流木や水槽のガラス面に張り付いている姿が特徴的な熱帯魚、「プレコ」は吸盤状の口でコケ類をせっせと食べることからコケ取り用の生体として水槽内に導入されることもあります。
種類も豊富で、基本的に大型になる種が多く、プレコ単体で飼育するマニア、、、いわゆるプレコ好きも世界中に多々いるほど人々から愛されている存在でもあります。
このプレコの仲間で、美しい品種をひとつご紹介したいと思います。
そのプレコとは「ロイヤル・プレコ(大型種)」といい、ガッチリとした体高に、大きな帆のような立派な背びれは、まさにプレコの”王”に相応しい風格といえます。
※成長すると体長が40cm前後になります!
迫力のある立派なプレコを単体で飼育したいという方には是非オススメです。
ここでは、ロイヤル・プレコの飼育方法や導入時に注意点についてご説明していきたいと思います!
ロイヤル・プレコについて
ロイヤル・プレコは、コロンビアやベネズエラの渓流域に生息するプレコの仲間です。
プレコとしては古くから知られている種の一つで、その中で最もポピュラーな存在と言ってもいいでしょう。
プレコって、幼生体で3cm~5cmほどの小さい個体が売られていることがほとんどなのですが、その多くはかなり大型種になるものばかりですので、購入する前にそのプレコがどのくらい大きくなるのかを確認しるようにしましょう!
ちなみに、、、このロイヤル・プレコも5cm前後の個体が売られていることが多いですが、成長すると40cmほどまで成長する大型種です。
ロイヤル・プレコは、小さい個体のうちは体表に横ラインが何本も入った感じになっています。
が、成長するにつれて、ラインが途切れ途切れになり、スポット模様になる個体もいるんですね。
その模様によっては、少しだけ点々とスポットがある個体では「ハーフスポット個体」とか、全体的に綺麗なスポット模様が出来上がっている個体は「フルスポット個体」と言う風に呼ばれ、模様にバラつきが結構あるのも特徴の一つなんですね。
そして、成長すると背中が山のように盛り上がり、、、つまり体高が超高くなるんですね。
さらには、船の帆を広げたような大きな背びれ、それだけじゃなく、基本的にどのヒレも大きく、特にエラ付近にある横に伸びた大きな胸ビレもカッコいいです!
この姿は、まさにプレコの王様に相応しいといえましょう!
ロイヤル・プレコの飼育データ
- 体長:最大で40cmほど
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:20℃~28℃
- 寿命:10年以上は普通に生きます
- 参考価格:1匹あたり3000円前後
ロイヤル・プレコは、体長が最大で40cmにもなる大型の熱帯魚です。
大きくなるにつれて気性が荒くなり、縄張り主張で小競り合いが頻繁に起こります。
小さいうちはそれほど気性も荒くないので、複数匹で飼育しても問題ないです。
もし、複数匹でずっと飼育するのであれば、広めの水槽で流木などを多めに置くなど隠れ家を多く作るのが理想です。
※60cm水槽だと1匹単体がギリギリ、、、複数匹で飼育するなら90cm~120cm水槽が必要です。
他の熱帯魚との混泳に関しては、面積の多い熱帯魚の体表を「なめる」ことで弱らせてしまったり、死なせてしまったりすることもあるので注意が必要です。
コケ掃除として導入するのではなく、美しいプレコを観賞するという目的で飼育したい方にお勧めの種です。
かなり丈夫な魚なので、飼育自体は容易で初心者でも簡単に飼うことが出来ます。
ロイヤル・プレコや流木を食べる!?
実はこのロイヤル・プレコは、餌という餌を与えなくても生きていける熱帯魚で知られています。
では、何を食べるのかと言えば、、、流木をかじって餌にするプレコで有名なんですね。
「流木なんて餌になるの??」
・・・と、思うかもしれませんが、摂取した流木をエネルギーへと変換する微生物を体内に持つ、極めて珍しい熱帯魚で、自然界では倒木や流木の多い場所に集まるように生息しています。
流木は観賞を高める物としては、これ以上ないアイテムですが、ロイヤル・プレコを飼育する水槽に入れれば、鑑賞力upに加え、餌(超長期間使用可+水を汚さないというオプション付き)にもなるので、使用しない手はありませんよね!
ちなみに、クワガタの飼育に使用される「クヌギ産卵木」は、ロイヤル・プレコの餌として非常にオススメです!
流木よりも柔らかく、プレコからしたらとても食べやすい木なので、隠れ家用の立派な流木にプラスして、餌用にクヌギを入れておくといいかもしれませんね。
日に日に削って(食べて)木が小さくなってくる様子が分かるほどですよ(笑
木だけを主食とすると、痩せ細る場合もあるようなので、専用の人工飼料も少量与えるようにした方が良いですね!
とはいえ、流木しか与えていないという方も多く聞くので、基本的に木があれば生きていける凄い熱帯魚なんですね。
そういえば、ペット飼育って「餌問題」があるので、旅行とか実家帰省など長期間家を空ける場合って「餌どうしよう・・・」ってなる方も多いはずです。
でも、ロイヤル・プレコはお腹がすいたら流木をガリガリして普通に生きていけるので、そう考えるとかなり飼育しやすい熱帯魚なんですよね。
強い水流を好む
ロイヤル・プレコは、水流がとても大好きな熱帯魚です。
自然界では、大きな木が倒れていたり、流木が沈んでいるような渓流域に住んでいるので、それを想像して、、、流木を設置して、川のように一方方向から水流が出来るようにフィルターの排水口から勢いよく水を出してやるといいでしょう。
また、大型プレコの場合は、砂利も何も敷かないベアタンク方式で飼育した方が掃除が簡単でお勧めです。
と言うのも、プレコは排泄物(フン)の量が多い熱帯魚なんですね。
なので、水質管理には日々の掃除が欠かせなく、ベアタンクの方が圧倒的に管理がしやすいんです。
水槽内には流木だけを直に置いて、強い水流を作り出すというシンプルな水槽ですが、なんでもロイヤル・プレコのインパクトが強いので、レイアウトにそれほど寂しさを感じることは無いでしょう!
さいごに
ロイヤル・プレコは、「プレコの王様」という名に相応しい、美しく迫力のある姿をしている熱帯魚です。
飼育には大型の水槽が必要になりますが、飼育自体は簡単なので大きな熱帯魚を飼育してみたいという方にはお勧めの種です。
プレコには大型種がいっぱい存在しますが、初めて大型プレコを飼育しようとお考えの方は、プレコの王様であるロイヤル・プレコを選んでみてはいかがでしょう!?