ひし形の体形に、黒の縦バンド模様が美しい熱帯魚で「スマトラ」という種類の魚がいます。
どこのショップでも比較的取り扱っていることが多く、目にする機会が多いため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
特徴ある体形と、美しい模様が人気で、価格も比較的安価、さらに取り扱いショップが多いことから、誰でも簡単に手に入れることが出来る熱帯魚なんですね。
そのことから、「この熱帯魚を飼いたい!」と思う方も多いでしょう。
ただし、スマトラは気性が荒い魚なので、他の熱帯魚と混泳させるときは、注意が必要なんですね。
他の綺麗な熱帯魚を混泳をさせたくなるような種類なんですが、混泳にはちょっと知識がいります。
ここでは、スマトラの飼育方法や注意点などについて詳しくご説明していきますね!
スマトラについて
スマトラは、インドネシアのスマトラ島、ボルネオ島に生息するプンティウス属(コイ亜科に属する小型の熱帯魚)の仲間です。
体形がひし形(◆)をしているため、体高があって見ごたえがあります。
縦に入る黒いバンド模様が特徴的で、成長するにつれて体色がオレンジ色の発色が増してきます。
まるで、クラウンローチに似たような色彩と模様になるんですね。
また、「鼻の先」と「各ヒレの端」が真っ赤に染まって、オレンジっぽい体色に、黒バンド、赤い鼻とヒレは、とても見ごたえがあります。
※黒いバンドは良く見ると、深みのある緑色、つまり暗緑色という興味深い色彩を持っているんです!
改良品種もいて、他のカラーも楽しめる熱帯魚となっています。
スマトラの飼育データ
- 体長:最大7cmほど
- 水質:弱酸性~中性(※弱アルカリ性でも飼育が可能
- 水温:20℃~27℃
- 寿命:3年~5年
- 参考価格:1匹あたり250円~350円くらい
スマトラは、体長が最大で7cmほどの小型の熱帯魚です。
丈夫で幅広い水質に対応できる魚なので飼育が容易ではありますが、なんでも気性が荒い性格で有名で混泳には注意が必要です。
とにかく忙しいほどに水槽内をよく動き回る熱帯魚で、その活発さは見ていて楽しいです。
また、導入した瞬間から同種同士で小競り合いすることも多々あり、ちょっと目を離して再度見てみると「まだやってんのかよ!」というくらい、闘争本能の高い魚です。。。
本当に元気いっぱいな魚ですね(笑
スマトラの混泳について
スマトラは気性が荒く、長いヒラヒラしたものをかじる習性があります。
この性質を持つことから、長いヒレを持つグッピーやエンゼルフィッシュ、ベタなどの熱帯魚と混泳させるとヒレがボロボロにされる恐れがあり危険です。
逆に混泳に適した熱帯魚は、同じく活発に動き回るダニオ系やバルブの仲間、模様がにたクラウンローチも相性が良いです。
もし、スマトラを混泳で楽しみたいときは、「ヒレが短い」「体長が5cm~6cm以上になる」「動きが素早い」の要素がある熱帯魚であれば問題なく混泳が出来るはずなので、そういった魚から混泳魚を見つけてくださいね!
発情したオスは特に気性が荒い
小さくて可愛いサイズの時に購入してきて、問題なく飼育が出来ていても、大きくなって発情するとオスの気性はかなり荒くなります。
さらに縄張り意識が強くなりますので、テリトリーに入ってきた他の魚を追いかけまわしたり、攻撃することが多くなります。
縄張り意識が強くテリトリーを持つ熱帯魚を少数で飼育すると、弱い個体が一方的に攻撃されて弱ってしまうことがあります。
その場合は、飼育する熱帯魚の数を増やすことで攻撃対象が増えて、1匹だけが集中的に攻撃されるのを防ぐことが出来るようになります。
また、素早い熱帯魚が複数いれれば、気性の荒い熱帯魚も案外簡単に飼育が出来てしまうほどです。
水草もかじってボロボロにする可能性がある
スマトラのかじる習性は、水草のも及びます。
特に柔らかい葉、新しい新芽などは、かじられてボロボロにしてしまう恐れがあります。
なので、スマトラを飼育する水槽では、葉の硬い水草が適しているといえます。
葉の硬い水草と言えば、アヌビアス・ナナは代表的存在でお勧めです!
餌の与えすぎに注意!
スマトラは底なしの胃袋かって言うくらい、バクバクと勢いよくあればあるだけ餌を食べます。
基本的に、餌のメインはフレークタイプの人工飼料を与え、たまに生餌や冷凍アカムシなどを食べさせてあげるのも良いですね。
ただ、あまりにも良く食べるので与えすぎには注意してください。
餌の与えすぎは水質悪化を招いてしまうので、まだ食べさせてあげたい気持ちをグッとこらえなくちゃいけませんね(汗
スマトラの繁殖
スマトラは水槽内での繁殖が可能な熱帯魚です。
オスはスマートな体形で発色がとにかく「綺麗」になりヒレの先端が真っ赤に染まるのもオスの特徴です。
メスは抱卵でオスよりも太って見え、オスに比べて発色が薄いため判別は比較的容易です。
また、産卵時期になるとオスはメスを追いかける行動が良く見られるようになります。
卵をバラ撒くように産み落とすので、ウィローモスを低床にしいて、そこを産卵床とします。
卵は見つけ次第回収しないと、親や他の熱帯魚に食べられてしまいます。
確実に繁殖を成功させたいときは、産卵用の水槽を別で用意して、産卵間近な個体を一時的に他水槽へ移します。
産卵が確認できたら、親スマトラを元の水槽へ戻してやるといった感じです。
卵はとても小さいので、砂利を敷いてしまうとまず確認が取れないでしょう。
なので、産卵用の水槽はベアタンク方式で行うのがベストです。
卵は1週間前後で孵化し、3日前後で餌を食べるようになるので、粉末状の人工飼料かブラインシュリンプを与えるといいでしょう。
さいごに
スマトラは気性が荒く、混泳させる熱帯魚は限られますが、これほど活発に元気よく動き回る熱帯魚は珍しいので、水槽に入れて眺めているだけで面白い生態を見ることが出来るんですね。
小さいうちの同種同士の小競り合いは可愛げがあって、見ていて楽しいものがあります(笑
とても美しい発色が見ものですし、飼育がとても簡単なので、初めての方でも気軽に飼育できる熱帯魚です。