでしたが、実は熱帯魚が生きていくうえで存在しなくてはいけないものなんですね。
もし、ヌルヌルした茶色いコケの発生で長い間悩んでいたり、水質にうるさいエビがすぐに死んでしまう、熱帯魚が病気にかかりやすいなどの症状が頻発する場合は、もしかしたらバクテリアの繁殖がうまくいっていないということを疑ってみてください。
- 使用しているフィルターのろ過材は水槽の水で洗う
- 換水時「水槽に水を入れてからカルキ抜きを入れるのはNG」「バケツの中でカルキを抜いてから水槽内に水をいれるのが正しい」
上記のことを守るだけでも、確実にバクテリアは水槽内に棲みつき、水質が安定するはずです。
ろ過材の洗い方や、換水の順序をちょっと変えるだけでバクテリアが繁殖した水槽を作れますので、正しい知識を身に付けて常に熱帯魚やエビなどが喜ぶような水質を維持できるといいですね。