水槽を立ち上げてしばらくすると、いきなり水面にギラギラした「油膜」が出現することがあります。
昨日までは無かったのに、いきなり何でだろう・・・と不安に人も多いかもしれません。
油膜の原因は様々ですが、水槽立ち上げ当初なんかは結構出現するものなんです。
これを取り除くための便利なグッズもありますが、まずは油膜の原因や対処法を知ることが重要です。
目次
突然出現する「油膜」について
油膜は所々にポツンポツンと出現する場合もあれば、画像のように水面全体を覆うように出現する場合もあります。
ギラギラした油が浮いている状態ということになりますから、大事な水槽に何が起こっているのか不安な気持ちになりますよね。
「油」「油膜」と書きましたが、油なんてどこから発生しているのか不思議に思いますよね。
実は、油膜とはいいますがその正体はタンパク質が主な成分となっています。
魚の糞やエサの食べ残しなどから出るタンパク質は、水面に上がって空気あたり酸化します。
やがてそれらはアンモニアなどの有害物質に変わり、水質悪化の原因となるのです。
注意しなくてはならないのは、油膜は一度発生すると瞬く間に広がっていきます。
水質悪化を招くということは悪いバクテリアが繁殖しているということなので、油膜が発生する=悪いバクテリアが増えている状態なのです。
油膜の原因を知ろう
立ち上げ当初は結構出現するもの
油膜は水槽を立ち上げたばかりの状態だと、実は結構な割合で出現するものです。
立ち上げ当初はバクテリアが少なく水質が不安定という理由で起こる場合がほとんどでしょう。
期間経って、バクテリアが繁殖してろ過材に定着すれば、自然と油膜はなくなります。
また、バクテリアの死骸が水面に油膜として表れている場合もあります。
油膜は害のあるバクテリアの住処となるといわれるので、油膜はできるだけ取り除くようにしたいです。
生体の入れすぎ
熱帯魚など、生体を多く入れれば入れるほど水質の悪化のスピードは早いです。
そうなれば当然、水質のバランスが崩れて油膜の発生原因につながります。
また、生体が死んでしまって腐敗が進むと、急激に水質の悪化を招く場合があります。
もし生体を飼っている水槽で油膜が発生するという場合は、ろ過能力が追い付いていないことが考えられるので、ろ過機能を見直したり、生体の数を減らすなどの処置を検討する必要があるといえます。
水草レイアウトでは発生しやすい!?
新しい水草を入れた時や、手入れした後に油膜が発生する場合が結構な頻度であります。
特にハサミで水草の茎をカットするなど、トリミング後に油膜の発生が多くみられます。
水草の茎を切ることで、茎の切り口の断面から出る分泌物が油膜の原因になっています。
しかし、水草トリミングが原因の場合は1週間~2週間もすれば発生は無くなります。
水草レイアウトでは、油膜が水面をすべて覆ってしまうとライトの光量が激減する為、美しい水草を育てるためには取り除く処置が必要になってきます。
油膜を取り除く方法
エアレーション
手っ取り早い方法がエアレーションで水面に酸素のブクブクをすることです。
エアレーションすることで、表面の油膜は水槽内に取り込まれ、底に堆積します。
なので正確に言えば、エアレーションでは油膜を取り除けません。
ですが、表面に油膜を発生させるのを防ぐことができるのです。
水槽の底に堆積しても、ろ過機能が高まってきた段階でバクテリアに分解されるので問題はありません。
しかし、水草レイアウトではエアレーションはちょっと問題があるんですよね。
二酸化炭素はとても空気中に逃げやすい性質を持っているのですが、エアレーションでブクブクしちゃうと、大量の二酸化炭素が発散してしまいます。
基本的に、二酸化炭素を添加している時にエアレーションはNGです。
とはいっても、水草が二酸化炭素を吸って酸素を出すという「光合成」を行っているのは昼だけ。
夜は動物を同じように酸素を吸って二酸化炭素を出します。
なので、夜間だけエアレーションすることで油膜の発生を最小限に抑えることができます。
小まめな水換えを行う
バクテリアが増えて水質が安定するまで、油膜を取りつつ少量だけ水換えするのも手です。
立ち上げ当初とか、水質が安定していない原因はバクテリアがしっかりと増えて機能しているかどうかなので、水槽の水を全部水換えしては振出しに戻るので意味がありません。
あくまでも少量です。
また、水換えするときはしっかりとカルキを抜いてから水槽内に水を入れましょう。
水道水には塩素が入っているので、これを直接入れてしまうとせっかく繁殖したバクテリアが死滅して水質が不安定になります。
また、ろ過材を洗う時も水換え時にバケツに入れた「水槽の水」で洗い、バクテリアが死なないよう徹底しましょう。
油膜取りの便利グッズを利用する
油膜はアクアリウムをするうえでの悩みの種ですよね。
そんな悩みを解決してくれる道具が既に出回っているので、それを活用するのもいいでしょう。
水槽内にキスゴムで付けてすぐに使用できるタイプのものや、エーハイム社が出す、外部式フィルターと連結して使用するものなど様々な種類のものがあります。
油膜を取り除くうえで、こういった商品を導入するのが一般的でしょう。
新聞紙や油を吸収する用紙を使う!?
油膜を取る方法で「新聞紙」や「油を吸う紙(キッチンペーパーとか?)」を使用すると効果的みないなことを結構目にする。
実際にやってみたことがないから分からないのですが、効果のほどはいかがなものなのでしょう。
そもそも僕の場合は、新聞紙を水に付けてインクが染み出ることはないのかなぁとか、油を吸う紙を使用する場合でも、素材が水槽の水に溶けだすことはないのかなぁ・・・と心配性なので、正直なところあまりオススメできる方法ではありません。
ちょっと気になったので調べてみたのですが、新聞紙のインクにはカーボンブラックといって、アクアリウムでいう「活性炭」のようなものが使用されているんだそうです。
活性炭は吸着力が強いことで知られますが、新聞紙も同じ作用をして油膜を吸着している可能性があるんだそうです。
油膜を食べる凄い奴がいる
なんと、油膜を食べてくれるとんでもない熱帯魚がいます。
油膜を食べる魚として導入されるくらい有名で、名前はブラックモーリーという、どの角度から見ても黒一色のメダカ科の魚です。
寿命が平均2~3年で、オスが5センチくらい、メスが倍の10センチくらいにまで成長します。
初心者用として紹介されるくらい飼いやすい魚で、グッピーと同じように卵胎生メダカのため、卵ではなく稚魚として生まれてくるので繁殖も用意です。
繁殖させすぎると水槽が真っ黒になりそうですね(笑
水換えするでもなし、機械を取り入れて除去するでもない。
生体の力を借りて油膜を除去するなんて、普通は考えも付きませんよね。
複数魚を混泳させているような水槽だと、漆黒のブラックモーリーさんを導入するのもいいかもしれませんね。
水質が安定するまでは様々な方法を試してみよう
油膜は水質が安定しない状況で発生することが多いので、発生するうちは様々な対処法をで除去するようにしましょう。
いつまでも油膜が出ている水槽は、ろ過機能がうまくいっていない証拠でもあり、立ち上げから期間が経っているにも関わらず、いきなり出現したという場合は水質が不安定になったというサインとも見れます。
今日では、多くの油膜取りグッズがありますし、油膜を食べてくれる魚だって存在します。
それらを活用して油膜のないクリーンな水を保てるようにしたいですね。