観賞魚というと「メダカ」も非常に人気の高い魚となっています。
メダカは熱帯魚ではなく、日本の田園や小さな川に生息している小型の淡水魚でも有名ですよね。
熱帯魚のように屋内での飼育は容易ですが、幅広い水質、水温に対応できる魚であるため条件さえ揃えば屋外での飼育も可能です。
バケツや容器などで、屋外でメダカを飼育している方も非常に多いです。
ここでは、メダカを初めて飼育する上で必要なものや、飼育方法、注意点などについてご説明していきます。
メダカについて
メダカは、日本で最小の淡水魚で知られ、金魚と並んで昔から馴染みの深い存在です。
野生のメダカは、主に田園や小川に生息し、体表が黒っぽく地味な姿をしています。
また、古くからなじみの深いオレンジ色のメダカである「ヒメダカ」は、改良品種と言って人為的に作出された品種となります。
ひと昔前までは、メダカといえば野生の黒っぽい黒めだか、そしてヒメダカの2種類を指すことが多かったかもしれませんが、今やメダカも改良品種が多く作出され多くのバリエーションが登場し、今後もますます「新種」が増えていくことでしょう。
メダカの飼育データ
- 体長:3cm~4cm
- 水質:弱酸性~弱アルカリ性が理想と言われる
- 水温:5℃~28℃
- 寿命:野生では1年程度、飼育下では3年~4年ほど生きることもある
メダカは体長が最大で4cmほどの小型の淡水魚です。
驚くべきは、水質と水温の耐性ですが、水質は弱酸性~中性~弱アルカリ性まで対応できるといいます。
そして、水温は下が5℃、上が28℃と熱帯魚と変わらぬ高水温にも余裕で対応することが出来るのです。
水温5℃といえば、ほとんど冷水ですよね。。。
温かい季節で、寒い季節に水温がこれを下回らない地域であれば1年中、屋外での飼育も可能となります。
メダカに適した水づくり
熱帯魚を飼育したことがある方であれば、既にご存知かと思いますが、水道水の水を直接すいそう内に入れて、いきなりメダカを導入してはいけません。
というのも、水槽水には人が生活に利用できるよう殺菌目的で塩素(カルキ)が含まれています。
この塩素は、魚にとって超有害物質となりますので、「カルキ抜き」なる商品等を用いて、しっかりと塩素を取り去ってから使用しなくてはいけません。
ちなみに、塩素(カルキ)はバケツに水を汲んで、そのまま2,3日も放置していればほとんど抜けます。
なので、換水や水を足すときは予めバケツに水を汲み置きしておくのも一つの手です。
そして、あとはバクテリアの問題です。
バクテリアは、水槽内に溜まる悪い物質を分解して、それほど害のない物質へと変えてくれる働きがあります。
それを、「生物濾過」と言うのですが、立ち上げ当初の水槽ではバクテリアは全くと言っていいほどいないので、最低でも1週間以上たってからメダカを導入するようにした方が安全です。
低床は何を選べばいいのか!?
熱帯魚を飼育する上で、低床選びもかなり重要です。
というのも、素材によって水質を弱酸性に傾けたり、弱アルカリ性にするようなものも存在するので、その魚に合わないようなものを使用することはお勧めできません。
メダカに使用する低床ですが、、、
屋内と屋外で飼育する場合で、ちょっとお勧めが異なってきます。
屋内で飼育する場合は、細かいタイプの「ソイル」という低床がお勧めです。
ソイルは、水質を弱酸性に傾ける性質があります。
屋内水槽であれば水草も導入することを考えるとソイルはオススメで、ソイル自体が水草にとって必要な栄養源を含んでいるものも多いです。
また、ソイル自体が濾過材の役割を果たし、バクテリアの定着を助長し、濾過機能を向上させる効果もあります。
次に屋外で飼育する場合ですが、荒木田土(あらきだつち)は、かなりお勧め出来ます。
荒木田土は、簡単に言うとごくごく普通の土のような感じで、田んぼや小川などにあるような土を再現することが出来るんですね。
このような土は、ミネラル分なのど栄養を豊富に含まれます。
栄養が多い土を室内設置の水槽に使うとちょっとデメリットがあって、コケが栄養を吸収して水槽中コケだらけになってしまうことがあるんですね。
しかし、屋外設置のものであればこれは逆にメリットになります。
藻類がいっぱい発生して水が緑色になるのをクリーンウォーターといいますが、この状態はメダカの飼育から繁殖、稚魚の育成まで全てまかなうことが出来るのです。
グリーンウォーターの緑色は、植物性のプランクトンが原因で、小さい稚魚にとって餌にもなります。
小さすぎる稚魚は餌やりのタイミングが難しいですが、それをいちいち心配しなくていいメリットは大きいですよね。
水流は無い方が無難
野生のメダカは、田んぼや小川の水流の無い場所を好み、生息しています。
それほど活発に動き回るような魚でもないことから、水流のあるような場所を好まない傾向にあることが伺えます。
水槽内で水流が出来る原因といえば、エアレーションが考えられます。
エアレーションとは、酸素を循環させるために行う為、どうしても水流が出来てしまうことがあるんですよね。
ただし、エアレーションは絶対的に必要というものではありません。
飼育しているメダカの数が多すぎると、溶存酸素が減少して必要となってきますが、少ない数の飼育であれば、自然と取り込まれる酸素の量で充分なのです。
メダカの繁殖と使用する水草
メダカは屋内、屋外ともに繁殖で増やすことが容易に出来ます。
繁殖の条件といえば、元気なペアがいれば勝手に増えていってくれるというくらい、簡単に増える魚なんですね。
オスは、尻ビレの幅が広く、背びれに切れ込みが入るのが最大の特徴で、メスはその特徴が無く抱卵の為、お腹がふっくらしてきます。
産卵は水温が22℃~23℃以上の時期に行われます。
屋内では、ヒーターを設置することで年中、産卵を見ることが出来るようになります。
卵は水草に産み付けられますが、親に食べられてしまうことも少なくありません。
とはいえ、そのままで孵化させることも可能ですが、確実に増やしたい場合は卵を回収して隔離するのが望ましいです。
卵の孵化には温度も関係ありますが、7週間以上かかってやっと孵化します。
稚魚はとても小さいので、パウダータイプの人工飼料を与え、少し大きくなったらブラインシュリンプを与えるようにするといいでしょう。
メダカといえば「カボンバ」という水草を入れているのをよく見かけます。
産卵時にカボンバの細かな葉は、絶好の産卵ポイントとなり、卵も発見しやすいので室内水槽で飼育するときはお勧めの水草です。
屋外で飼育するときは「ホテイアオイ」という浮草を浮かべておいてあげると、ホテイアオイの根の部分が絶好の産卵ポイントとなります。
屋外でメダカを飼育する上では必須の水草と言ってもいいくらいポピュラーな存在です。
ちなみにホテイアオイは、簡単に増えて、株分けすることで増殖させることも可能ですし、紫と白の綺麗な花を咲かせるので、観賞という観点からもお勧めの水草です。