日本の河川に生息する「アカザ」という淡水魚をご存知でしょうか?
別名、アカネコやアカナマズと呼ばれる、色の赤いナマズなのですが、この種では珍しい”小型種”で飼育しやすい魚なんですね。
熱帯魚で有名な「レッドテールキャット」なんていったら、最大で1メートルを超えるくらいのbigサイズなので、かなり飼育の敷居が高いのに比べ、アカザは最大でも10cmちょいといった可愛らしいsmallサイズのナマズなんですね。
なので、「ナマズを飼育したいけど、大きくなりすぎるからムリッ!」と言う方にはうってつけの存在と言えます。
そもそも、赤色のナマズなんてカッコよすぎですよね!?
以下では、アカザの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきます!
アカザについて
アカザは、本州・四国・九州にかけて分布する日本固有のナマズです。
背ビレと胸ビレの骨の部分(棘条)に毒があることで有名な魚で、これに刺されると痛いことから「アカザス」と名付けられたが、発音やなまりなどでアカザに転訛したと言われています。
もしかしたら子供の頃に、アカザの棘に刺さって強い痛みを味わった痛い経験をされた方もいるのではないでしょうか?
アカザから故意に刺してくることはありませんが、毒腺のある棘を持っていることを知らずに触れて刺さってしまうことが多いんですよね(汗
現在では数が減少しているため、それほどアカザに刺されるということは少なくなっているのですが、ひと昔前は結構多かったように思います。
飼育下では専用のネットを使用するので棘条が刺さるという事は無いと思いますが、何かの拍子にアカザを床に落としてしまった際に触れる時は「背ビレ」と「胸ビレ」の部分に注意してくださいね!
アカザの魅力は、色彩が「赤い」という、珍しい色のナマズということです。
そして、ナマズにしては体長が小さいので、小型の水槽でも飼育が可能な種なんですね。
また、顔の大きさに対してヒゲが長く、計8本のヒゲがチャームポイントとなって、可愛い・・・というか、キモカワ系にも見えるかも(笑
何にしても、愛嬌のある顔は観賞していて楽しいです!
障害物の間を縫って泳ぐという、まるでドジョウのような動き方をする、赤くて可愛らしい顔をしたナマズなんですね。
アカザの飼育データ
- 体長:10cmほど
- 水温:5℃~20℃
- 水質:中性~弱アルカリ性
- 寿命:-
- 参考価格:1匹あたり
アカザは、体長が最大で10cm(15cmほどまで成長する場合もある)くらいの、小型からやや中型の淡水魚です。
同種同士では頻繁に小競り合いや喧嘩をするので、同種を複数飼育する場合は広いスペースに隠れ家を多く確保したレイアウトが理想となります。
やや気が荒いので、同じ低層魚との混泳は向いていないといえます。
遊泳層が異なる、中層以上の魚であれば問題なく混泳が楽しめます。
とはいえ、アカザは低水温(20℃以下)を好む魚ですので、25℃前後を好む熱帯魚とはそもそも水温問題が生じ、混泳自体が厳しいでしょう。
同じく、日本の河川い生息している魚であれば同じような水温・水質のものがいるので、混泳する場合はそういった中から探してみるといいでしょう。
ちなみに、バラのように美しい「タイリクバラタナゴ」はお勧めの種です!
水質悪化には弱いので、濾過の効いた水槽で飼育し、小まめな換水をしてあげるといいでしょう。
導入直後のスレによる病気誘発に注意を!
アカザは、導入してすぐは狭い場所に隠れようとしたりして体表に傷が付きやすい傾向にあります。
その傷が原因で「水カビ病」が発生しやすい熱帯魚でも知られているんですね。
※ミズカビが寄生して白い綿状のものが付着して見える症状です。
なので、角の低床(砂利)は避けるようにする他、流木やレイアウト用の石など、アカザが無理やり入り込むような隙間のないものを置くようにするといいでしょう。
また、導入当初は白点病にかかりやすいこともあります。
白点病は、水温の急変が引き金になって発症することが多いので、しっかりと時間をかけて水合わせをすることで白点病のリスクは限りなく無くせます。
水カビ病or白点病にかかってしまったら・・・
魚病薬である「ニューグリーンF」は、白点病と水カビ病を治療することが出来ます。
万一の為にストックしておくことをお勧めします。
白点病は、初期段階では水温を高めることで治る場合も多いですが、アカザは高水温に弱いため発症してしまうと魚病薬での治療が現実的でしょう。
治療する場合は、薬浴ようの別水槽を持っておくのが便利です。
メイン水槽にそのまま投入する場合は、水草や他の生体(特にエビ類)に害が無いかを確認してから使用する必要があります。
テトラ・アクアセイフは、魚の体表粘膜を保護する成分が入っています。
スレに弱く傷つきやすい、ナイーブなカラダを持つ魚を飼育するときは、かなり重宝するアイテムです!
※アクアセイフには、カルキ抜き効果もあるので、水質安定剤はコレ1本で十分です!
高水温に要注意を!
アカザは、飼育水槽では20℃前後の水温で飼育するのが望ましいです。
それか、販売元が何℃の水温で飼育していたか予め聞いておき、その温度に調整するのも手です。
殆どの個体は25℃くらいまでは耐えれますが、それを超えると死んでしまう個体が出始めます。
個体によっては30℃付近まで耐えられるものも見られると聞きますが、基本的に25℃以上になると危険だと思っていいでしょう。
その為、暑い時期は専用のクーラーが必要になります。
※専用クーラーは、水量に見合ったタイプのモノを選んでくださいね!
扇風機のような水槽に簡単にセットできるクールファンというものもありますが、超暑い「猛暑日」なんかは全く機能しなくなります(汗
ただ、少し暑い日なんかは効果大なので、持っておくと便利なアイテムではあります。
隠れ家を用意してあげよう!
アカザは、ドジョウのように物陰に隠れる習性があります。
その為、土管など身をすっぽりと隠せるような「隠れ家」を作ってあげると喜んで棲家にしてくれます。
ココナッツシェルターは、デザイン性があって水草を植え付けることが出来るので、お洒落なレイアウト作りにオススメの隠れ家です。
まあ、隠れ家に利用できるのは他にも色々とあるので、自分の水槽に合っているもの、お気に入りのモノから選ぶのが一番ですね!
アカザの餌について
アカザは冷凍アカムシなどの生餌や、餌用の小魚などの活餌を好む魚です。
飼育下では、安価で与えやすい冷凍アカムシをメインに与えるのがお勧めです。
ただ、人工飼料も慣らせば食べるので、生餌を与えつつ人工飼料も与えるようにして、早めの餌付けをするのもいいかもしれません。
人工飼料では、クリルには餌付きやすい傾向にありますのでオススメです。
また、淡水魚専用のエサなんかにも餌付きやすいと聞いたことがありますので試す価値ありです!
さいごに
赤くて、小さくて、カッコよくて・・・可愛い!
そんな魅力あるナマズの「アカザ」は、体長が大きすぎて諦めていたけど、「やっぱりナマズ好き!」という方にピッタリな存在です!
ただ、飼育難易度は少々高く、「濾過の効いた飼育環境であること」「高水温注意」に気を配る必要があります。
が、ナイーブであるほど大切に扱うというもの!
bigなナマズも見ごたえがあってカッコいいですが、大型水槽を用意できなくて飼育を諦めていたという方は、是非アカザの飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか!?