大型魚を代表する熱帯魚に「アロワナ」がいますが、これとそっくりな見た目の小型カラシンがいるのをご存知でしょうか。
名前はそのまま「アロワナ・テトラ」といい、体長が6cm~7cmほどまでしか成長しない種類なんですね。
流通量があまり多くない、いわゆる「珍カラ」に分類されるカラシンの仲間で、産地によって個体ごとに色彩が異なるという魅力もあります。
ここでは、アロワナ・テトラの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます。
目次
アロワナ・テトラについて
アロワナ・テトラは、ブラジルやペルーなど中南米に広く生息しているカラシンの一種です。
名前に大型古代魚の「アロワナ」が使われていますが、これは口の部分(顔つき)がアロワナに非常によく似ているため付けられた名前で、それ以外に関係性は全く無いんですね。
ひと昔前までは、他の熱帯魚が輸入されてくる際に混合されてくるのみでしたので、かなりレア度の高い魚で簡単に手に入れることはまず不可能とされていました。
現在では、現地採取個体が少量入ってくる程度ではありますが、昔に比べれば手に入りやすくなっています。
ただ、流通量は決して多くないので「珍カラ」として重宝されている熱帯魚です。
アロワナ・テトラの特徴といえば、古代魚アロワナに似た風貌ですね。
また、生息地によって尾びれの付け根にある点々がオレンジだったり、黄色の個体がいることが確認されています。
また、目の色が個体ごとに違ったり、体色が青っぽくなる個体など、「色彩の違い」もこの魚の特徴といえます。
アロワナ・テトラの飼育データ
- 体長:最大で約7cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~27℃
- 寿命:3年~4年ほど
アロワナ・テトラは、体長が最大で7cmほどの小型~中型の熱帯魚です。
ちょっぴり怖い風貌から獰猛なイメージが付きやすい魚ですが、そんなイメージとは裏腹に性格は非常に温和で、同サイズ程度の他の熱帯魚との混泳が気軽に楽しめます。
ただし、口に入るサイズの魚を捕食してしまう恐れがあるので、極小サイズの魚との混泳は避けるようにしなくてはいけません。
水質にもそれほど敏感な魚ではなく、丈夫な熱帯魚なので、飼育も容易なことで知られています。
餌は基本的に何でも食べるが生餌が好き
アロワナ・テトラは、現地では昆虫に飛びつくようにして捕食するスタイルを持っているんですね。
なので、人工飼料よりも生餌を好んで食べる傾向が強いです。
まあ、人工飼料もよく食べてくれるので、それメインでも全く問題はありませんが、たまには生餌や冷凍赤虫といった餌を与えると喜んで食べてくれます。
アロワナ・テトラの飛び出し事故に要注意!
上記で書きましたが、アロワナ・テトラは昆虫に飛びつくようにして餌を捕食することがあります。
水槽内で飼育していても、口に入るような小さな虫や動くものに反応して、飛びつくことも無いとは言い切れません。
それに、アロワナ・テトラはとてもスマートはカラダをしているので、ほんの少しの隙間からでもすり抜けて外に飛び出してしまう恐れがあります。
なので、あまり水位を高くし過ぎないことと、フタを取り付けて飛び出し事故が起こらないような対策が必要となります。
※フタは、隙間が出来ないようにピッタリとはまるタイプが望ましいです。
複数で群泳させると非常に綺麗!
小型の綺麗な熱帯魚では、どの種類でもいえることですが、10匹以上の複数を導入して泳がせると真に美しい光景を見ることが出来ます。
やはり、せっかく群れで泳がせるのであれば、緑色が映える「水草水槽」が絶対的にお勧めです。
アロワナ・テトラは体長が7cmほどと、小型とはいえネオンテトラなどに比べると2回り以上大きくなるので、最低でも60cm水槽で群泳させるのがベストでしょう。
珍カラを大きな水槽で複数導入するのは、アクアリストなら誰でも憧れますよね!
アロワナ・テトラの掛かりやすい病気
小型カラシンが非常に掛かりやすい病気といえば「白点病」です。
白点病は、水温の低い環境での飼育や、水温の急変化によって発症することが多いのですが、初期段階で見つけ出し処置すれば大した問題にならないことがほとんどです。
白点病の最近は、25℃以上だと活動しなくなり、病気の発症もほとんどみられなくなるので25℃くらいで飼育することでほぼ抑えることが出来るようになるという特徴があります。
あと、気を付けることとしては換水時の水温の急変化です。
換水時の水があまりにも冷たいと、水槽内に入れた時の水温は一時的に下がりますので、入れるタイミングで既に温度に差が無いようにする必要があります。
さいごに
古代魚アロワナのような風貌の、小型種のアロワナ・テトラ。
色彩にそれほど派手さはなく、むしろ地味な感じのイメージがありますが、産地によっての個体差を楽しめるという点では、他の熱帯魚には無いような魅力があります。
流通量もそれほど多くなく、レア度の高い熱帯魚ではありますが、こういった珍しい熱帯魚を大きな水槽で複数飼育するのもいいですよね!