熱帯魚を飼育するにあたって確認しなくてはいけない水質で、弱酸性とか中性、弱アルカリ性という風なpH(ペーハー)値があります。
また、硬水とか軟水など、水中に含まれるカルシウムやマグネシウムの金属イオンの含有量も重要です。
水草レイアウトで飼育する熱帯魚は、大体が弱酸性の軟水を好む種類のものが多いです。
人気のグッピーやプラティは、弱アルカリ性を好む傾向にありますが、弱酸性でも問題なく飼育できます。
そんな熱帯魚を飼うときに、強制的に弱酸性の軟水を作り出すアイテムがあるんですね。
その一つとして「マジックリーフ」というものがあります。
ここでは、そのマジックリーフについてご説明していきますね。
マジックリーフについて
マジックリーフは、他にもドクターリーフやアンブレラリーフなど、様々な呼び名があります。
アンブレラって聞くと、人気テレビゲームで映画にもなったバイオハザードのアンブレラ社を連想させそうですねw
ここでいう、アンブレラとは傘状のものという意味があります。
シクンシ科モモタマナ属の落葉高木の葉で、熱帯地方に数多くの種類が存在し、日本でも沖縄以南の地域で生えています。
これらの木々は、トロピカルアーモンド(別名:シーアモンド)と呼ばれる、食べられる実を付けることで知られ、現地の人々からすればごく当たり前で、公園などでも普通に見られるといいます。
なんせ日本では沖縄以南でしか見られない為、機会があればぜひ見てみたいものです。
まあ、そこはグーグル先生の力を借りることにしましょう。
マジックリーフの効果
マジックリーフの代表的な効果としては、、、
- 水質を弱酸性に傾ける
- 水を軟水にする
- 強力な殺菌、抗菌効果を発揮
- 産卵を誘発させる効果
マジックリーフを使用する最大のメリットは、水質を強制的に弱酸性の軟水にすることでしょう。
弱酸性を好む熱帯魚を飼う場合は、このマジックリーフを用いることで簡単に住みやすい環境を作り上げることが出来るようになるんですね。
特に、ベタやビーシュリンプを飼育している水槽では有効とされ、飼育しやすい環境を作り出すだけではなく、産卵を誘発させる効果も期待できます。
ちなみに、マジックリーフと同じ効果を持つものといえば、ヤシャブシの実を使用する方法もあります。
水質を弱酸性に傾けるなら、ソイルの使用は超オススメです!
水が褐色に変化する
ヤシャブシの実と同様に、マジックリーフを水槽内に入れると、水が茶色~褐色に変化します。
この茶色いものの正体はタンニンと呼ばれる成分で、自然界と同じ「ブラックウォーター」を作り出し、水質を弱酸性の軟水に傾ける効果があるんですね。
このタンニンによる茶色い色素の濃さで、見た目で出具合を確認できます。
「水が茶色になるのは嫌だなぁ~」と思う方もいるかもしれませんが、案外シックで自然らしい感じが良いですよ!
マジックリーフを入れるとバクテリアの能力が低下する?
時々、マジックリーフのデメリットとして「バクテリアのろ過能力の低下」というものを見ます。
が、マジックリーフを入れることによって、バクテリアのろ過能力が低下するということは無いと思っていいでしょう。
ちょっと注意しなくてはいけないのが、マジックリーフは濾過材とか人工的に作られたものではなく、100%天然のものです。
葉をずっと入れておくと、分解されて筋だけが残るようになります。
そもそも濾過能力の低い水槽では、枯れ葉は食べ残し同様に放っておくと水質の悪化につながる可能性があります。
最初から入れすぎることで、逆に水質が悪化してしまったことが原因で、バクテリアの能力が低下するのではないか、、、という感じで言われているのかもしれませんね。
なので、最初から多くは入れずに、少量だけ使用するようにすれば問題ないでしょう。
エビ類とオトシンの非常食にもなる
水草レイアウトでエビを飼っている場合は、コケや有機物が豊富に存在する為、むしろ餌を与えなくても大丈夫なくらいです。
しかし、オトシン系って結構エサに悩まされることがあって、水槽立ち上げ当初に発生する茶色いヌメヌメしたコケは好んで食べますが、他の緑色のコケはあまり食べない個体も多いんですね。
数匹しか水槽内で飼育していないのであれば、あまり気にすることでもないかもしれませんが、結構な数のオトシンを飼っている場合は人工飼料を与えないと餓死してしまう恐れが出てきます。
そこで、マジックリーフを入れておくとエビやオトシンにとっての良き餌ともなるんですね。
マジックリーフには水質を弱酸性の軟水に傾けるだけじゃなく、生体によってはエサともなり得るんです。
少しの間、家をあける時なんかにマジックリーフを入れておいてあげるといいかもしれませんね。