熱帯魚の餌による「色揚げ」で体色(赤色)を濃く綺麗で鮮やかにする方法と注意点について

餌(エサ)に関して

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熱帯魚を飼育するにあたり、「体色を綺麗にしたい!」ということは、誰もが思う事ではないでしょうか。

特に、寿命がとても長く見ごたえのある熱帯魚では、美しい個体に育て上げたいのは当然のことですよね!?

実は、熱帯魚の体色を綺麗にする方法として「色揚げ」と言うものがあります。

基本的に、体色を綺麗にする成分を配合した餌を摂取させて(食べさせ)、美しい個体を作り上げるというものなのですが、熱帯魚の餌を見ると「色鮮やかに!」とか「美しい熱帯魚に!」なんて文字が入っている商品があります。

そういった餌には、ほとんどの場合「色揚げ成分」が配合され、定期的に、そして長期間にわたって与え続けることで熱帯魚の体色を綺麗にすることが出来んですね。

とは言っても、すべての熱帯魚が色揚げ出来るわけではないので、何も知らない場合はそれなりの知識があった方が無難でしょう。

という訳で、ここでは色揚げの方法などについてご説明していこうと思います。

 

熱帯魚の色揚げについて

色揚げと言うのは、簡単に言うと熱帯魚(金魚も!)の体色を綺麗にすることです。

それによって観賞価値を高め、見るものを魅了するような個体を作り上げることが目的だといえます。

 

熱帯魚の色素にも色々とあって、、、魚類では通常「黄色・虹色・黒色・白色・赤色」の5種類の色素胞があります。

ちなみに、青色は色素胞ではなく光の反射によるものです。

※ただし、ごくごく一部には青色の色素胞を持つものも確認されています。

つまり、すべて合わせると色素胞は6種類あることになりますね。

 

色揚げは「赤色」を強く出すことを目的とする!

上記では大きく分けて6種類の色素胞があると説明しました。

が、その中でも熱帯魚が自分の体内で作り出すことのできない色があります。。。

それが、「赤色素」なんですね!

 

自分で作り出すことが出来ないということは、外から取り入れるしかないんです。

つまり、餌から摂取するという事なんですね。

なので、色揚げというのは「赤色」を強く鮮やかにすることが目的という事になります。

 

熱帯魚や金魚の赤色の基本となる成分というのが「アスタキサンチン」という物質です。

アスタキサンチンと言うのは、カロチノイドの一種で、エビやカニなどの甲殻類に豊富に含まれる成分で、サケなどの赤身を作り出す成分でも知られる、赤橙色の色素です。

 

この成分を摂取し、体内に「蓄積」することによって色揚げ効果が得られるという訳なんですね。

ただし、ここで一つ注意が必要です!

実は、すべての熱帯魚がアスタキサンチンを蓄積できるかと言えば、そうではないんですね・・・。

つまり、色揚げ効果のある熱帯魚と、全く効果のない熱帯魚が存在するという事になります。

これは、赤色色素細胞を持っているか持っていないかに関係していて、簡単に言えばアスタキサンチンを蓄積(貯蔵)する場所が有るか無いかという事です。

通常、この赤色色素細胞によって数週間~2か月ほど蓄積されたままになり、それが綺麗な赤色の発色となって現れ維持されます。

 

・・・で、この赤色色素細胞を持つ熱帯魚と言うのは非常に少なく、シクリッド(ディスカスとか有名ですよね!)などの一部の熱帯魚・金魚・錦鯉・メダカくらいなんですね。。。

逆に、ほとんどの熱帯魚にはこの細胞がありません。

しかしながら、この細胞を持たない熱帯魚でも短期間であれば、アスタキサンチンを薄い皮膜に蓄積できることが分かっています。

つまり、赤色色素細胞を持たない熱帯魚でも、短期間なら色揚げ効果が見られるものも存在するという事ですね。

そして、そういった種類の熱帯魚では色揚げ効果のある餌を与え続けることで、美しい色彩を維持することも出来るんです。

 

ざっくりですが、上記で書いたのが色揚げの仕組みという事になります!

 

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色揚げ効果のある餌について

アスタキサンチンは、カロチノイドの一種であるため、「カロチノイド配合」という文言がかかれている場合もあります。

ですので、アスタキサンチン=カロチノイドと考えて大丈夫です。

アスタキサンチンを豊富に含む餌としては、生餌ではブラインシュリンプやアカムシが有名です。

また、冷凍アカムシでは追加でアスタキサンチンを配合している商品もあります。

稚魚の成長が早くなる!栄養価MAXの生餌「ブラインシュリンプ」を孵化させて熱帯魚に与えてみよう!

冷凍アカムシ(赤虫)は栄養豊富な餌!与えるメリットと注意点を知ろう

 

また、人工飼料でもアスタキサンチンが配合されているものは多く存在します。

ちなみに、色揚げ成分であるアスタキサンチン以外にも、輝き成分であるグアニンが配合されているものもあります。

※色揚げ成分を一くくりでカロチノイドと書いていることも多いので、「カロチノイド配合」と言うものを選ぶといいかもしれませんね。

特に色揚げに意識しなくても、餌の中には熱帯魚を美しくする成分が含まれていることが多いので、知らず知らず綺麗な個体が作れているという事も少なくないと思います。

 

また、カロチノイドの一種でゼアキサンチンという色揚げ成分があるのですが、これを多く含むものといえば藻類があります。

グリーンウォーターはメダカの発色や育成に効果的と言われますが、まさにこの成分によって色揚げ効果が期待できるという事なんですね。

ただし、グリーンウォーターといっても藻類の種類は多々ありますので、全く色揚げ効果がないという場合もありますが。。。

 

さいごに

色揚げ効果と言うのは、魚種によって蓄積能力や蓄積期間が異なるそうです。

中には色揚げ成分がたっぷり入った餌を与えることで、不自然な発色に見えたりすることがあるので、少しずつ与えていくのが賢明と言えるでしょう。

 

また、それほど色揚げ効果が無い熱帯魚であっても、飼育していくうち(飼い込むほどに)綺麗な赤色になる熱帯魚も存在します。

それに、上記でも書きましたが餌の中には知らず知らず色揚げ成分が入っていることも多いので、特に気にせずとも赤くなってくれることもあります。

色揚げする場合は、適切な量を様子を見ながら与えていくといいですね!

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