低層を泳ぐ熱帯魚のコリドラスは、チャームポイントのヒゲ、そして「おちょぼ口」のような小さなクチが非常に可愛らしく人気の高い種類となっています。
低床の掃除用として導入される場合も多いですが、コリドラスだけを専門に飼育する方も少なくありません。
そんなコリドラスには非常に多くの種類が存在していますが、名前が混合されやすい種類に「コリドラス・トリリネアータス」というものがいます。
流通名である「コリドラス・ジュリー」という名前で出回っている方が多いかもしれません。
ですが、流通名であるコリドラス・ジュリーと言うのは他種で存在しているため、名前がごちゃ混ぜになり誤解の多い種だといえます(汗
この種は、とてもユニークな模様を持つことから、古くから親しまれているコリドラスなんですね。
ここでは、コリドラス・トリリネアータスの飼育方法や導入時の注意点、コリドラス・ジュリーとの違いについてご説明していきますね。
コリドラス・トリリネアータスについて
コリドラス・トリリネアータスは、ブラジルやペルー、コロンビアなどに広く生息するコリドラスです。
古くから「コリドラス・ジュリー」と言う名前で流通し、親しまれている種類となっているんですね。
ですが、実はコリドラス・ジュリーというのは別種で存在しているんですね。
両者は、模様が非常によく似ていることから混合されることがありますが、厳密にいえばトリリネアータス=ジュリーではありません。
見分け方は色々なことが言われていますが、基本的に「トリリネアータス:3本線(ライン状の模様)」、「ジュリー:スポット模様」が特徴だと言われています。
が、コリドラスには亜種が多く、故にトリリネアータスにもスポット模様がいたり、逆にジュリーと呼ばれるものにもライン状の模様が入っているものが存在しているのが現状です。
プロでも見分けることが困難な個体が多い種類が為、全部ひっくるめて「ジュリー」の名で流通しているんですね。
いわゆる本物のジュリーの場合は、名前に「原産地」が明記されています。
例えば、ブラジルのアクレ川原産のものであれば、「コリドラス・ジュリー・アクレ」と言った感じです。
もし、100%本物を求めるならこういった名前に原産地が明記されているものを選ぶといいでしょう。
逆に、コリドラス・ジュリーのみの名前で出回っているものは、ほぼ全て「コリドラス・トリリネアータス」であると考えていいでしょう。
コリドラス・トリリネアータスは、とても魅力的な模様をしたコリドラスとして人気があります。
体表の中央を走る線が、ジグザク状になっていたり、全体的に不規則なネットワーク状の模様がハッキリと現れます。
決して派手な熱帯魚ではありませんが、他の熱帯魚には無いようなユニークな模様は見ていて飽きが来ないです。
コリドラス・トリリネアータスの飼育データ
- 体長:約5cm
- 水質:弱酸性~中性
- 水温:22℃~27℃
- 寿命:3年~5年
- 参考価格:1匹あたり450円ほど
コリドラス・トリリネアータスは、体長が最大で5cmほどの小型の熱帯魚です。
性格が非常に温和な魚なので、群泳ぐはもちろん、他の同程度の大きさの熱帯魚と混泳も楽しめます。
丈夫なコリドラスで知られ、初心者でも簡単に飼育が出来る種類です。
幼魚の時の水質悪化に注意
コリドラス・トリリネアータスは、とても丈夫で飼育のしやすい熱帯魚ですが、小さいうちは水質に敏感な面があることで知られています。
どんな熱帯魚でもそうですが、購入してきて水槽内に導入するときは「水合わせ」をしっかりと行ってから入れるようにしましょう。
また、換水するときは1度に多くても3分の1程度だけにして、水質がガラッと変わるのを防ぐようにしましょう。
また、水温の急変化にも気を付けて換水を行うようにしましょう。
低床の汚れには要注意!
コリドラスは低床の砂利を巻き上げるようにして、砂利の中に口を突っ込んで餌を探します。
低床に使用している砂利やソイルに、汚れが溜まったままにしておくと、ヒゲや口の周りが溶けてしまう特有の病気にかかってしまうことがあるんですね。
なので、低床は常に清潔に保つようメンテナンスが必要となります。
低床をラクラク掃除する便利アイテムといえば「プロホース」です。
お持ちじゃない方は、絶対に1本持っておいた方が良いというくらい便利なものですよ!
また、低床に汚れが入り込まないように、キメ細かな砂を低床に使用するのも効果的です。
こんな感じの、コリドラス専用の低砂もあるんですね!
これなら食べ残しとか浮遊するゴミが砂の中に入り込んでしまうことも無さそうですし、掃除もし易そうなので清潔に保ちやすくなります。
コリドラス・トリリネアータスの繁殖
コリドラス・トリリネアータスは、水槽内での繁殖が可能です。
オスとメスの判別は、大きい個体では腹びれの形状で簡単に見分けることが出来ます。
メスの腹びれの形状は綺麗な扇型(丸い感じ)をしているのに対し、オスは尖(とが)っていて、明らかに形状の違いが分かります。
また、メスは抱卵の為、お腹がふっくらするので体形からでも大体の判別が出来るかもしれません。
確実に繁殖を狙う場合の参考例ですが、、、オス2匹に対し、メス3匹のを繁殖用水槽に移します。
オスがメスを追い回すようになると、いよいよ産卵間近です。
産卵の時、「Tポジション」というコリドラスに多い面白い繁殖形態が見られます。
※オスのお腹にメスが口を当てる姿がアルファベットの「Tの字」に見えるからTポジションなんですね。。。
卵は見つけ次第、回収して隔離した場所でエアレーションをかけます。
孵化したばかりの稚魚はヨークサックといってお腹に栄養素がくっ付いているので、少しの間はそれで生きていけます。
ヨークサックが無くなると餌を欲して泳ぎだすので、ブラインシュリンプなどの小さな餌を与えるといいでしょう。
さいごに
色彩に派手さは無いけれど、その分、芸術的な模様を楽しめる。。。
それが、コリドラス・トリリネアータスです。
1匹1匹模様の入り方も異なるので、複数導入すると模様の違いを楽しむこともできます。
シックで芸術的な模様を持つ、ちょっとオシャレな感じのコリドラスが欲しいという方にはコリドラス・トリリネアータスはピッタリな存在です。