LEDライトだけで水草は光合成できるのか?見落としがちな青色と赤色の波長

照明器具

スポンサーリンク



照明器具といえば、最近は「LED」の普及によって今やこのLEDライトが主流になっているといっても過言ではありませんよね。

熱帯魚の照明器具でもLEDライトはたくさんあり、僕も利用させてもらっています。

LEDはとても明るいので、水草レイアウトでも利用する方が非常に多いようですね。

ただ、中には「LEDは水草育成にはイマイチだ」という声も多くあるようです。

結論から言うと、LEDライトで水草育成は全然可能です。

ただし、LEDライトを使用するして水草育成する場合は、ただ明るければいいという訳ではないということを知る必要があります。

 

LEDライトって?

f:id:gaku_001:20180609000347j:plain

明かりを使うのは、第一世代のロウソクから始まり、第二世代の白熱電球、第三世代の蛍光灯、そして第四世代のLEDという進化を遂げてきました。

日本語では発光ダイオードといい、今やLEDと発光ダイオードは聞きなれた言葉となっていますよね。

最初に発明されたのは1962年で、赤色の発光ダイオードがLEDの始まりとなっています。

1970年代までには、黄色やオレンジといった色のLEDが誕生しましたが、フルカラーの色を作るには「青色」が必要となります。

そして、青色のLEDが誕生したのは1989年のことです。

青色のLEDを発明したのは日本人で、この発明は世間を騒がせ、この後のLED開発を大きく躍進させるものとなりました。

LEDの色彩は大きく分けて色は赤、黄、ピンク、青、緑、白があります。

白熱電球の10倍以上の寿命を持ち、消費電力は白熱電球の5分の1以下、商品によっては10分の1以下にもなります。

寿命がとても長く、省エネなのがLEDライトの最大の特徴といえます。

デメリットといえば、価格が白熱電球に比べて高いことくらいでしょうか。

熱帯魚のライトとして利用するのにも、この特徴はとても有難いですよね。

 

水草レイアウトに使用する場合

水草レイアウトに「LEDライトは適さない」「水草レイアウト向きじゃない」という声が多くあるようですが、こういわれている理由について考えてみます。

まず、水草を育成するにあたって一番重要なものは何かというと、「光合成」が第一に挙げられます。

光合成と聞くと、「二酸化炭素すって酸素出すやつ」「光・水・二酸化炭素が必要」などなんとなくは分かりますね。

植物は動物のように口から物を食べることはできません。

だから、光合成をして自ら栄養分を作り出し成長をします。

ざっくり言うと、光合成とは光を使って水と二酸化炭素から栄養分を作り出すことです。

絶対に必要となる要素の一つが「光」なのですが、

ここで、LEDライトで光合成ができるのかどうかという疑問が生じてきます。

結論を言えば、LEDライトだけで光合成はできます。

ただし、使用するLEDライトによって向き不向きがあるのも事実かと。

よく勘違いしやすいのですが、光合成をするにあたって「光の強さ」を意識してしまいがちです。

ですが、光合成をするのに光の強さは関係ありません。

ここが落とし穴になっているんですね。

 

光合成に必要な「波長」

光合成に重要となってくるのは光の「波長」です。

波長とは、光の波の長さで、この長さによって目に見える色が変わってきます。

この目に見える色のことを「可視光線」といって、いわゆる虹(7色)です。

LEDは水草育成に適さないといわれるのは、置き換えれば「波長があってない環境」とも言えます。

f:id:gaku_001:20180609000335j:plain

光合成をするにあたって必要な波長、つまり色は「青色」と「赤色」の2色が欠かせません。

この波長のどちらか一方が欠けてる状態で、光を強くしてもうまく水草を育てることはできないでしょう。

僕は水草レイアウトで、ウィローモス、リシア、グロッソスティグマの3種類を育てています。

使用しているライトは、LEDライトの「白・青・赤」に発行するタイプ。

まさに、今は水草を育てるということを売りにした商品が多数あります。

二酸化炭素を添加して、白色だけを付けた状態にしておくと、気泡を出して目に見える光合成を行っていると分かるのは、ウィローモスだけでした。

ウィローモスは、二酸化炭素を添加しなくて、少ない光量でも育つようですね。

しかし、リシアとグロッソスティグマには気泡を出している姿が見られませんでした。

次に、青と赤を付けた状態で様子を見ると、リシアに気泡がビッシリ付いていて、グロッソスティグマも葉の裏に気泡をいっぱい付いているのを確認できました。

思っている以上に青色と赤色の光は、光合成をするにあたって重要だということが実際にやってみて良く分かりました。

いかに光が強くても必要な波長が無くては光合成は出来ないのですね。

水草レイアウトでLEDは適さないといわれるのは、白一色のライトを使用した場合に言えるのかもしれません。

育てる水草の種類にもよるかと思いますが、二酸化炭素の添加が必要不可欠な種類を扱う場合は白LED一色では厳しいかと思われます。

 

スポンサーリンク

青色と赤色の役割

水草を綺麗に育てるために必要な青色と赤色の波長ですが、それぞれに役割があります。

f:id:gaku_001:20180609004125j:plain

青色の波長は、茎を太くしたり葉を厚くする役割があります。

つまり、本体そのものを丈夫にするために必要な波長なんですね。

 

f:id:gaku_001:20180609004133j:plain

赤色は、植物そのものが成長するために必要で、光合成をするにあたって一番重要なのがこの赤色の波長といえます。

二つに役割があるので、バランスよく照射することが水草を美しく育てるポイントとなります。

ちなみに、波長は「nm」という単位で表され、光合成の時に吸収される領域が決まっています。

青色は主に400~500nm、赤色は主に600~700nmです。

水草を育てるのに適したLEDライトの外箱には、こういった表記があるので確認してみてください。

 

LEDライト以外は水草に適した波長が高い

f:id:gaku_001:20180609001449j:plain

蛍光灯はLEDよりも光合成に適した波長が高いため、水草レイアウトには適しライトです。

もし、白一色のLEDライトを使用している場合は、蛍光灯と併用することで効果を増すことができます。

LEDライトを使う場合は、水草育成を売りにした商品で青と赤の波長が備わったものかを確認すれば全く問題ないでしょう。

LEDライトは野菜工場では、野菜育成に最適なものとして利用されるなど、今現在も進化を続けています。

アクアリウムに使用するLEDライトも、光合成を完璧にこなすような商品が出来る日も近いでしょう。

スポンサーリンク