名前に「テトラ」が付く熱帯魚といえば、小型の種類を連想する方が多いのではないでしょうか。
中でもネオンテトラやカージナルテトラは、代表的存在で、昔から絶大な人気を誇る種類となっていますね。
テトラは小さい種類が多いのは確かですが、中には中型で見ごたえのある種類も存在します。
中型テトラで人気のある種類といえば「コンゴ・テトラ」がその一種と言っていいでしょう。
鮮やかな色彩に、独特で優雅なヒレが特徴的で、大きな水槽で複数飼育すると、小型熱帯魚とは違った迫力ある水槽となります。
ここでは、コンゴ・テトラの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます。
コンゴ・テトラについて
コンゴ・テトラは、西アフリカ大陸で2番目の長さを誇るコンゴ川に生息するアレステス科(カラシンの仲間)の熱帯魚です。
※アレステス科とは、ネオンテトラが属するカラシン科の近縁で、まあ親戚みたいなものです。
名前の「コンゴ」は、まさにコンゴ川原産の熱帯魚であることに由来し、この川を代表するような美しい魚であることが伺えます。
コンゴ・テトラは、静止画像だとオレンジ色のみが映えて見えますが、実際には多数の色彩を持ち、ブルー、グリーン、イエローなどのメタリックな光沢が見られます。
上記のように複数の色彩を持つことから、時にレインボーに輝いて見えることもある、本当に美しい熱帯魚なんですね。
そして、各ヒレが伸長し、特に尾びれの真ん中の部分が伸びる形状が、あまりにも特徴的で優雅です。
コンゴ・テトラの飼育データ
- 体長:最大10cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~28℃
- 寿命:5年~6年
コンゴ・テトラは、体長が最大で10cmになる中型の熱帯魚です。
性格が大人しく、他の魚を追いかけたり、ちょっかいを出すことがないので同サイズで温和な他の熱帯魚との混泳が容易に楽しめます。
コンゴ・テトラが小さいうちは小型のカラシン等との混泳も問題なく出来ます。
ただ、成長が結構早い熱帯魚で知られ、早くて3~4ヶ月、遅くても1年未満で10cm近くまで成長します。
大人になっても性格は非常に温和ではありますが、あまりにも体長差のある熱帯魚との混泳は避けた方が無難でしょう。
成長が早く寿命も長いので、長いあいだ美しい姿を見せてくれる熱帯魚なんですね。
コンゴ・テトラは草食性の強い熱帯魚
コンゴ・テトラは草食性が強く、柔らかい水草の葉を食べてボロボロにしてしまうことが多々あります。
コンゴ・テトラを複数で飼育するような水槽下で、葉の柔らかい水草は、「餌」となってしまうことがあるので、基本的に葉の硬い水草でレイアウトをします。
お勧めの水草の一つが、ミクロソリウムです。
とても人気のある水草で、水草レイアウトではよく用いられる種類です。
よく増え、自然のような茂みを簡単に作れるので、この水草があるだけでカッコいいレイアウトが作りやすくなります。
葉の硬い水草といえば、アヌビアス・ナナも外せない存在です。
ミクロソリウムもそうですが、アヌビアス・ナナは、根っこを流木や岩に活着させることが出来るんですね。
上記の水草は、低床に植え込んでもいいですし、なにかに活着させて育てられるという点でもお勧めできます。
活着といえば、ウィローモスを使わない手はないです。
長い流木に活着させて育てることで、美しい茂みを簡単に作り出せる、水草レイアウトではかなり多く用いられる大人気の水草です。
コンゴテトラの飼育は最低でも60cm水槽~
コンゴテトラは、体長が10㎝にもなる中型の熱帯魚です。
なので、コンゴ・テトラを飼育するときに必要な水槽のサイズは、最低でも60cm幅の水槽が必要となります。
複数を飼育して群泳させることで、この熱帯魚の美しさが格段に引き立ちますが、多くを飼育する場合は90cm水槽が理想です。
水槽が大きい方が良い理由としては、水量が多く、水質の管理がしやすいというのと、熱帯魚自体が窮屈にならないようになどがあります。
特に、水質管理がしやすいというのが大きく、魚が大きいと糞の量も多く、すぐに水が汚れてしまいます。
そこで、水量の多い大きな水槽を使用することで、水が汚れるスピードを遅らせることが出来ます。
さらに、濾過能力の高いフィルターを使用する(外部式か上部式がお勧め)ことで、定期的に少量を換水するだけで水質を綺麗に保つことが出来るようになります。
ゴンゴ・テトラの繁殖
コンゴ・テトラは、水槽内でも繁殖が比較的容易に狙えます。
繁殖期に入ると、オスはメスをしきりに追いかけるようになり、水槽全体がちょっと騒がしい状態になります。
角のある障害物があると、ぶつけたり、擦って傷付く場合があるので、あまり障害物を置かないスッキリとしたスペースのあるレイアウトが理想といえます。
水草やウィローモスのような複雑の茂みに、バラ撒くように卵を産む「バラ撒き型」と呼ばれる産卵形態を持ちます。
コンゴ・テトラは産卵までは容易とされますが、確実に成功させる場合はその後が重要になります。
稚魚は目を凝らしてみなくては確認できないほど小さく、インフゾリアなどの極小の餌が必要となります。
ブラインシュリンプを食べられるまでに成長することが出来れば、あとは楽なので、いかに孵化してからの生存率を高められるかがカギとなります。
さいごに
コンゴ・テトラは、体長が10㎝と大きく、しかもレインボーのような美しい色彩を持ち、優雅なヒレをも持つ贅沢な熱帯魚です。
少し大きな熱帯魚を飼育したいという方にはお勧めで、出来れば60cm~90cmの大きな水槽に複数導入して群泳している姿を楽しみたいですね。