マリンアクアリウムの入門的存在として、古くから親しまれている海水魚の一つに「キンギョハナダイ」という美しい種がいます。
鮮やかな赤色やピンク色、黄色、オレンジとなどの色彩が美しく、生息する海域によって様々なカラーバリエーションが存在するのも、キンギョハナダイの魅力と言えます。
また、オスとメスでは体色に差があって、性転換するという面白い性質を持った海水魚でもあるんですね。
丈夫で飼育がしやすい海水魚であることから、初心者にオススメしたい一種です。
これだけ美しい種なので、初心者問わず上級者の方からも絶大な人気を誇る魚なんですね!
ここでは、キンギョハナダイの飼育方法や導入時の注意点についてご説明していきたいともいます。
キンギョハナダイについて
キンギョハナダイは、インド洋から太平洋の西海域に広く生息しているハナダイの仲間です。
名前に「タイ」とあるので、「あの高級魚タイの仲間!?」と思うかもしれませんが、実際のところは
ダイビングの世界でも、多くの人々を魅了してやまない海水魚なんですね!
非常によく似た種類の海水魚に、「アカネハナゴイ」がいます。
違いとしては、キンギョハナダイはウロコが明瞭で、一枚一枚に黄色がのっていて輪郭がハッキリとしている個体が多いです。
逆に、アカネハナゴイはウロコがクッキリと見えることが無く、体表が滑らかって感じの見た目をしています。
キンギョハナダイは、生息する海域(産地)によっても色彩に違いが見られ、インド洋産、バヌアツ産、フィジー産など、特に色の違いがハッキリとしているものは産地で区別され販売されていることもあります。
特にオスの体色はメスに比べて綺麗な発色をしており、背びれの第3棘条(きょくじょう)部分が伸長するのですぐに見分けが付きます。
性転換する面白い性質を持つ海水魚!
自然界では、キンギョハナダイはサンゴ礁が密集する浅場を中心に、大きな群れを作って生活をします。
雌性先熟雌雄同体の魚で、生まれた時はすべてメスなんですが、中で強い個体がオスに性転換する性質を持っているんですね。
水槽内でもオス個体がいない場合は、その中の1匹がオスとなり、他のメスはオスを取り巻くように行動し、いわゆるハーレムを形成するんですね。
特にオスの婚姻色は美しく見ごたえがあるので、キンギョハナダイを飼育するときは、広めの水槽に複数匹で飼育すると本来の性質が楽しめます!
キンギョハナダイの飼育データ
- 体長:10cmほど
- 水温:24℃前後
- 寿命:3年~5年(推定)
- 参考価格:1匹あたり1000円前後
キンギョハナダイは、体長が最大で10cm前後の小型~やや中型の海水魚です。
小さいうちは温和な性格ですが、成長とともに気性が荒くなる個体もいて、同種同士では小競り合いもします。
上手に群泳・混泳させるには・・・
群れで飼育するときは、基本的にオス1匹に対しメスを複数で導入します。
メスだけでも、その中の1匹が性転換してオスになってハーレムを形成し、群れで行動します。
同種や近縁種とは喧嘩することが多いので、後から追加する場合は注意が必要です。
ただ、キンギョハナダイと同サイズ程度~大きな別種とは問題なく混泳できる場合が多いです。
サンゴに害を与えることのない魚なので、安心してサンゴを育成している水槽にも導入できます。
この美しい体色と、サンゴが映えて美しいですので、サンゴとキンギョハナダイの相性は抜群と言えます。
飼育に関しても、丈夫で飼いやすい種なので、初心者が最初に選ぶ海水魚としてもお勧めですよ!
キンギョハナダイの餌について
キンギョハナダイは、導入してすぐから人工飼料に餌付きやすい海水魚です。
「なかなか餌を食べてくれない・・・」という心配が少ないので、特に餌付けで困ることは無いかと思われます。
ただ、群れで生活する習性のある魚なので、単独で飼育すると、導入してすぐは物陰に隠れて出てこなかったり、拒食状態になることもあります。
なので、ある程度の数を導入した方が、餌やり面でもメリットがあることが多いんですね。
仮に、なかなか食べない・・・と言う場合は、人工飼料に比べて断然食いつきがハンパない、活餌や冷凍飼料を与えてみるといいでしょう。
併用して人工飼料も少しづつ与え、、、だんだんと人工飼料の量を増やしてくことで、餌付けも出来るようになってきますよ。
さいごに
赤や黄色、ピンクにオレンジ、、、とにかく温暖系統で温かみのある美しい色彩の海水魚を、複数群れで飼育したい方にはキンギョハナダイはオススメです!
産地によっても色んなカラーバリエーションが存在しますから、自分好みのカラーを揃えてみるのもいいかもしれませんね。
また、同種や近縁種以外との海水魚であれば、どの種とも混泳が可能ですので、赤系統が水槽内に欲しいと言う方にもキンギョハナダイは是非オススメです!